巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

小川軒のプレーンウィッチ

2009-09-21 18:49:33 | 
週末に、かつて同じ会社に勤めていた人生の大先輩と、10年ぶりにお会いして食事をした。ご本人には確認しなかったが、たしか現在80歳のはず。毎月、仙台と東京の間を行ったり来たりしているらしい。若い。

で、その方から、帰り際に「これ、クッキーなんだけれど」と渡されたのは、小川軒の紙袋だった。

「あ、レーズンウィッチね」と心の中で思った。帰宅してすぐ(わたしはレーズンウィッチが好きなのである)開けてみると、レーズンウィッチのクリームとレーズンがはいっていない「プレーンウィッチ」であった。

Plain_wich

レーズンウィッチに使用されるサブレクッキーの表面(スライスアーモンドが乗っている面)を外側にして、2枚合わせて個別包装してあり、まさに「フィリング抜きのレーズンウィッチ」といった外見である。このようなものがあることを知らなかったわたしは、びっくりした。

しかし、実際に食べてみると、なかなか美味しい。クリームとレーズンがないだけに、サブレクッキー本来の上品な甘さと風味、サクサクとした触感が堪能できるのである。我が家では「レーズンウィッチよりもこちらの方が美味しい」と主張する者もいる。

アイスクリームを食べるときに、添えてもよいかも。

ちなみに、小川軒はのれん分けのために代官山と目黒・新橋御茶ノ水鎌倉にあると聞いている。いずれもレーズンウィッチを売っているが、そのため商品名は「レイズン・ウィッチ」「レーズンウィッチ」「レイズンウイッチ」微妙に異なり、時にはこれらの店の1つのウェブサイト内でもその記述にばらつきがみられることもある。

写真のプレーンウィッチは代官山のもので、ほかの3系列でプレーンウィッチを販売しているかどうかはわからない。


「Indeed, 彼はアメリカ人なんです」:または、米国人がイギリス英語を書くとき

2009-09-20 22:12:39 | 英語
パンフレット送付依頼の英語の手紙に「英語のレターってどんなふうに書くんだっけ?」なんて悩んでいたころには昔昔には考えもしなかったことだが、メールや、レターや、ドキュメントを英語で書くときに、または英語に翻訳するときに、スペルや文法や表現を米国風にするか英国風にするかを選択しなければならないことが、結構ある。

あのアメリカ語をアメリカ人が世界中で使っていることは、忌々しいことではあるがしかたがない。(ただし言っとくけどね、あれはrubbishだよ。)しかし、それを何で英語が母国語ではなく日本人である君が、しかもネイティブではないにしては英語が結構使える君が、アメリカ語っぽい英語なんか使うわけ? 言っとくけどね、"UN Information Center"ではなく、"UN Information Centre" (国連広報センター)だぜ。"World Food Program" ではく、"World Food Programme" ((国連)世界食糧計画)だぜ。世界はユナイテッド・ステイツを中心に回っているわけじゃないんだよ。
そうは言っても、日本で教えられている英語は、ギブミーチョコレートの時代(=進駐軍に日本が占領されていた時代)の名残もあり、伝統的にアメリカ英語が中心だ。英和辞典だって大体はアメリカ英語が中心で、イギリス英語のスペルで引くと、アメリカ英語のつづりを参照するように表示されていたりする。

相手が米国人や、米国に留学していた経験のある人ならば迷わず普段のわたしの英語になる。しかし、相手がオーストラリア、ニュージーランド、そしてヨーロッパ各国となると、やはりアメリカ英語の文法、表現、スペル、そして発音は、あまり受けが良いものではないらしい。そう面と向かって言われ、修正するようにそれらの国の人たちから指示されたことが、実際に何度もある。

そこでイギリス風英語でいくと決めたときには、Wordのスペルチェック機能の辞書の言語を「英語(英国)」に切り替え(デフォルトでは「英語(米国)になっているはず」)、知っている限りの知識を総動員して、アメリカ的な文法や表現を避けていく。とはいえ、そこは英語が母国語ではないわたしのこと。中途半端になってしまうのであり、だからあくまでも英国「風」英語なのである。

で、ここからが本題だ。仕事での話である。

ブリュッセルに本拠を置く国際弁護士事務所の弁護士チームからのメールのやり取りで、先方の窓口になっているのはチームの一員の弁護士であるA氏である。彼の名前は明らかにアングロサクソン系だ。そして、彼の書く英語はもちろんスペルにおいても文法においても、イギリス英語だった。だからわたしは彼を英国人だと思っていた。英国人らしく、しかも彼の書いたであろうと思しきドキュメントの中身には、"Indeed," で始まる文がやたらと多い。100段落の文章があったとすれば、大体そのうちの少なくとも50の段落の中のどこかには "Indeed," 始まっている文章がある。

