電脳筆写『 心超臨界 』

良い話し手になるゆいつの法則がある
それは聞くことを身につけること
( クリストファー・モーレー )

数学とは生命の燃焼です――岡潔 先生/藤原正彦

2024-07-11 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


第一次南極越冬隊隊長の西堀榮三郎さんのことを“真夜中のにわとり”と評する人がいました。夜明けに鳴けばいいのに、深夜では鳴くのが早すぎて時々物議をかもし出すからです。卓越した着想力で、世の常識といわれることに風穴を明けることを楽しんでいた、ともいわれています。

天才には、われわれ凡人の目には見えないものが見えるということなのでしょう。天才にとってはあまりに当たり前のことなのに、凡人から見れば奇行としか言いようのないエピソードが数々残されています。想えば世の中は、真夜中のにわとりだらけなのかも知れません。

数学者・岡潔先生にも奇行と言うべきエピソードがたくさんあります。岡先生は、数学の独創には情緒が必要と考えました。自分の研究のためには、まずは蕉風(芭蕉一派)の俳諧を勉強しなければならないとして、芭蕉の研究に一生懸命に励みます。


◆数学とは生命の燃焼です――岡潔先生

『国家の品格』
( 藤原正彦 新潮新書、p140 )

岡潔(1901~1978)という大数学者がいます。奈良女子大の教授をしていて、『春宵(しゅんしょう)十話』という随筆集でも有名な数学の天才です。奇行とも言うべきエピソードのたくさんある先生ですが、一風変わった主張の中にしばしば本質的なことが含まれていて、学生時代の私は深い影響を受けたものです。

例えばフランス留学から帰ってきた直後には、「自分の研究の方向は分かった。そのためには、まずは蕉風(芭蕉一派)の俳諧を勉強しなければならない」と、芭蕉の研究に一生懸命に励んだ。数学の独創には情緒が必要と考えたのです。その後、やおら研究にとりかかり、20年ほどかけて、当時彼の分野で世界の三大難問と言われていたものをすべて独力で解決してしまうという快挙を成し遂げました。毎日、数学の研究にとりかかる前に、1時間お経を唱えていたそうです。

岡先生は1960年に文化勲章を貰いました。陪食(ばいしょく)の席で天皇陛下に、「数学とはどういう学問か」と訊かれた時、「数学とは生命の燃焼です」と答えられたそうです。岡先生は、数学上の発見に関して西洋人はインスピレーション型、日本人は情緒型ともおっしゃっています。

新聞記者からある時、「先生がおっしゃる情緒というのは何ですか」と訊かれ、岡先生は「野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心」と答えられました。

私たち数学者にとっては、非常に分かり易い話です。野に咲く一輪のスミレ、その可憐(かれん)さに愛情を感じ、その美に感動する。これが数学の研究をする上で重要ということです。

数学をやる上で美的感覚は最も重要です。偏差値よりも知能指数よりも、はるかに重要な資質です。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヒドリノトキハ ナミダヲナ... | トップ | 科学と宗教の境があいまいに... »
最新の画像もっと見る

04-歴史・文化・社会」カテゴリの最新記事