ヒト、モノ、カネの経営資源を十分効率的に使っていない会社が敵対的買収のターゲットになる。非効率な会社を買収して効率的に経営すれば、株価が上昇して利益が出る。他の非効率な企業も敵対的買収を恐れて、経営を改善しようとすれば、長期的に経済全体の効率が高まる。一方、経営者の口約束や暗黙の契約に頼っていた従業員がリストラされたり、顧客の保護が犠牲になることがある。この場合には、単に所得の再配分で短期的に買収者が利益を出すことになる。 . . . 本文を読む
「固定為替相場」と「独立した金融政策」が両立しない理由は、為替介入です。固定相場というのは放っておいても相場が維持されるというものではなく、相場を維持するために介入し続けなければいけない制度です。介入のために嫌でも円を刷らなければいけないことがありますので、独立した金融政策を行なうことができなくなります。 . . . 本文を読む
時間は、二面性を持つ。常に同じ速度で流れる「時計時間」(クロック・タイム)は、量的・客観的である。人間が生理的・心理的に感じとる「適時時間」(タイムリー・タイム)は、質的・主観的性質が強い。前者は規則的だが後者は不規則で可逆的でさえある。ジャズや演劇に見られる即興は、適時時間の典型である。 . . . 本文を読む
今日の技術は、19世紀のように、それぞれがそれぞれの世界にあり続けるというものではない。互いに交錯する。医療品メーカーにとっての遺伝子工学や医療用エレクトロニクスのように、聞いたことのない技術が、突然産業と技術に革新を起こす。新しいことを学び、手に入れ、使い、さらには、ものの考え方まで変えることを必然とする。 . . . 本文を読む
日本の人工林は戦後の植林で樹齢50年以下の木が8割を占め、森林蓄積量は戦後間もないころの2.3倍の約40億立方メートルになった。かつてない成熟期を迎えつつあるが、林業に詳しい富士通総研主任研究員の梶山恵司さん(53)は「手入れ不足で持続できるか崩壊するかの岐路に立っている」と警鐘を鳴らす。 . . . 本文を読む
転んでも、そのたびにひと回りおおきくなって起きあがる。それをモットーにした私には「越後の雪だるま」というあだ名がついた。ピンチをチャンスへ。逆境を糧に。もがき苦しみながらも、必死に光明を見いだそうとしてきた80年の歩みをこれからつづってみたい。 . . . 本文を読む
「致知」2003年2月号の特集は、「信念の力」。「信念こそ道を拓く――日本の力をどうよみがえさせるか」というテーマで、日本郵政公社初代総裁に内定した生田正治さんと内閣府経済財政諮問会議議員の牛島治朗さんの対談が行われました。対談の中からお二人の言葉を抜粋します。「大人虎変」の勢いで思い切って色を変えてほしい、と励ます牛島さんに対して、生田さんは「企業は改革を通じてのみ、利益を生む」というドラッカーの言葉を引用して、改革に向けての信念を述べられています。 . . . 本文を読む
プリンターの性能が飛躍的に上がった今、「大量に作れば製造原価は1~2円程度」と、日本法科学技術学会会員で偽造通貨対策研究所の遠藤智彦所長(52)は話す。1枚千円で売った場合、買った人間は9千円の「もうけ」となる。作った人間より使う人間の方が利ざやが大きいのは、逮捕されるリスクも大きいからだ。 . . . 本文を読む
いま、社会倫理の回復を図るために、法制度などの厳格化を求める意見もありますが、私はそれよりも、この「欲張るな」、「騙してはいけない」、「嘘を言うな」、「正直であれ」というような、「人間としての正しい生き方」を示した、単純でプリミティブな教えを、まずは社会のリーダー自身が徹底し守り、また周囲に守らせるほうがはるかに有効であると考えています。 . . . 本文を読む
強制捜査の2日後、目を充血させた堀江前社長に呼ばれた。「いやあ、まいっちゃいました。万一の時は、後をお願いします」。堀江前社長が逮捕された翌日、平松社長は就任会見に臨む。「これまでの半生で最も忙しく、かつ最も充実した2カ月だった」。火中の栗を拾って、なぜそこまで前向きに?。そりゃあ、盛田イズムだよ、と即答した。 . . . 本文を読む
法人税をなぜ下げるかにはきちんとしたロジックがあります。法人税と所得税は裏腹なのです。なぜ裏腹かというと、唐突かもしれないけど、経済理論のほうがわかりやすいからそれで説明しますね。経済理論では、所得税が完全に取れるなら法人税はゼロ。なぜかというと、所得税が完璧に取れるなら、役員報酬、資産課税、賃金報酬から全部取れる。法人はあってないようなもの。いわゆる社会的に実在するのではなく法律上の目的のために設定されているという法人擬制説なのです。経済理論には擬制説しかありません。 . . . 本文を読む
消費税を社会保障目的税とする先進国はないわけですが、それは、まず財源は保険料にするが、保険料を払えない人の分を所得税の累進部分で補填するという保険原理があるからです。つまり原則は保険料だが、一部は金持ちの所得税から保険料を払えない人の分を取ってくる。社会保険の財源は保険料+所得税が基本なわけです。だから消費税の社会保障目的税化は他の国にはないんです。これを誰も言わない。 . . . 本文を読む
日本のマスコミは、財務省が「日本は1087兆円の借金を抱えている」という情報を流すと、何の検証をすることもなく、そのまま報道します。ご丁寧に「国民1人当たり859万円の借金だ」というようなことまで伝えます。日本経済新聞の記者ですら、そのような内容の記事を書きます。これは、大いに誤解を招く記事であることを説明するために、私は日経新聞を例にして、こんな話をすることがあります。 . . . 本文を読む
日本の経済学者は、自国のことだけを見て論じていて、他国との比較ということをしない傾向がある。これでは本当の原因はわからない。過去40年くらいのさまざまなデータを他国と比較してみると、成長率の推移と同じ傾向を示しているデータは、マネーしかない。 . . . 本文を読む