司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

一般社団法人の代表理事の交代 その4

2017年10月16日 | 商業登記

おはようございます♪

代表理事の変更登記。。。実はですね。。。先日、東京司法書士協同組合が商業登記倶楽部の神崎先生のセミナーを主催されておりましてね。。。そこで、今回のハナシもチラッと出ておりました。

レジュメや書籍には、結論が書いてあるわけではなく、神崎先生が口頭で説明されたのですケドも。。。結論としては、理事会議事録には、新代表理事のみの実印が押されていればOK。。。というモノでありました。

ただ、法務局としては、必ずしもこの結論で登記を受理しているというワケではないみたいなので、一応、理屈を整理してみたいと思います。

まず、条文を見てみましょう♪

一般法人法 第九十五条 (理事会の決議)
 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
 前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。
 理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
 理事会の決議に参加した理事であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
 
 
それから、一般社団法人等登記規則第3条では、商業登記規則 第61条第6項を準用しています。
 
商業登記規則第61条第6項
 代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑

いかがでしょうか?

ちなみに、(ちょっとシツコイですが^_^;)株式会社の場合(取締役会設置会社における代表取締役選定決議の議事録)はどうなっているか。。。おさらい。

1.取締役会議事録(実開催)⇒61条6項3号
出席取締役及び監査役の個人実印押印
ただし、従前の代表取締役が会社届出印を押印している場合には、他の出席取締役及び監査役は認印押印または自署でよい。

2.取締役会議事録(書面決議)⇒61条6項3号類推
取締役全員の個人実印押印(ただし、取締役が個々の同意書に実印を押すことでも可)。
ただし、従前の代表取締役が議事録に会社届出印を押印している場合には、議事録には、その他の取締役の押印等がなくても可。
※監査役の書面は不要

3.株主総会議事録(実開催)※定款に、株主総会で代表取締役の選定決議が出来る旨の定めがある場合⇒61条6項1号
議長及び出席取締役の個人実印を押印
ただし、従前の代表取締役が会社届出印を押印している場合には、議長及び(会社届出印を押印した取締役以外の)出席取締役の署名義務はない。

4.株主総会議事録(書面決議)※定款に、株主総会で代表取締役の選定決議が出来る旨の定めがある場合⇒61条6項1号類推
議事録作成者である取締役個人の実印押印
ただし、従前の代表取締役が会社届出印を押印している場合には、不要。

。。。となります。

では、一般社団法人に当てはめてみるとどうなるか。。。
次回へ続く~♪ 

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一般社団法人の代表理事の交代 その3

2017年10月12日 | 商業登記

おはようございます♪

今回みたいなハナシ。。。そんなに珍しいコトじゃなさそうですよね~?

代表理事って、持ち回りで就任することもあるようですから、代表理事の交代が頻繁に起こる法人も多いと思います。
しかも、会社が社員で、その従業員とか取締役が一般社団法人の理事になっていますと、人事異動に伴って理事交代!!というコトもございます。

株式会社だったらば、取締役会議事録は「出席した取締役と監査役」が署名義務者になるワケですケド、定足数を満たさないと取締役会の決議自体が出来ませんからね。。。誰もいない。。。という事態にはなりません。
ですので、取締役会議事録に関しては、代表者交代担保という意味で疑義が出ることはなさそうなんです。

じゃあね~。。。
取締役会設置会社で、代表取締役を株主総会で選定できる旨の定款の定めがあるケースを想定してみましょう。

株主総会議事録の署名義務者は、会社法には定められていません。
そこで、代表取締役を選定した株主総会議事録に関しては、商業登記規則第61条6項1号で「議長及び出席取締役」とされています。

で。。。これ、仮のハナシですが、代表取締役に選定される予定の取締役だけが株主総会に出席して議長を務め、その他の取締役は全員欠席ということもあり得ます。。。つまり今回と同じ状況。。。
。。。その株主総会議事録には、その株主総会で代表取締役に選ばれた取締役1人だけの実印が押される。。。ってコトになるワケです。
これだと、規定上は問題ないと思います。。。違和感もありません。。。よね? (~_~;)

