巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

シロサバ

2010-03-28 18:41:23 | ノラネコ
彼女は、ノラネコである。

ツンデレである。

話しかけてもしらんぷりのことが多い。が、わたしが他のネコと話をしていると、「アタシを差し置いて、何やってんですかぁ!」という不機嫌な顔でズンズン歩いてくる。

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(↑ 怖い顔で近づいてくるシロサバ)

ズンズン歩いてきて近くに来たので、撫でようとすると、2 m手前で背中を向けて知らんぷりで座り込む。ときどき「かまってくれないかの?」とばかりに、こちらをチラ見する。

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(↑ この、後ろ向きの姿がデフォ)

無視されることが嫌いだし、特別扱いされたがる。そして色々と策を弄する。

ときにシロサバは、「かわいそうなアタシ」戦略をとる。ずぶぬれの雨の中に、あるいは吹きすさぶ寒風が一番厳しくあたる場所にじっと座りこんで、つらそうな目でひたすらこちらを見つめる。わたしもそれほどは暇ではないので無視すると、翌日は、わたしを見るや否や子ネコのような声をだして走り寄り、ひたすら甘える戦略に切り替えてくる。甘えてきたため「やっとなついたのかな」と思っていると、数日後にはもとのツンデレに戻る。

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(↑ 甘えモードのシロサバに先を越されて、おもしろくないハナグロ)

私のママチャリの後ろカゴは、ハナグロの巣と化している。秋になると、わたしはその後ろカゴに使い古しのフリースのタオルを敷いておく。さらに冬の寒い季節の夜には、そのフリースの下に、使い捨てカイロを入れておく。

寒い夜、このハナグロの巣は、シロサバに乗っ取られる。後ろカゴの中で先にベッタリと寝転んで、使い捨てカイロの暖かさを一人占めする。そんなときのシロサバの表情は、本当に満足そうだ。悪だくみが成功してほくそ笑んでいるような、あるいは何かを夢見ているような、なんともいえない表情になる。対するハナグロは、情けない顔でシロサバの上に覆いかぶさるしかない。

先日、後ろカゴのなかで、珍しく2匹の仲がよさそうだった。シロサバはせっせとハナグロにグルーミングを行っている。やっと、仲良くなったのか?

そうではない。カイロの上をハナグロが陣取ってしまっていたのだ。そこで、シロサバは自分が良い場所を得ようと、ハナグロを必死になって懐柔していたのである。

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(↑ 昼間は極力居すわることで、後ろカゴの占有権を主張するハナグロ)




「フル・スキャップ」?

2010-03-27 23:08:41 | ガジェット/モノ
原稿を見ながらPC入力をするときには、データホルダーを使用している。自宅では大げさなアーム型を使っているが、某社のオフィスにはELECOMのSDH-001という卓上型を一つ置いている。

このSDH-001はペーパークリップの位置が50 mm上に移動するので、標準のA4よりも縦が長いサイズにもそれなりに対応するのだが、いままでそんなサイズの紙を使わなかったので、クリップの位置を大きくずらすことはなかった。

で、このデータホルダーを使いだして1年半。先週初めて、ペーパークリップの位置を上にずらす機会が訪れた。クリップを上にずらしてみると、隠れていたプラスチック部分に3種類の単語が浮き出ている。一番上には "LEGAL"、一番下には "A4"、そして真ん中の文字が "FOOL SCAP"。

A4は間違いなくA4判のこと、LEGALとは米国の紙のサイズで8.5 × 14インチ(215.9 mm × 355.6 mm)のこと。で、問題の "FOOL SCAP"。大体 "scap" って何よ。

と、眺めていたら、突然20年以上前の忘れていた記憶を思い出した。それは転職したてのころのことだ。

ある日上司から「福島さん。フルスカップの用紙を買ってきてください」と言われた。当時そのような名前のものは知らなかったが、「文房具屋へ行けば売っています」というので、文房具屋でその通りに注文すると、大判の罫線紙が出てきた。糸綴りの透かし入りノートに使われるような紙質だった。