その過剰な多用にいつのまにか影響を受けてしまったらしく、先日、わたしもつい文頭に "indeed" を使ってしまったところ、さっそく「それはイギリス人の使い方だよ」とダメ出しをくらってしまった。ちなみにダメ出しをしたのはアメリカに留学経験のある日本人だ。

が、この記事のタイトルにあるように、実はこのA氏は米国人だったのである。

それがわかったのは、彼が書いた約50ページのドキュメントにおいてだ。このドキュメントにはドラフトの訂正のやりとりが数回あったのだが、数ヵ所使われていた "skeptical" (懐疑的な)が、最終稿ですべて "sceptical" に修正されていたのを発見した。

イギリス英語でのつづりが "skeptical" であることをそこで思い出したわたしは、彼のプロフィールをネットで調べた。A氏は米国生まれ米国育ちで、もちろん米国で教育を受け弁護士資格をとり、米国の某州の弁護士会に登録していることが分かった。

つまり、アメリカ英語が母国語のA氏は、今の自分の職務上、仕事における自分の書き言葉をイギリス英語風にしているのである。これって、ストレスなのだろうか。うまく切り替えられるのだろうか。そして、その切り替えはどこで起こるのか。たとえば、A4の紙を渡されるとイギリス英語を書き、レターサイズの紙をみるとアメリカ英語に戻るのか?
しゃべる方の英語もクライアント向けにある程度変えるのだろうか?(たとえば、最低限 "twenty"とか "International"の "t" はきちっと発音するとか。)まぁ、本人に直接聞いてみなければわからないことだが、本人に会う機会はおそらくないだろう。

それにしても、わたしが米国系の企業を数社経験していることもあって、アメリカ人はアメリカ英語を国際ビジネス標準英語と考えて、世界のどこでも使いまくっているというイメージが漠然とあったのだが、まあ彼らもいろいろ苦労はあるんだな。

ちなみに、英国人で一人だけ、わたしが書いた英語をアメリカ英語に直すように指示した人がいる。英国の再就職支援会社の本部のディレクターだった。

日本で外資系企業あての外国人人事部長あてにDMを出すためのドラフトをチェックしてもらった時の話だ。「内容そのものはOKで英語にも間違いはないが、日本ではアメリカ英語が優勢なので、アメリカ英語になおした方が良い」とのコメントが返ってきた。

それから、日本でも官公庁の名称などには意外と英国風スペルが使用されていて、たとえば、厚生労働省は "Ministry of Health, Labour and Welfare" だ。

でも、国際機関を見てみると、たとえばILO・国際労働機関は "International Labour Organization" なのだけれど、なぜに折衷なんだろう?


歓送迎会で久しぶりに飲んだら…(ため息)

2009-09-05 22:08:29 | 日記・エッセイ・コラム
あまりに忙しいうえに、翌日の仕事に影響がでてもまずいだろうと思い、2カ月近く1滴のアルコールも飲まなかった。(ただしリキュール入りのチョコレートを除く)。そうしたら、久しぶりに飲んだビール500 mlぐらいで、
1. 脳貧血を起こした

歓送迎会の半ばから動悸が激しくなり、軽い吐き気がし、目がチカチカして視界がなくなり、気が遠のいた。

意地でかろうじて意識を保った(と思うが、しかし、しばらくの間は周りの会話が全く聞こえなかった)横になれればすぐに楽になれたのだろうがそれはせず、帰りの地下鉄で座れたために、不動の姿勢で座っていた(横になりたかったよ)。地下鉄を降りるころには状態はややましになってきた。


2. お腹をこわした

意識がしっかりしてきたのと同時に、今度はお腹が痛くなってきた。たしかにお酒を飲んだ翌朝はお腹がゆるみがちなのだが、今回はそんなもんじゃない。

というわけで、地下鉄の駅から自宅までの徒歩区間は、地獄の1.6 kmとなった。こういうときに限って、通る道道でさまざまなノラネコたちに粉をかけられたりしたのだが、挨拶を返す余裕がなくすべて無視し(わたしが元気なときに声をかけてね)、鬼のような形相で帰宅した。

翌朝、母にことの次第を話したところ、「あなたは体質的にアルコールがあわないのよ」と、酒飲みに散々悩まされてきた母はうれしそうに言った。家族の誕生日祝いはトマトジュースで乾杯となった。

まぁ、お酒は飲めないほうが飲酒関連の問題行動がは起こさないし、酒代がかからなければお財布にもやさしいということで、当分禁酒しておくかな。