司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

社債みたいな株式 その3

2012年03月22日 | 株式・新株予約権

種類株式というのは、色々な使い方があるモンだ。。。
常々思っていることではありますが、このときも「へぇ~。。。なるほどねぇ~。。。」 って思いました。
ま、細部に関しては、ワタシが提案したところもあるのですが、そもそも、発想のモンダイですからね。。。

まず、この種類株式は優先株式にいたします。
剰余金の配当について普通株式に優先するって内容です。
しかし、もう一つ。
借入金には劣後することになっております。
つまり、分配可能額が存在したとしても、借入金を先に弁済しないと優先配当金を支払えない。。。。のです。
(普通じゃね。。。そんな株式引き受ける方はいないと思いますケドも^^;)

よって優先順位は明確に
①借入金の全額弁済
②優先株式への剰余金の配当
③普通株式への剰余金の配当

という定めをおきました。

さらに、優先配当金は年●%(払込金額を元本として)、配当できない場合は当然に累積する。
。。。で累積した優先配当金があるときは、「元本+累積した優先配当金」の●%が翌年の優先配当金になる。。。という具合。
そして、分配可能額が存在する場合には、必ず配当を実施しなければなりません。

さらに、当然、優先配当金を全額払ってからでないと普通配当はできない、ということにしております。

株式といいながら、準消費貸借契約に基づく金銭債権みたいな感じですよね~。

利息は1年に1回払ってくださいね。
払えなかったら、利息はどんどん溜まっていきますよぉ!
溜まった利息は元本に組入れられますからね♪ 

↑ こんな感じ。
しかもですね。。。これ、借入金が存在する場合には剰余金の配当ができないので、数年間は絶対に優先配当金は支払えません。
これじゃあいくらなんでもカワイソウ。。。なので、累積するのは数年後から、ということにしました。

その後、借金がなくなり、優先配当金がキチンと支払われている場合(=分配可能額が存在している状況)は、会社は元金(DESの際の現物出資財産の価額)を支払って優先株式を取得することができます(=取得条項)。
(ちなみに、借入金の全額弁済前は、取得請求権も取得条項も発動できません。)
株主側が取得請求することもできることになっています。

会社が儲かっているならば、株主としては取得請求なんかせずに、ずっと優先配当金を貰い続けた方がお得♪ なんで、ある時期からは優先配当金を支払わず、普通配当と同様にしようか。。。というハナシも出ましたが、これは却下。

親会社サン、具体的なハナシになったらば、結構貪欲になりました^^;

あ、そうそう、議決権はありませんで、議決権復活条項もなし。
普通株主サンは何だか可哀想ではありましたが、金融機関も最終的に納得してくださって、無事に発行することができました。

株式なんですけど、かなり社債に近いものになりました。
株主ではあるけど議決権は行使できず、利息のような優先配当(しかも分配可能額があれば配当を強制)の支払義務があり、利息の支払が滞れば、遅延損害金のように優先配当金の額が通常よりも割り増しされる。そして、最初から全額返済が予定されている。さらに、万が一会社が解散することになれば、残余財産の優先権もあるけど、その額は元本(株式発行時の払込金額)と未払いの優先配当金の額に限られる。。。

でも、これは株式なんですよね^^;
不思議な感じ。。。

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