巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

大矢ちき『回転木馬』の単行本化

2011-01-29 19:51:51 | 映画・小説etc.
りぼん1975年4月号~7月号に連載されていた大矢ちきの『回転木馬』が、36年たって2月下旬に小学館クリエイティブから初単行本化される。ファンの間では長い間、出版が待たれていたものだ。しかも、あの美しいカラーを、完全復刻したものらしい。

大矢ちきは、漫画家としては1972年~75年までしか活動しておらず、その後はイラストレーター・パズル作家「おおやちき」として活躍しており、少女マンガとしての最後の作品が『回転木馬』だった。連載終了後、すぐにコミックス化されるものと考えてずっと待っていたのだが、いくら待っても出版されず、悲しい思いをしていた。出版社側が原稿の一部を紛失してしまったために、単行本化できないという噂があったが、真偽のほどは知らない。

1970年代の少女漫画と言えば、舞台設定の多くは憧れの欧米だった。とはいえ、漫画家はほとんどの場合人種の描き分けができず、全く同じ絵柄で、話によって舞台を日本にしたり外国にしたりしていた。

が、大矢ちきは違った。どう考えても日本を舞台にするには不向きの画風を持っていた。西洋的かつ緻密で、エロティシズムに満ちている。カラーページの色遣いは、美しいが「過剰」なほど。例えてみれば、間違いなく西洋に倣っているのに、あまりにも過剰なために「こんな服すごいは自分の国にはない」と外国人モデルたちに言わせた、かつての金子功のピンクハウスのようなもの。大矢のこのような画風では、必然的にヨーロッパが舞台にならざるを得ない。『回転木馬』はフランスが舞台だった。

「りぼん」で活動していた短い期間の彼女の作品でとりわけ印象に残っているのは、今回単行本化される『回転木馬』のほか、イタリアの貧しい大道芸人の父子を描いた『白いカーニバル』(1974年3月号)だ。フェデリコ・フェリーニの映画のようなストーリーと彼女の絵がマッチして、それはとても悲しく美しい話だった。フィギュアスケートが舞台の『雪割草』(1975年1月号)、そして、コメディの傑作『おじゃまさんリュリュ』(1974年4月号~8月号)も心に残る。

ちなみに、りぼんの1975年5~12月号には、一条ゆかりの『5愛のルール』連載されており、連載期間の一部は『回転木馬』と重なる。

なにしろ、あのころの「りぼん」はすごかったのである。

回転木馬 (復刻漫画名作シリーズ)回転木馬 (復刻漫画名作シリーズ)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2011-03-03



お子たち

2011-01-22 18:30:50 | ノラネコ
クロコ(仮称)のこどもたち。

キジトラ+シロの「さっちゃん」より、時計回りに「かっちゃん」、「あっちゃん」、「ハチワレ」

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いつも元気な「あっちゃん(篤志)」の、おシッポの先は白。

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「さっちゃん」は、本日やっと性別がとわかった。おんなのこ。では、「幸子」ということで。おシッポの先は、やはり白。

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おそろしく用心深い「かっちゃん」の性別はいまだ不明。性格から、おんなのこではないかと推測。尻尾の先は黒。外見は一番母親に似ているかも。

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彼らの兄であるハチワレ(「はっちゃん」とも)。お兄ちゃんの風格…に見えるが実は一番の甘ったれ。

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初夢枕

2011-01-03 20:20:00 | ガジェット/モノ
Hatsuyumemakura_1
ここ数年の初夢は、ろくなものではなかった。

…ので、年の瀬にかまわぬの「初夢枕」なるものを購入。

これをまくらの下に敷いて良い初夢を願って眠ると、きっと良い夢が見られるに違いない。初夢は、「1月1日の夜から1月2日の朝にかけてみる夢」という説と、「1月2日の夜から1月3日の朝にかけてみる夢」という説があるので、どちらにも対応できるよう、1月1日の夜から枕の下に敷いてみる。








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さて、そのご利益は!






来年の初夢に期待させていただきます(´・ω・`)



ちなみに、和の物が好きなわたしは、部屋の壁掛け手ぬぐいもクリスマス終了後にお正月バージョンにかけかえ。

Shochikubai_tenugui


乳ノ木様とおしわぶき様

2011-01-02 22:57:45 | 日記・エッセイ・コラム
■ 乳ノ木様=こぶ欅(けやき)

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東京都板橋区の赤塚諏訪神社の参道にあるこぶけやき(欅)。幕末から明治時代に活躍した三遊亭円朝の「怪談乳房榎」のモデルとなったであろう樹は複数あり、それはその1本といわれる。その形から「乳ノ木様」と呼ばれ、母乳の出でが良くなることを祈願する民間信仰があったと、解説版には書かれている。


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樹の横に立っている人間の身長は154cm。

赤塚諏訪神社の参道は新大宮バイパスが分断してしまったが、分断された場所には歩道橋が架かっており、参道はかろうじてひとつながりを保っている。歩道橋のすぐそばに、このこぶけやきがある。なお歩道橋を渡った諏訪神社に近い側には、赤塚諏訪神社の末社である浅間神社がある。






■ おしわぶき様

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同じく東京都板橋区は西台天祖神社にある、おしわぶき様。何を模したものかは書くまでもないだろう。(西台天祖神社については、ペットの犬との初詣のマナーとは?をご参照ください。)

石で造られたものであることから、「石神」→「せき神」→「咳神」となって、咳に効くことになっている。




新年にあたり、民間信仰の対象である女性の象徴と男性の象徴を載せてみました。なお、下の写真はロウバイ(蝋梅)です。香りが良いので好きです。

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