巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

シューズバンド

2012-12-01 22:44:21 | インポート
前回は、靴がきつかった場合に使うシューストレッチャーを紹介したが、今回は、パンプスが緩かった場合の対応についてだ。

手術後すぐに仕事に復帰したところ、今まで履いていたパンプスがきつくなり、あわてて別のものを買った。

それが、これ。またもやワコールのサクセスウォークで、今度はEEE。

Success_walk_3e

ところがこれは外科手術に伴う一過性の浮腫みによるものだったらしく、2カ月もすると今度は「パカパカしてかなわん!」という事態に。で、あわててサイズ調整用の中敷き(極圧インソール)というものを購入したのだが…

中敷きで対応…というのは、ただでさえ履き込み浅いパンプスには不向き。さらに履き込みが浅くなって脱げしまうから。というわけで、さらにパカパカに。

そこで、登場するのがシューズバンド。コレです。アジャストター付でサイズ調整可能、リボン部分は着脱可能。

Shoe_strap

Shoe_strap_2

Shoe_strap_3

ただし、「シューズバンドをしている人=サイズの合わないパンプスをごまかして履いている人」として、シビアな目を向ける人もいるので、要注意。

ちなみにこれ、やはりサクセスウォークの商品なので、件のパンプスとの相性は抜群。品番はSFN002。同ブランドのシューズバンドには、ラインストーン付のSFN001と、もっと大きなリボンがついたSFN003がある。どれを選んでも「仕事用」の用途から逸脱することはないデザインだ。

Shoe_straps

なお、極厚インソールは、ブーツやトレッキングシューズなどでは、絶大な効果を発揮する。

極厚インソール(サイズ調整用)
価格:(税込)
発売日:



シュガーバイン、その後

2009-07-25 22:36:08 | インポート
わたしのことだからしっかり枯らしてしまうのではないかと思われていた、無印良品の鉢いりのシュガーバイン。大方の予想に反して、まだ枯れてはいない。

Sugarvine_summer2009

とりあえずプロミックの観葉植物用を鉢の端に置き2カ月に1回ほど取り替え、暑い日はハダニ防止に葉水をやり、この季節は直射日光に当てないようにはしている。

しかし、やはりブログや掲示板などに書かれているように、「管理が簡単といわれている割には、難しい」。

葉が薄いので、水を与えないでおくとすぐに枯れてきてしまう。しかし、水を与えすぎると根腐れしてきてしまう。受け皿に水はためないようにしているのだけれど、それでも2個所で根腐れを起こしてしまった。そこで水やりを少なめにしたら、今度は全体に元気がなくなり、薄い葉が水分を失ったような感じになってしまった。

鉢の土が乾いた時が水のやりどきというけれど、購入時から土の表面にはセラミスらしきものが撒かれていて、そのせいで下の土の状態がわかりにくい。

しかも、何か異変があるごとに全身でアピールする近所のノラネコと違って植物ゆえに無言なものだから、毎朝きちんと見ているにもかかわらず、「あ、茎の根元が黒くなってる!」と、後になってから気づいたりする。

とりあえず、夏、秋、そして冬を1回越すのを目標にしますわ。で、とりあえず家の中の観葉植物はこれ1つで十分。いまのわたしの生活では、数種類もあったら全部には目が届きません。



ステノブック

2009-06-27 23:15:22 | インポート
オフィス・デポが日本国内から店舗販売を引き揚げるというので、ちょっと困っている。詳しくはNikkei Net2009年5月3日付の「米オフィス・デポ、店舗販売で日本から撤退 年内に20店閉鎖」を参照。)

わたしが仕事で使うメモ類といえば、いつぞや書いたリーガルパッドの他に、もうひとつある。それがステノブックだ。そのステノブックの入手先がオフィス・デポだったのだ。が、なぜかわたしの通勤圏内にある店舗に限って早々に閉店してしまうか、いつものステノノートの在庫がなく、ついにオフィス・デポの通販を使う羽目になった。リーガルパッドもオフィスデポのものなので、この先は通販に頼らなければならない。

ステノブック(またはステノパッド、ステノノートとも)とは、要するに速記用のノートのことだ。日本ではそれほどポピュラーではないが、速記や逐次通訳のメモ取りに使用する人が多い。もちろん普通のノートやメモとして使用している人もいる。わたしの場合は、たまに逐次の通訳を頼まれたときにこれを使う。

