巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

新宿中村屋の麻婆豆腐専用ソース

2004-10-15 05:00:00 | 
maboわたしが麻婆豆腐の味を知ったのは、かの丸美屋が麻婆豆腐の素を発売してくれたからだ。しかし、それ以前より雑誌の記事などで、麻婆豆腐という中華の料理が存在し、しかもそれを日本に紹介したのが陳建民という中華料理の料理人であることを知っていた。

麻婆豆腐は、今ではすっかり日本人の食事にはおなじみのものになった。これはかの陳建民氏が、麻婆豆腐を日本人の嗜好に合わせて味付けてくれたからに他ならない。この「日本風麻婆豆腐」の味を作る、丸美屋味の素Cook Doの麻婆豆腐は、日本人のふつうの夕食にぴったりだ。

しかしながら、本場四川地方のあの「しびれるような刺激的な辛さ」の麻婆豆腐を求める向きには、この日本式麻婆豆腐は、はっきり言ってやわすぎる。そこでここで紹介するのは、あの四川のしびれるような刺激的な味を実現する、新宿中村屋の麻婆豆腐専用ソース(写真)である。

これは万人向きの麻婆ソースではない。たとえば、小さな子供を持つ家庭の夕食には向かない。こんなものを子供の食事に出しては、下手をすると幼児虐待に問われかねない。また、ボラギノール等を使用している人や、胃が弱い人にも向かないだろうと思われる。なぜなら粘膜をかなり刺激するからだ。

この刺激を作り出しているのは、豆板醤の唐辛子の辛さではなく、四川山椒(「花椒(ホアジャオ)」)である。中村屋のソースは、レトルトソース自体がすでに辛いが、特筆すべきは、別添の四川山椒である。これを入れれば本場の「しびれるような辛さ」が、家庭で簡単に実現される。

この袋の中の四川山椒を半分入れても十分辛い。1袋すべてを入れるとかなり辛い。その辛さといえば、はるか彼方の大陸の風が日本にいながらにして体を吹き抜けるように感じられ、感涙の涙すらこぼれるほどだ。涙がこぼれなくても、鼻水が出たり、鼻の頭に汗をかくぐらいの感動が巻き起こるに違いない。いや、このような肉体の反応は、単にしびれるような辛さが引き起こしただけかもしれないが。

もちろん中村屋のソースは、四川山椒のほかに豆板醤や豆鼓(トウチ)が使われている本格派。丸美屋や味の素の麻婆豆腐の素が、1袋150~200円で買えるなか、このソースは250~260円とチョット高めだ。しかしながら、麻薬のごとく刺激的な本場の味わいを求める向きには、お勧めの一品だ。

しかし、本場四川に旅行した友人の話によると、四川の麻婆豆腐はさらにすごくて、豆腐をまぶすかのように大量の四川山椒が使用されていたということだ。別添の四川山椒ではもの足りない人は、ハウスの花椒あたりを別に用意して、食べる直前にがんがんふりかけよう。