まぁ、株主総会だとね。。。他の出席者というと「株主」なっちゃうし、原則と例外みたいな関係でもないので(敢えて言うなら、株主総会で決議できるトコロが例外なんですが。。。(~_~;))、今回のハナシとはちょっと印象が違うかも知れないのですケド。。。。ただ、「代表者交代担保」という観点からして、それで良いのかっ!?。。。。という点は、今回のケースと同じだな。。。って気がいたします。

。。。で、今回の論点をいくつか挙げてみますと、こんな感じになると思います。

1.当該理事会で代表理事に選ばれた理事は、一般法人法でいうところの「出席代表理事」に該当するのか?
2.一般社団法人等登記規則3条では商業登記規則61条6項を準用しているが、一般法人法95条3項カッコ書き(定款に別段の定めがある場合)の規定についてはどう考えれば良いか?(カッコ書きを含めて準用しているか?)

それから、ちょっとハナシは違うんですが、個人的に気になっているトコロもございます。

3.定款に別段の定め(出席理事の代わりに出席代表理事が署名義務者になる旨)があり、旧代表理事が平理事として理事会に出席している場合、旧代表理事が理事会議事録に法人の届出印を押せば、規則61条6項ただし書きの適用を受けることができるのか?

ハナシの順序が合ってるかどうか、分かりませんが。。。。次回へ続く~♪

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一般社団法人の代表理事の交代 その2

2017年10月10日 | 商業登記

おはようございます♪

早速先週の続きです!

今回の法人サン、理事は大勢いるのだそうでね~。。。定款には別段の定めを置いているとのことです。
なので、理事会議事録の署名義務者は、出席した代表理事と監事というコトになっておりマス。

しかしながら、今回の理事会。。。旧代表理事は理事会への出席権限がなく(退任済なので)、監事は欠席されたのですって!?

えぇーっ。。。。じゃあどうすればっ???(>_<)

。。。というコトなんです。

まず、代表理事を選定した場合の理事会議事録の押印について、原則を確認しておきましょう♪

理事会議事録には、出席理事と出席監事の個人の実印を押印し、登記の際は、その印鑑証明書を添付するコトになりマス。
ただし、従前の代表理事が法人の届出印を押している場合には、実印でなく認印でOK(ハンコは押さずに自署するだけでもOK)。。。。

次に、定款に別段の定めがある場合ですが、これも上記と同じで、出席代表理事と出席監事が個人の実印を押すことになりマスよね。

ただし、今回は旧代表理事も監事もいない。。。唯一、その理事会で選定された代表理事だけが出席。。。。(~_~;)
。。。だったらさぁ。。。。新代表理事だけが理事会議事録に個人の実印を押印すれば良いってコトになる。。。のよね~???(@_@;)

でもですよ。。。考えてみてください。。。

こういう書面って、普通は「代表者交代担保」って言われておりまして。。。
つまりね。。。選ばれたヒトじゃない他のヒトに「確かにそのヒトが選定されました」と言わせるコトに価値があるワケですよ。
それを、選ばれた本人だけが「ワタシ、選ばれました(*^_^*)」と言ってもね。。。思いっきり利害関係人なんで、意味ないんじゃないの???。。。って気がしませんか?

なので、「代表者交代担保」という趣旨に照らして考えますと、それじゃあダメなんじゃ!?。。。って思いますよね。
。。。で、管轄法務局もね。。。そういう意見だったそうです。

。。。となると、どうなるか???
突然原則に戻り、出席理事全員の実印を押せ!!。。。ってハナシになってしまったんですって。

ぇぇぇえ~っ!。。。そんなぁ~。。。(>_<)
出席理事の皆様。。。これまでは三文判ですら押さなくて良かったモノを。。。突然、「今回は記名押印してよね♪ 実印でね♪」。。。っていうのもどうなんでしょう!?

