![JMAM](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/76/f50b5c3ec5d50529c2d89c9ac6f6f3a8.jpg)
わたしが大学卒業後最初に働いた会社では、年末に従業員全員に翌年の
能率手帳と能率ダイアリーを全員に配っていた。いわゆる能率手帳タイプ。見開き2ページで1週間。左ページにスケジュール、右ページはメモ欄になっているものだ。
非常に使いやすく、その会社では皆で使っていた。手紙文の時候の挨拶が右ページの上にあるのも、とても便利だった。しかし、外資系の企業に入ったときに、左から右へと時間の経過が表記されている能率タイプでは不具合が起こった。スケジュールの内容を横書きで入れなければならないので、書きにくかったのだ。以来、時間の経過が上から下へと進んでいくものを選んでいる。
さて、ここ4年ほど、フランクリン・プランナーの見開き1日タイプのものを利用していたが、ついに以前に使っていたことのあるクオバディスも買ってしまった。クオバディスはフランクリン・プランナー以前に、5年ぐらい使っていたものだ。
しばらくは、フランクリン・プランナーとクオバディスを併用して、どちらを使い続けるべきか見定めようと思う。
この2つの手帳特徴は以下の通りである。
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フランクリン・プランナー (Franklin Planner)
![f_planner](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/9a/4029b7095ae6d1e403ea824911e479ff.jpg)
ただのスケジュール管理のためのシステム手帳ではない。「理想的な生活を送るために、 自らの目標を定め、計画的に実現するまでをサポートする ツールとして開発された、システム手帳」という目的のものだ。
見開き1週間や、1日1ページのものもあるが、見開き2ページが1日の
オリジナル・デイリーが基本。左ページはその日のスケジュールとタスクの優先事項のリストを、右ページはただのメモ欄で、自分でその日書き込みたいことを書き込むことになる。日本語版は、日本の祝祭日と六曜の表記がある。差別につながるとされる六曜表記ではあるが、実際にイベントを六曜に基づいて組むことがある以上、ムゲに消すわけにもいかないのだろう。
1日2ページを要するものを、1年分システム手帳の中に収めて携帯するのは不可能だ。というわけで、当月を中心として2か月分(当月・翌月)または3か月分(前月・当月・翌月)を持ち歩き、そこから外れた予定は見開き1ヶ月の月間カレンダーに、とりあえず記入・参照していくことになる。
フランクリン・プランナーが生まれた米国は、
昨日の記事の時間の観念ではMタイム。つまりスケジュールをあらかじめ立て、それにしたがって物事が進むことを好む。
また、「長期志向・短期志向」で言えば、短期志向だ。日本の企業でも四半期(クォーター)ごとの業績を出すところが多いが、米国人にとって四半期は単なる3ヶ月を意味しない。彼らのビジネス上の3ヶ月は日本人にとっての12ヶ月ぐらいの時間の感覚になり、米国における企業の四半期ごとの業績は、日本企業の年度の決算の結果と同じぐらいのインパクトがある。持ち運びが3ヶ月を基準としているのも、この短期志向ゆえとみた。
また、「過去・現在・未来」の志向でいえば未来志向。将来のある時期(短期志向があるため、そんなに遠い将来ではない)にゴールすべく明確な目標を立てて、そのゴールを達成すべく現在何をすべきかを決めて行動する。過去はあまり重視しない。見開きの左ページの上部に小さな月間カレンダーが小さくついているが、過去を軽視し未来を重要視する彼らの感覚を証明するかのように、当月と翌月の2ヶ月のみである。
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クオバディス (Quo Vadis)
![quovadis](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/e0/aa14884a767ac1f347d4b3318266f214.jpg)
クオバディスはフランス生まれ。フランスの時間の観念は、Pタイムで過去・現在志向だと、ものの本で読んだことがある。
クオバディスのフォーマットにもさまざまなものがあるが、もっとも基本的なものは見開き1週間の
アジェンダプランニングダイアリー/クラシックだろう。
ヨーロッパのビジネスでは、1年全体をひとかたまりしてとらえ、何年第何週という時間の捕らえ方もすることがある。たとえば本日2005年2月25日は2005年8週。今年の10月13日(この日に意味はない)は第41週。このクオバディスはこの第何週と四半期の両方を併記している。フランクリン・プランナーにも第何週の表記はあるが、あくまでも添え物。クオバディスでは週が中心となり、「第41週のスケジュールを調べる」という感じになる。
そして見開きの右肩に掲載されている小さなカレンダーは、前月・当月・翌月の3ヶ月。やっぱり過去も大切…というわけだろうか。(実は、カレンダーは手帳のサイズにより異なっているようだ。)
わたしの使っているものは、日本の祝祭日等や、日本の郵便料金表などが書かれたジャパンエディション。祝祭日が日本語表記(ただし英語表記も掲載)のほかは、ダイアリー全体がすべて英語で書かれているし、数カ国の祝日を掲載している。おそらく、EU圏全体、あるいはヨーロッパの多文化主義的な流れを採り入れていると思われる。
しかし、ジャパンエディションで英語が多用されているとはいえ、そこはフランスのものだ。英語一辺倒を嫌う。巻末の地図をみると、フランスの地名はフランス語で、ドイツの地名はドイツ語で書かれている。アイルランドの地名にいたっては、アイルランド・ゲール語である。アイルランドについては、さすがに大都市のみカッコ内に英語表記もあることにはあるが。(アイルランドの第一言語はアイルランド・ゲール語だが、実際はアイルランドでは一部の地域を除いてほとんどの人間は英語を使う。)地図がフランスから始まっており、米国が比較的小さく扱われているのはご愛嬌。
また六曜はないが、月齢表記があり、月の新月・上弦・満月・下弦のマークがついている。わたしは月の満ち欠けには影響されない生活を送っているが、自分のライフスタイルにとって月齢が重要な人もいるだろう。狼男にも役に立つだろう。
わたしが使っているのはジャパンエディションで最大サイズのトリノート(18×24cm)。しかし、本当はA4サイズ(プレノート)のジャパンエディションがほしい。
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さて、フランクリン・プランナーを使っていたのに、なぜ再びクオバディスも買ったかというと、一見Mタイムながら実はPタイムで、過去志向の強い日本で働いていると、フランクリン・プランナーでは不便だと感じることがでてくるからだ。その場で半年前のスケジュールをチェックしたり、4ヵ月後の予定をくわしく書き込まなければいけない状況がしばしば発生する。前後1ヶ月・計3ヶ月を持ち運んでいるのでは、ちょっと足りない。
もちろん、このプランナーは単なるスケジュール管理のツールではなく、成功を実現するためのツール(あるいは幸せになるためのツール)である。この機能はクオバディスにはないため、ここを重視している人間には、フランクリン・プランナーを強くお勧めする。しかし、わたしは、個人のスケジュールや価値観、プライオリティは手帳に書かないようにしている。落としたときに大変なことになるからなのだが、別の理由もある。
世の中にはたまに怖い人もいるのである。席を立っている間に他人の机をあけてダイアリーを取り出し、読んだりコピーしたりする人もいるのだ。価値観や個人の生活上の目標などを書いてそれを読まれてしまうと、それをもとに足を引っ張られることもある。そうされた気の毒な人を見たことがある。他人の手帳の中身をコピーしたほうは、「会社のため」「正義のため」にやったと主張していた。日本ではその主張が認められてしまうこともあるから恐ろしいものである。
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NAGIの小箱) (2005.03.16追加)