ステノブックの購入で困るのは、大きな店ではないと売っていないことが多く、しかも入手可能な種類が少ないことだ。一番入手しやすいのは日本のマルマンのステノブック(360円)だが、これはわたしの使用目的に対して紙の質が良すぎるし、1冊の紙の枚数が60枚と少ない。比較的手に入りやすくしかも枚数が多いものは、丸善が輸入している140シートが綴られているMeadのCambridgeのものだが、こちらは714円とお高い。そこで安くて、紙質が許容範囲のものを探したら、オフィスデポが扱っている144シート354円也のTopsのDocketの黄色いステノブックにたどり着いた。紙の質は値段相応である。つまり、それほどは良くない(のに、Super Qualityと印刷されている)。

ところで、速記用ノートとは何か。すなわち、何をもって速記用のノートと定義するのだろう。そこでわたしなりに考えてみた。考えつくのは

  1. サイズは普通のノートより小型でメモ帳よりは大きい

  2. 台紙が厚い

  3. 上部スパイラル綴じ

  4. 多くは紙を切り離すミシン目がある

  5. メモを横長にとらないような工夫がなされている

  6. リーガルパッド同様両面印刷である

  7. 罫線幅は速記方式によって異なる


あたりである。

Steno_book_2

特徴の1と2については、机の上ではなく、手に持って筆記ができるようにとの工夫である。

日本で見かけるサイズは6インチ(横)×9インチ(縦)(152mm×228mm)の大きさのものだが、海の向こうには異なるサイズが数種あるらしく、わたしが見たことがあるのは4インチ×8インチの縦長のものだ。横幅6インチのものは紙の真ん中に赤い縦の分割線が1本入っているが、4インチのものは分割線が入っていない。

わたしが6×9インチのステノブックを使うのは、まさにこの「1本の分割線」のためである。私がメモをとるときに、メモ自体は罫線に沿って横書に書いても、そのメモを横に長くのばしてとってしまうと、あとで読み返したときに何が何だかわからなくなる確率が高くなるのだ。おまけに紙の右端までノートをとってしまった場合、新たな行を起こすときに、左端までペン先をもっていく労力と時間が必要になり、これが忙しいときには煩わしく感じられるのである。一本の赤い線が、メモ書きが横に伸びいていくのを、止めてくれる。

またスパイラル綴じであるのはこのノートの厚みと用途を考えると当然なのだが、しかし最後に捨てるときにごみの分別では、少々の力と手間が必要になる。また、枚数の多いステノブックでは、紙をどんどん切り離していくと、リング径の大きさが気になってくる。

紙の色については、リーガルパッドと同様に、紙に色つきが多いのが特徴だ。色としてはリーガルパッドの場合は白かイエローであり、ステノブックの場合は、白(アイボリーを含む)か、淡いグリーンか、イエロー(Canary)が中心である。マルマンはアイボリー、Mead Cambridgeは淡いグリーン、そしてTops Doeketの中心はイエローである。Topsにピンクとか紫とかもののもあり、オフィス・デポに売っている。

また両面の罫線印刷は、リーガルパッドと同様に、おそらく罫線印刷時の紙の反りを防ぐためのもので、両面にメモをとるためのものではないのかもしれない。リーガルパッド同様、紙を透かしてみると両面の罫線の印刷がきれいに一致しているからである。赤い1本の縦罫線は安物ではずれていたりするが(おい、Tops君ずれてるぞ!)、それでも何本も引いてある横横線(これは通常は淡いブルーまたはグリーンである)は、透かしてみるときれいに一致している。マルマンのステノブックだったら、紙の反り防止目的に両面印刷などはしなくてもよいのだが、Topsのものになると、紙質ゆえに両面罫線にしておいたほうがよいのだろう。

