巣窟日誌

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英語用電子辞書への一考察

2004-03-30 23:47:44 | ガジェット/モノ
昔取った杵柄で、通訳だの翻訳だのをやらなければないことがある身にとって、英語関係の辞書が充実した電子辞書は必携品だ。
わたしが今使っているのは旧型のカシオのエクスワードXD-R9000で、この電子辞書は私にとっては、4代目に当たる。

最初にわたしが買った電子辞書は、研究社の新英和中辞典と新和英中辞典のみが入ったやつで、10年前ぐらいでたしか20000円ほどした。今から考えると機能が稚拙で電池の持ちも著しく悪かったが、当時夜間に通っていたサイマル・アカデミーの通訳養成コースでは大ヒットし、クラスメートのほとんどが持っていた代物だ。講師の一人が「最近はこんなものがあるよ」と、自分の電子辞書を見せびらかしたのが、みんなが買いに走ったきっかけになった。

2代目、3代目はソニーのディスクマン。2代目はこれまたサイマルの授業中に、かの村松増美氏が「ソニーの新しいディスクマンには、リーダーズとリーダーズ・プラスが入っているから、買おう」などと勧めたため、素直な受講生たちは全員が買いに走った。ディスクマンの欠点は、ディスクのため単語のアクセスに時間がかかるのと、やはり電池持ちが悪いところだった。

今もっているXD-R9000には、リーダーズとリーダーズ・プラスに加え、ロングマンの英英辞典(アメリカ版)、ロジェのシソーラス等が搭載され、英語を仕事で使うものには非常にありがたい。単語へのアクセスも早いし、電池持ちも飛躍的に改善している。きっと最新機種はもっとすごいのだろう。

が、これまでの英語の電子辞書に共通の、ある大きな欠点が改善されていない。その欠点とは、和英辞典が英和事典に比べていちじるしく貧弱ということ。

今電子辞書の和英で主流になっているのは、ジーニアスの和英辞典だ。はっきりいってこれは通訳・翻訳の仕事には使えない。簡単な英会話ではジーニアスで大丈夫だが、そんな状況に通訳なんて要らない。通訳が必要になるのは、思いっきり専門用語が入っている場合が多いので、ジーニアスでは完全にお手上げになる。

おかげでいまだに、通訳を頼まれたときには、電子辞書に加えてプログレッシブ和英辞典を持参するので、荷物がかさばる。メーカーさん、お願い。プログレッシブ和英辞典の入っている電子辞書を作ってください!