ずいぶん乱暴なハナシのような気もしませんか。。。?(・.・;)

そこで、これ、理屈で考えてみよう。。。と思いまして。。。

続きはまた~♪

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一般社団法人の代表理事の交代 その1

2017年10月05日 | 商業登記

おはようございます♪

本日は、知人の噂バナシでございます。
またしても、お題からだいたいお分かりでしょうけど、これ、結構重要なハナシなんでね。。。。。ご意見とか、実際どうだったか。。。みたいなハナシをお聞かせいただきたいなぁぁ~と思っております m(__)m

では始まり~♪

一般社団法人と株式会社っていうのは、色んな点で大変似通っておりますよね。
なので、法人が苦手なワタシでも、結構いけちゃうな。。。って気がしています (^0_0^)

で、モノは理事会設置一般社団法人でございます。

今般、社員総会で代表理事(及び理事)が辞任されまして、その後の理事会で代表理事を選定しました。
さて、理事会議事録には誰が記名押印(または署名)すれば良いでしょうか?。。。というハナシ。

取締役会議事録の署名義務者は、出席した取締役(および監査役)全員ですが、一般社団法人の場合も原則は同じでして、理事会議事録の署名義務者は出席理事及び出席監事全員ってことになっておりマス。

ただし、一般社団法人の場合は(一般財団とか公益法人も同じですが。。。)、定款に別段の定めを設けることができましてね。。。。理事会議事録の署名義務者を「出席代表理事及び出席監事のみ」とすることが認められているんでございます。

どういうことかというとね。。。

こういう法人の場合って、会社じゃないんで、理事の人たちって色んなところにバラバラになっていらっしゃる。
しかも、人数が結構多かったりします。
さらに、すごい有名人が理事になってたりもしてね~。。。。。(ーー;)

署名であろうが、認印1個もらうのであろうが、すごぉ~っく大変なんですよ。
ぃやホント。。。しかも、捨印押したがらない。。。みたいなコトもあります(>_<)

特に、旧民法法人だと、大体そんな感じでございますよね。
一般法人法の施行後に設立した法人だと、必ずしもそうでもないんだケド、学会を法人化したりしますと、いっつも大騒ぎです。
一応、どこの法人にも事務局はありマスが、会社の総務部と同じようにはいきませんしねぇ~。。。

会社だったら、取締役のヒトには(普通は)有無を言わせず従わせますケド、言ってみれば、全員が外部役員みたいなモンですからね。。。出席理事と監事全員に署名義務があるとなると、いつになったら議事録が完成するものやら、分かったモンじゃないのです(~_~;)

。。。そういうワケで、株式会社とは違い、定款で別段の定めをすることが認められている。。。と思う。。。^_^;

では、定款に別段の定めがある場合、理事会で代表理事を選定したら理事会議事録はどうなるか???

はぁ!? 普通に出席代表理事と監事が記名押印すれば良いんじゃないの??。。。何がギモン!?。。。
簡単な気がしますが、イロイロあるんだそうで。。。。次回へ続く~♪

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取締役会の共催!? その2

2017年10月03日 | その他会社法関連

おはようございます♪

もう10月なんだ。。。今年は何をしたんだろ~???。。。(~_~;)
ナンテコトを毎年思っているような気がいたしますが、全く早いモンです。

え~。。。では先週の続きデス。

株主総会と種類株主総会は共催とすることがありマスが、この辺りの法務局では、「共催であっても議事録は分けなさいね♪」 ってコトになっておりマス。

何年か前までは、議事録も1通にまとめていたんですケドも。。。ある時、そういう質問を法務局にしたヒトがいたらしく。。。(~_~;)
それに対するお答えは「議事録は分けなさい」。。。でした。
それからは、ワタシも議事録は分けて作成するようにしています。
でも、共催なんで、開催時間は共通になるワケですよね。

ただし、時間が被っていますから、共催であるコトは議事録に記載しています。
記載事項ってわけじゃないんだケド、やっぱり、書かないと事情が分かりませんからね~。。。。^_^;

 

。。。で、ハナシを戻しまして、取締役会でございますケド。。。担当者様にオハナシを伺いましたトコロ、やっぱり共催だそうで。。。(@_@;)

ムムムム。。。。(-_-;)。。。取締役会の共催って。。。。良いのかしら????????