「罫線幅は速記方式によって異なる」と書いたが、ステノブックの罫線幅でよく聞くのは「Gregg rule」と「Pitman Rule」という幅である。GreggとPitmanは両方とも、英語の速記法の考案者で、米国ではGreggが、英国ではPitmanのほうが優勢だと聞いたことがある。日本国内で入手可能な輸入物のステノノートの多くはGreg Ruleである。(いや、これも日本が敗戦国のせいかも。)Gregg Ruleとは、5/16インチ(約8 mm)の幅の罫線のことなのだが、丸善のサイトのMead社製品のページによればGregg Ruleは8.80 mm幅のことである。Tops DocketもGregg Ruleと銘打ってあるが8.5 mmである。Pitmanのほうはもう少し幅が広いらしく、この記事を書こうと思って調べたところ、1/2インチ(12.7 mm)ということらしい。ともかく、長さ9インチのステノノートに対して、Gregg Ruleのものは行数が25行前後、Pitman Ruleでは最大18行になる。

ついでに書いておくと、速記用のノートに対して、速記用のボールペンやシャープペンシルといったものもあり、これらは通常のペンよりも芯が太くなっている。複数のメーカーが速記用のボールペンやシャープペン知るを出している。芯の色は、これはリーガルパッドにも共通して言えることなのだが、イエロー・ペーパーには、黒いインクのボールペンより、青インクのほうが目立つ。

ちなみに、わたしがTops Docketのイエローのステノブックと一緒に使用するのは、三菱uni ジェットストリームの1.0 mmの青インクである。紙の消費が著しく激しく、そうやって使った紙は、終了後即シュレッダーという場合が多い。紙がもったいない! よってわたしは紙の両面を使っている。紙質はあまり良くないが、両面が使えないことはない。

[使用画像説明:左はMead Cambridgeのステノブック、真ん中と右はTops Docketのステノブック。画像はクリックすると拡大し、"Gregg Rule" の文字が読めるはず。]

スニーカー通勤

2008-12-29 23:29:00 | インポート
そうですよ。実はわたしはもう15年ぐらいスニーカー通勤。

最寄駅から1.6kmの道のりをダッシュまたは高速で歩く必要があるため、というのがスニーカー通勤の第一の理由。スニーカーであるから結構身軽に、地下鉄等でも原則として階段を利用しており、健康には非常によろしい。

でもスニーカー通勤のもうひとつの大きな理由は軽度の外反母趾であること。そしてさらなる理由は、通勤時にヒールを蹴られてヒールの皮が剥げるのが嫌なことと、間違って他人様の足をヒールで踏みたくないからというのが、パンプスでの通勤を避ける理由。

日本人は「スニーカーで通勤するのなら、通勤にふさわしいデザインと質のスニーカーを」と考える人が多いけれど、個人的にはそんなものどうだって良い。というわけで、スニーカーでよく履くのはダンロップのコンフォートウォーカー(オホホホホ…)。黒いスニーカーと、白いスニーカーと、ベージュのスニーカーを持っていて、一応は服の色に合わせて履き分けたりはしている。ただし普通のスニーカーだとパンツの裾を引きずるような場合は、スケッチャーズのヒールスニーカー。

オフィス内では原則としてパンプス。オフィス内で働く女性には、仕事中は楽な(サンダルを含む)靴を履く人が多いのだけれど、「仕事中がオン」という意識があるから、職場ではマトモなくつを履いておこうというわけ。朝一で客先を訪問…というときは、客先の最寄りの駅のトイレでスニーカーをパンプスに履き替えている。駅のホーム等、公衆の面前で靴を履きかえるという行為もナンなので。

さて、パンプスと言えばヒールの高さが問題だ。以前は高さが7cmのパンプスが多かったのだけれど、これだと背が高目のわたしの見かけの背丈が、大概の男性より背が高くなってしまい、圧迫感を感じさせてしまうらしい。そこで、最近は妥協して5cm~5.5cmものをよく履いている。しかし、かかとの高さが何センチであろうと、ヒールの細いものはNG。あれは仕事で履くもんじゃない…っていうか、わたしはあれを履いていては、うまく動けないのよ。

でも日本人だから、実は靴を履いていない状態のほうが楽なんだよね。というわけで、気がつくと机の下でパンプスを脱いでしまっていたりする。足はあまりむくまないほうだけれど、靴を脱いで、外反母趾対策のため、手でパーの形を作るような感じに、足の指を広げたりしている。

オフィスで履くパンプスは毎日バッグの中に入れて通勤し、律儀に持ち帰っている。たくさんの靴を持っているわけじゃないけれど、一応服に合わせて履き分けということで。だから、いつどこで緊急呼び出しが来ても良いように最低限度の仕事用品を詰め込んだ大荷物のわたしのバッグの中身は、いよいよかさばっている。

