電脳筆写『 心超臨界 』

手本は人を教える学校であり
他からは何一つ学べない
( エドマンド・バーク )

不都合な真実 歴史編 《 スペイン大帝国没落のわけ――若狭和朋 》

2024-06-25 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  歴史はいつも誤って書かれる
  だからいつも書き直しが必要になる
  ( ジョージ・サンタヤナ )
  History is always written wrong,
  and so always needs to be rewritten.
  ( George Santayana, American Philosopher, Poet, 1863-1952 )


◆スペイン大帝国没落のわけ……ある奇書の劇毒

「続・日本人が知ってはならない歴史」
( 若狭和朋、朱鳥社、p50 )

私は高校教師の時、世界史の授業は「大航海時代」から始めました。古代から始めるよりも、現代に関係事項の多いこの時代から始める方が便利だからです。

同類はいろいろあるようですが、ヨーロッパ人の冗談を紹介しました。

  「イギリスを自慢しているやつはイギリス人だ。
   ドイツの悪口を言っているやつはフランス人だ。
   スペインの悪口を言っているやつはスペイン人に決まっている」

この冗談の主役はスペイン人です。

あのスペイン(イスパニア)大帝国はなぜ衰弱・没落したのか。

それは、スペイン人が自国を悪く言うようになったからです。悪く言う、つまり自国を悪く考えるようになってからイスパニア大帝国は衰滅に至りました。

誰がスペインを悪く言ったのでしょうか。

イギリスやオランダです。この両国はスペインの後輩国です。イギリスやオランダが植民地でいかに酷いことをしたかは、今では広く知られています。殺されたアメリカ原住民やインドネシア人のその数を知る人はいません。

同じことをスペインもやった「だけ」です。しかし、スペインは敗けました。悪口合戦に敗けたスペインは、歴史の敗北者になり果てました。つまりスペイン人たちはスペインの歴史に自信が持てなくなっていったのです。悪逆非道の国・虐殺の国・異端虐殺の国・暗黒の帝国・狂言の支配する国……無数の悪口がスペインに浴びせられました。

プロパガンダ(宣伝)合戦に敗北したスペイン人は、国民的に元気を失い歴史の敗北者にさせられました。自信を喪失し自己嫌悪に苦しみ、自虐に親しみ、寂しく自国を嘲笑する国民には衰滅しか道はありません。

スペイン衰滅に大きな力を発揮した一冊のパンフレットがあります。司教のパルトロス・デ・ラス・カロスの書いた『インディアスの破壊について簡素な報告』というのがそれです。岩波文庫にもあります。こんな調子です。

「……彼ら(スペイン人)は村々に押し入り……老いも若きも身重の女もことごとく捕らえ……引き裂きずたずたにした」

「彼らは誰が一太刀で身体を真っ二つに斬れるかとか、誰が一撃のもとで首を斬り落とせるかとか賭けをした」

「ようやく足が地に着く程度の絞首台をつくり、13人ずつ吊るし……生きたまま火をつけた……」

念のために言い添えますが、これは例の「南京大虐殺」の一節ではありません。このカロスのパンフレットは、敵に徹底的に利用されました。空想で描いた残虐な場面の銅版画とともに流布されました。この銅版画は日本の高校生の持たされる教科書・参考書にも載せられています。

イギリスが大英帝国として興隆していく過程で、スペイン帝国が衰滅していきました。科学技術や人文地理的分野からの考察はむろん必要ですが、国民国家の発展・衰滅の土台はエトス(国民精神)の盛衰が基盤なのです。

スペイン帝国の衰滅は、スペイン人のイスパノフォビア(スペイン嫌悪)とともに進行しました。日本人のジパノフォビア(日本嫌い・仮称)は相当に深刻ですが、大丈夫でしょうか。スペイン帝国の衰滅の原因はスペイン人のイスパノフォビアであり、1588年の「無敵艦隊」の敗北ではありません。一敗地にまみれても、国民に元気(正気)が健在なら、一会戦(海戦)の敗北で国が滅びたりしません。
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