司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

報告事項の書面提案

2009年12月04日 | 株主総会

先日、無議決権種類株式を発行している会社が株主総会を書面決議(株主総会の決議の省略)で行うことになりました。

定時総会なので、決議事項と報告事項があります。

そこで、担当のMさんが、こんなことを言いました。
「無議決権種類株式の株主さんには報告の省略に関する同意書をもらい、普通株式の株主さんには決議事項の同意書と報告の省略に関する同意書をもらえば良いんですよねぇ?」。。。と。

そうだよなぁ。。。そうなるはずだよなぁ。。。

確かに決議の省略に関する会社法第319条には、同意が必要なものとして 「・・・(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)・・・」と規定され、320条の報告の省略の規定にはそんなことは規定されていません。

実際に株主総会を開催する場合には、ダレに対して招集通知を発するかというと、会社法第298条第2項では、「株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く)」 と定義されています。

何が気になっているかというと、報告事項と決議事項がある株主総会の場合は、議決権のない株主には招集通知を送らなくて良いのに、書面による報告の省略だと議決権の有無にかかわらず、全ての株主の同意を取らなければならないってことですよねぇ?開催する場合としない場合で議決権のない株主は報告されたりされなかったりするってことになりませんか?

そして、定時株主総会ではたまに決議事項がないことがあります。例えば、会計監査人を置いた会社で会計監査人及び監査役の計算書類についての監査結果が適法意見である場合です。この場合には、計算書類は報告事項になり、他に決議事項がなければ、報告事項の報告をするのみです。

そのときには、どうなるのでしょうか?
「株主総会において決議をすることができる事項の全部」というのは、具体的な株主総会での議案を指しているのではなく、「その会社が株主総会で決議できない事項を除く全ての事項」、つまり、「どんなときにも決議事項の議決権がない株主」という意味のようです。

そうすると、結局、報告事項のみであっても、開催するときは議決権のない株主さんは招集されず、報告を省略するときは同意を求められるってことですよね。
なんだかとても不思議な気がいたしました。
周りの人が色んなコトを言ってくれると、思いもよらなかったことに気付いたりします。ありがたいことです。

コメント
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