そして、2週間に1回ほど、大体は日曜の夕方なんだけれど、すべての靴の靴磨きをしている。外反母趾ゆえに伸縮性のない合成皮革は履かないことにしているので、靴磨きは必須。実は外では履かないから靴自体はそれほど汚れてはいないのだけれど、靴クリームのにおいが好きなわけ。

それから、こういう靴行動パターンだと、通勤にブーツが入る余地がない。今シーズンのスカートやワンピースの丈はロングブーツに合うものが多くて、ちょっと困ったもんだけど。

追記:皮の靴はいずれもリーズナブルな価格のものででございますよ。(高いものはわたしには似合わんのよ。)ついでに1か月に1回ぐらいは、皮のバッグのほうも手入れしています。こちらのほうはコロニルのシダーウッドオイルとかラナパーだとかを使っているので、においの喜びはないけれどね。調子に乗って3か月に1回ぐらいは、財布だとか、名刺入れたとか、パスケースなどの他の革製品もお手入れしています。以上の製品はいずれも高額なものではございません。お手入れをすると、きれいになって革の状態と持ちが良くなるのがうれしいだけ。「そんなことより、自分のスキンケアに力を入れたほうがいいんじゃない?」って、どこからか言われそうだけれど、スキンケアは革製品の手入れほどは効果が見えやすくはないので…


つまりは「6年間の代講」でした

2007-02-16 07:00:00 | インポート
わたしが担当した学生の一部はすでに知っているのだが、6年間勤めた非常勤講師を辞める。「今年は留学するので、来年は是非とりたい」「来年以降もたまには授業に顔を出していいか」と聞いてきた学生たちには、ちょっとショックだったらしい。

「何でやめるんですか?」の問いに、あまり上手く答えられなかった。どうせそのうち学生以外からも聞かれ、黙っているとまた変な誤解をされるので、ここでその理由を書いておこう。


わたしは本来この仕事をやるべき人の代理だったからで、その人は非常勤講師の仕事を直前でキャンセルした理由となった6年間の仕事の任期の仕事をいったん終えるからというのがひとつ。さらに、非常勤講師が金銭的に見合わないというのが2つ目の理由だ。3つ目は、大学のもつ国家観がわたしのものとは異なること。(なので、断わりきれずに臨時でたばこ屋の店番をしている嫌煙家みたいな気分になっていたわけ。)

この仕事をやるべきだったその人(仮にAさんとする)とは、大学院の同じ先生の指導のもとで研究をしていた。彼女は6年前の参院選に立候補した。「実は参院選の比例区に出るんです」と電話で連絡してきた彼女は、同時に2つの仕事を提示した。

1つは選挙が終わるまで、後援会のスタッフとして有給で働いてほしいとのことだった。「いま自民党の支持率は最低です。だから今回、若い女性を候補にしてみようということになったんです。ここでわたしが立たないと、自民党は二度と若い女性を候補にしません」と主張する彼女に、わたしは「これ以下の時給だと家計が破綻する」というギリギリの線を提示し、彼女はその額了解した。その際に彼女から「時給のことは誰にもいわずないで、周囲にはあくまでもふくしまさんは手弁当で来ているのだということにしてください」といわれ、わたしは結局3年間その約束を守った。

そしてもう1つの仕事が新学期から彼女がやるはずだった、この非常勤講師の仕事だ。すでに3月に入っており、新学期まで1ヶ月。待ったなしの状態だったのだ。

わたしは4月から大学院の博士後期課程に入ることになっていた。家庭内でいろいろゴタゴタがあったあとでもあり、大学の非常勤講師というのは金銭面を考えると避けたい仕事のひとつだった。が、7月に選挙が終われば後期から、あるいは長くても1年間を耐え抜けばこの仕事を本人に返せると思っていたため、Aさんを通じて大学に履歴書を送った。大学の面接では、お互いに「選挙が終わるまでだろう」という了解があった。

しかし、その後に来た小泉・真紀子ブームと選挙における舛添要一氏の大量得票のおかげで(それに加えて支援組織も相当動いてくれていたようだ)、Aさんは予想外の当選を果たした。「当選しそうもない候補を手伝うなんてバカじゃない」という周囲のことばを無視して働いたので、彼女の当選で自分のプライドが保たれはした。