つまり、その時言ったフルスカップは "foolscap" で、日本語でフールス紙と呼ばれる紙のことだ…ということに、データバインダーを眺めていたわたしは、20年以上たってやっと気づいたのである。(foolscapという紙には、昔々は道化の帽子(fool's cap)とベルの透かしが入っていたために、こう呼ばれるようになったらしい。)

このfoolscapの紙に使用されたれたサイズがfoolscapというサイズで、通常は17x 13.5インチ(431.8 mm × 342.9 mm)である。また、foolscap portfolioというサイズもあり、こちらは8.5 ×13.5インチ(215.9 mm × 342.9 mm)。

すなわち、データバインダーにある "FOOL SCAP" とは、foolscap判かfoolscap portfolio版かは分からないが、紙のサイズのfoolscapことだ。

このデータバインダーに関するメーカー側の説明には、A4対応としか書いていないので、おそらく米国向けに中国のメーカーなどがつくったものに、ELECOMが自社のロゴを貼って売っているものとみた。legalもfoolscapもfoolscap portfolioも、日本ではまず使わないサイズだものね。(米国系の証券会の日本支店に勤めていたときには、大量のレターサイズの用紙と一緒にこのリーガルサイズのコピー用紙が結構置いてあったのをみた。)

SDH-001は実売価格は700~800円ぐらいで、安いデータバインダーとしては機能は優秀。しかし、LとSの間よりもSとCの間で切ってくれた方が、まだわかりやすかったんだが。

Full_scap

↑ 携帯についている画素数の低いカメラで撮ったのですが、例の文字が読めるでしょうか。


開花宣言

2010-03-22 17:28:09 | 日記・エッセイ・コラム
東京都板橋区の私の部屋の窓から

■ 確実につぼみが膨らむ2010年3月14日

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■ 来た来た 3月21日

03212010




■ 東京の公式開花宣言日 3月22日(画像はクリックで拡大します)

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ついでに、季節感あふれる庭の花など…



■ オオアラセイトウ(大紫羅欄花)(諸葛菜、紫花菜とも呼ばれる)

Orychophragmusviolaceus_03

なお、ハナダイコン(花大根)とも呼ばれるが、ハナダイコンは別の植物の正式名称でもある。




■ ハナニラ(花韮)など(画像はクリックで拡大します)

Ipheionuniflorum_30212010




■ こちら、春だからこうなったわけではなく、どの季節にも同じ行動がみられる、ハナグロ(画像はクリックで拡大します)

Hanaguro_03212010

花を撮っていて、ふと振り返ってみると、このようなポーズで盛んに自己の存在をアピールしていました。


アマゾネス

2010-03-22 14:22:54 | ガジェット/モノ
乳がんになった。手術をして、片方の胸を完全にとってもらった。すると、ホルモン療法などはしていないのに、いつのまにか反対側の胸も小さくなった。

上半身裸で、鏡の中の自分をマジマジと見た。

うーん、戦うアマゾネスみたいで、これはこれでそれなりにカッコいいかも。

これで、温泉行っちゃおうぜ。スーパー銭湯にも入っちゃおうぜ。入浴時に胸なんか隠さないで、さ。

が、胸から腹のあたりに視線を移すと、なぜか腹のあたりにプヨがある。戦うアマゾネスにプヨがあってはいけない。
というわけで、温泉とスーパー銭湯は延期。さっそく、スレンダートーンエボリューションを調達した。

まだ、10日め。夏のわたしの腹筋に乞う、ご期待!? (いや、少なくともスレンダートーンの結果報告を聞きたがっている人間なら、周りに何人もいる。)

罰ゲームな翻訳

2010-03-14 19:17:03 | 英語
「罰ゲームな翻訳」という種類の翻訳が存在するわけではない。が、仕事の一部に翻訳が入っていると、時々「これはいったい何かの罰ゲームでしょうか?」と思うような文書を翻訳しなければならないことがある。