ま、でも、やっちゃってますんでね~。。。ウソをつくわけにもいかないし。。。
しかも、今回に関しては、2社の管轄法務局が違いますから、同じ時間にしたとしても法務局にはバレません(~_~;)
それに、弁護士さんの見解でもOKだというのでね。。。とりあえず、同じ時間を入れまして変更登記を申請いたしました。

まぁ当然のコトですが、もちろん、登記はあっさり受理されました。

でも、仮に同一管轄だった場合でも、いけるのか。。。???
気になるなぁ~。。。。。って思い、ちょっと考えてみました。

まず、取締役会ってモノは原則非公開なワケですケド、役員が全く同じなので秘密が漏れる心配はありません。
チョット気になるのは、オブザーバーとして参加するヒト達でしょうか。。。
さすがに実務レベルの担当部署のヒト達も共通ってコトはないだろう。。。とは思いますよね?。。。ケド、取締役会とは直接関係ないヒトを呼んでも良いんですから、取締役会のメンバー全員が同意のうえならば、他社のヒトがいても良いような気がします。

それから、議案については共通のモノもあれば、そうでないモノもあり。。。報告事項に至っては、たぶん、共通するモノはないのでは?。。。と思います。

何だか違和感がすごくあるよなぁ~。。。
しかしね。。。考えてみましたら、株主総会を共催する場合も、種類株主総会の決議事項じゃない議案はありますからね。。。
だったら、それも問題ないのかなぁ~???(@_@;)

後は、株主サンの関係ですかね。
今回は株主は1社ですけど、もし、共通じゃない株主サンがいたとしたらどうかな~???
う~ん。。。。どうだろ~???

別々に開催した場合とそうでない場合で違いはあるか???。。。と考えますと、取締役会ですからね。。。議決権を行使できるメンバーが共通であれば、株主はあんまり関係がないような気がします。

。。。というわけで、オブザーバーとして参加するヒトに関しては、若干気になっておりマスが。。。^_^;。。。実質的な支障はなさそう。。。

そっか。。。うんっ!じゃあ、今度は視点を変えまして。。。株主も役員も共通の複数の会社が株主総会を共催することができるか?。。。

別会社の株主総会を共催!?。。。。ダメでしょ~っ!!!。。。と思いつつも、事実上の支障がないか?。。。と言われると、「ない」と思います。
でもな。。。。。でもなぁ~。。。。。。。。何かがキモチワルイ。。。。。。(ーー;)

。。。で、最終的にキモチ悪い原因が何となく分かりました。

別会社の場合って、決議する内容は同じであっても、同じ議案ではないんですよね?

つまり、同じ取締役候補者を選任する議案であっても、A社の決議とB社の決議は違う。。。
だとすると、共通する議案は一切ない。。。ってコトだ!

まてよ!?。。。だったら、それは「共催」と呼ぶんだろうか??

つまり、こういうことかな?
本来はA社の取締役会⇒B社の取締役会 の順で開催するべきところ。。。A社の取締役会のうち1号議案⇒B社の取締役会のうち1号議案⇒A社の2号議案⇒B社の2号議案。。。というように、混ぜこぜで決議した。。。ってコト??

。。。ツラツラと考えてみますと、別に良いんじゃないの?。。。と思えてきました。
けど、これをどうやって議事録に表現したら良いのか。。。というコトは分かりません(>_<)

普通そういうコトはやりませんからね~。。。
ダラダラ長いわりに、何の解決にもならなくってスミマセン m(__)m

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