が、その一方でマイナス面も大きかった。彼女の後援会のスタッフとしての、時給の約束額は支払われなかった。さらに彼女の任期の残りの期間を考えると、自分の手元に残ってしまった非常勤の仕事にめまいがした。おまけに「ふくしま自身が政治に色気がある」と噂されたり、はたまたのちに彼女が文部科学大尽政務官に任命されたときには「きっと研究職につくために便宜を図ってもらうはず」「勝ち馬にのってうまくやったよね」とまで言われて、本当にがっくりした。(人間って怖いね)

とまれ、金銭面を無視すれば、非常勤の講師の仕事そのものは面白かった。意欲ある学生たちが自分の能力を自分で高めていくことに対して、少しばかりの手伝いができるから。しかしわたしには「面白さ」とか「自分の勉強(あるいは将来)のために」という理由で仕事をする余裕はなかった。薄給であり準備にかなりの時間を費やす仕事だ。

また、非常勤講師の報酬は「給与」とされるため、確定申告での必要経費の申請も認められにくい。そしてこの大学は設備面で不足しているものが多く、何かしようとするたびに自己負担になる。非常勤講師の授業の準備のために、他の仕事で必死になってお金を稼いでいる…みたいな気分になったこともあった。

その間に、博士課程を中退せざるを得なくなった。中退理由は2つあって、1つはゼミの先生が退任してわたしの研究を指導できる分野の教授がいなくなったことだ。そして、もうひとつは財政上の理由なのだが、この一連の選挙の一連の収支と非常勤講師の仕事は後者の理由の一因となっている。

どう考えても非常勤講師を続けるのは無理と判断したわたしは、4年目にAさん本人にその旨の連絡をいれたあとで、この仕事を誰か責任をもってやってくれる人をさがそうとした。しかし薄給にもかかわらず非常勤講師をしようとする人は、普通はその仕事を足がかりに研究職をめざす人だ。

そんなときに頭の中にあったのは、自民党本部に長くいて一緒に選挙の苦楽をともにした人からの「あなたには嫌なことかもしれないけど、もしAさんが次に落選したら、大学はAさんをやとって、次の選挙に相応しい肩書きを与えるだろう」ということばだ。そしてその人は選挙に落選し次の立候補までの「つなぎ」として、大学の教授の肩書きをもらった人の氏名を複数あげた。「そういうものなのよ。」

「そういうもの」であると聞いた以上、わたしは声をかけた人たちに対する説明責任を果たさなければならない。そして説明責任を果たしたら、誰もいなくなった。そこでわたしは覚悟した。じゃあ、彼女の最初の任期中はやってやろうじゃないの…って、もう意地になった。「自分がされたからっていって、同じことを他人にやり返してはいけない」という合理的とはいいかねる意地。

そしてやっとAさんの任期が切れる。前回の選挙中に彼女は「わたしは出たかったのではない。自民党が要請したので断われなかった」と主張した。今度の選挙は彼女自身の意思で決めるべきであろう。彼女が立候補したときに学界関係者に主張したような思いであれば立つべきではないし、後にわたしが聞いたように彼女の方から売り込みをかけたのであれば、それをきちんと言うべきである。大学はそれを受け入れ、落選したとしても肩書きを与えるだろう。Aさんと大学の国家観は似ているのだから。

3ヶ月前、今回で非常勤講師の継続を辞退した経緯を、Aさん本人宛にメールで送った。そのときに一連の経緯を知っている人たちにBCCを送っておいたため、BCCを読んだ方の中から「どういう返信が来るのでしょうね」とメールをいただいた。わたしは「多分何もこないと思います」と返答しておいた。

予想どおり返信はない。人を雇うときに一番大切な時給の条件すら無いことになったのだから、今回も同じだろう。時給については「このことは誰にもいわず」をわたしが守ったため、選挙後2年間は、選挙で一緒だった周りの人たちも、わたしがボランティアのつもりで来ていたと思っていたらしい。酒の肴に「実は時給XX円だから了承したんです」と暴露したとき、当時を知る人たちは凍りついていた。

いまは新しい仕事のことを考えている。結構忙しくなるかもしれない。そして、わたしの非常勤講師としての最後に仕事は…

複数年にわたって同じ授業に履修登録をしている君に、何とかして単位をとってもらうことだ。がんばってよ、再試験。