「内容が限りなくくだらない」「翻訳したってだれも読まないだろうに」というものは、翻訳者のやる気をそぐものだ。それとは別に、「英語自体が変」という、翻訳する側にとってはまことに厄介な文章の翻訳のニーズが巷には結構ある。この手のものは英語をピボット言語とした翻訳に多い。
ピボット言語とは、Aの言語からBの言語に訳したいが、Aの言語からBの言語へ直接訳せる者がいない場合に、その仲立ちをする言語ことだ。(この場合、Aの言語は「起点言語」とよばれ、Bの言語は「目標言語」と呼ばれる。)日本人が関わるものについては、大体は英語がこのピボット言語になる。

たとえば、ベトナム語で書かれた文章の日本語訳がほしいが、直接日本語へ訳せる者がいない場合には、まずベトナム語から英語に訳してもらい、その英訳を日本語に訳すことになる。

わたしにまわってくる英語をピボット言語とした翻訳は、大体が法律文書だ。法律文書というのは、その言語の持つ言語構造のほかに、その国の法体系や商習慣などにも大きく影響されるため、正しく訳したものであっても「英文の法律文書」としては奇妙なものになることが多い。そのうえに、「英語自体が変」が加わると、まさに罰ゲームの世界になるのである。

「文法が変」とか「句読点の打ち方が変で、どの部分がどこにかかっているのかが判断できない」というのも厄介ではあるが、大体は解釈ができる。(とはいえ、やはり問題は残り、後で原文との厳密なすり合わせが必要になる。)しかし、ときに英文がこちらの常識とは異なった内容に解釈できたり、同じ文書内の他の記述と矛盾した内容であると解釈できる場合は、ブチ切れて的場遼介のごとく「ウォォオオ」と吠えたくもなる。(的場遼介が誰かを知らなくても、別にこの人物について調べる必要はない。)

たとえば「A社とB社で折半している企業なのに、この譲渡の条項では一方の当事者に著しく都合がよい」「X条では取締役会の権限を制限していながら、Y条では取締役会はほとんどやりたい放題ができることになっている」などと解釈できている文章にぶつかったとする。

問題は、このような英語を見た場合:
(1) 起点言語からの英訳が間違っている;のか
(2) 英訳自体の内容は正しくて、本当にこんなトンデモ条項/規定がある、
のかは、こちらには区別できない。
(もちろん 「(3) 英語を翻訳をしている人間が英文を誤解した」という可能性もあるのだが、ここではそれは置いておくとして。)

このようなものに下手な配慮をしてしまうと、「本当は (2) だったのに、 (1) であろうと勝手に解釈して、日本語訳を妥当性のある文章にしてしまったため、問題を覆い隠してしまった」ということが、起こる可能性がある。ゆえに、こういう内容を含む文書の翻訳の場合、わたしは英文から解釈できる訳をつけておいて「おそらく英訳で間違えている」と指摘しておくとともに、「もう一度原文を訳し直してチェックした方がよい」と、文書に残して申し上げることにしているのだが…

過去に、そのような英文にぶちあたり、翻訳提出時にその旨を伝えたところ、「じゃあ、きちんとした英語に直してくれましたか?」と言われて、ずっこけて(死語?)しまったことがある。起点言語はロシア語であり、すでに発効してしまった文書である。こちらの一方的な判断で、法的に効力のない英訳のほうを「正しいと思われる英語」に直したところで、何の解決にはならない。

何故こんなことを書いたのかというと、つい最近、またもこの「罰ゲームな翻訳」があったのである。まったく別の業界の別の会社で。しかも「英語がおかしく、英訳の解釈が原文の意図と異なると思われる個所があるので、原文をチェックし直した方がよい」との指摘に、またも「英文は直しましたか?」という質問が来た。

いや、常識的に考えて、起点言語で書かれたオリジナルを見てもいないのに ― 見たとしてもわたしにはわからない言語だが― そんな怖いことをするはずないって! もう、吠える気力もないから歌っちゃうぞ!

「夜の街にヤオー! オフィスビルの谷間にヤオー!」