巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

乳がんの手術の前と後で、変わったこと(身体面・行動面)

2011-05-08 19:59:49 | 日記・エッセイ・コラム
以下は、あくまでもわたしの場合だ。人によって異なるので、この手の情報をネットで探してここにたどり着いた方は、これを単なる参考として読んでほしい。

わたしの受けた手術は片側の乳房切除術+センチネルリンパ節生検だ。センチネルリンパ節生検により、リンパ節郭清ほどではないがリンパ浮腫及び蜂窩織炎が生じるリスクが生じている。
■ 患側のリンパ浮腫を防ぐためのマッサージが日課になった

手術のための入院時に、乳がん看護認定看護師に教えてもらったマッサージ。このマッサージでは力を入れてはならない。力をいれるとリンパの流れを妨げてしまう。わたしは毎晩、お風呂で石鹸が体についている状態でマッサージを行う。泡で滑って力が入らないので良い。

■ 手術痕の入念なチェックが日課になった

手術の翌朝より、自分の体で鏡に向かって顔の次によく見るところは、手術痕を含む患側の上半身全体になった。痕と浮腫みのチェックの仕上げに、痕にバイオイルを塗っておく。

手術より1年半。当初もっとも痛々しかったドレーンの痕は、今ではわずかに色が残るだけ。傷はきれいなほうらしい。

■ 患側の腕で重いものを持たなくなった

重いものを持ち続けると、リンパ液が皮下組織にとどまり、リンパ浮腫が起こりやすくなるのだそうだ。

といっても、商売柄、荷物が多くなるわたしは、結構大変よ。「ビジネスキャリーを使ったら?」と看護士さんに提案されたが、あれは通勤時の駅の混雑したホームでは、一歩間違えれば凶器となりうるので。

■ 患側を下にして横向きで寝なくなった

扁桃腺が大きいわたし(子供のころは扁桃腺を取ることを真剣に検討した)は、あおむけでは寝ると喉がかなりふさがってしまうために横向きで寝る。以前は寝る向きを毎晩に変えていたのだが、これもリンパ浮腫防止対策のため、患側を下にして寝ることができなくなった。いつも患側を上にした横向きで寝ている。あまり良いことではないが、仕方がない。


■ 調理にかける実時間が伸びた

蜂窩織炎を防ぐために、調理中に患側の指を切ったりやけどをしたりということは厳禁。というわけで、以前より調理に慎重になり、その結果食事の用意に時間がかかる。

ちなみに、蜂窩織炎防止対策のために、患側の切り傷・擦り傷・やけど・日焼け等は厳禁。

■ 患側の腕では、できないことが生じた

血圧を測れない。患側の腕の注射は禁止。

■ いつもマキロンとばんそうこうと虫刺されの薬をバッグの中に入れている

これも蜂窩織炎対策。ついうっかり、仕事中にコピー用紙でウッカリ指先を切ってしまったりすることがあるので。

■ 毎週曜日を決めて、ブレストフォームを洗う

ああ、わたしの全身の重心のバランスを取ってくれる、愛しきシリコンの塊よ。まるでマシュマロかすあまのような、ふくよかで柔らかなその感触よ。夏は、暑苦しいけどね。

ブレストフォームは中性洗剤でやさしく洗うこと。家の中にある中性洗剤といえば、衣料用のおしゃれ着洗い(e.g. アクロン、エマール)か、台所用食器洗いの大半(e.g. キュキュット、ジョイ)だ。わたしは食器洗い使用がキュキュッと洗いあがって好き。ジョイモイストケア フローラルオアシスの香りを愛用中。

洗浄後、最初に使用するときに、少々のベビーパウダーをまぶす。自転車のパンク貼りのときに、インナーチューブにベビーパウダーをちょいとまぶしておく感覚だ。汚れ付着防止にもなる。

■ 上着の襟のあたりのデザインに気を使うようになった

患側にはどうやっても胸の谷間ができないので、谷間が見えるような胸の開きのものは着られない。また、乳がん手術を受けた人のためのブラのストラップは、一般のものよりも太いため、衿ぐりが首の付け根からかなり離れているデザインのものは、ストラップが見えてしまいNG。

しかし、悲しいかな、わたしは首が短いので、顔からの延長線のラインを見せたほうがすっきりと見える。ゆえに、Vネックの微妙な開きにこだわる今日この頃。(ユニクロのVネックのカットソーには、開きが絶妙なものがあってグッド。)

わたしは最近2本の老眼鏡を買いました

2011-05-02 23:00:00 | ガジェット/モノ
あたしだって、(ここで胸をはる)ついに買ったんだよ、老眼鏡を!
しかもタイトルにあるとおり、(ここでVサインを作る) 2本同時にだよ !


Glasses_1

1本は遠近。もう1本は中近。べつに2本同時購入を進められたわけでも、2本買えば1本が割引になったわけでもない。最初から遠近と中近を買うつもりで、激安ではないメガネ屋に突進し、案の定、持ち合わせが足りなくなりカードでのお支払いとなった。おほほほほ…。わたしきっとお店にとってはとっても良いお客様だわ。

裸眼は左右共に0.04の近視。左目は乱視入り。いままでは通常はコンタクト使用で、目が疲れているときや、長時間PCに向かうときは、両眼で0.6ぐらいまで見ることができる単焦点レンズのメガネを利用してきた。このような利用の方法で、ドライアイであることを除けば、それほど不自由はしていなかった。

が、ここ数年視力が下げ止まったと思ったら、一昨年秋の乳がんの手術の前後あたりから、疲れてくると手前の細かい文字が見えないという状況が発生しはじめ、しかもそれが頻繁になってきた。来た来た来た来た~。(FYI:手術後は一切の治療を受けていないので、この状態は治療の副作用ではなく、加齢に伴うごく一般的な症状だ。)

わたしより若い世代の人たちが、もう何年も前に老眼鏡を作っているという話を頻繁に聞くにつけ、蛮勇をふるって、老眼鏡づくりとなった。

■ 遠近両用

大震災後に売れ行きが伸びたものの一つがメガネだという。

そう、有事の際にコンタクトレンズでは、怖い。日本コンタクトレンズ学会も被災者の方々に対しては、適切な環境が整うまでは原則としてコンタクトの使用は中止し、メガネに切り替えることを推奨している。

(参考:日本コンタクトレンズ学会よりのお知らせ コンタクトレンズを装用している東日本大震災被災者の方々へ)

Glasses_2コンタクトが使用できない環境で、老眼の入ったド近眼の人間が、有事の際にそれひとつで済ませようとするメガネを作るとなれば、遠近両用しかない。近眼の人間の遠近両用と言えば、いづれも近視用の度の強弱の組み合わせになる。

さて、ここ数年のメガネといえば、フレームの上下のレンズ幅が狭いものが主流だ。遠近両用においてもそうだ。今回購入した遠近両用のメガネの上下の幅は約28 mm。もっと幅が小さくても可能らしい。こんな狭い上下幅で遠近両用の累進レンズが可能だなんて、一昔前にはなかったこと。メガネレンズの世界も日々進化している。レンズは、HOYALUX FD 屈折率1.67、累進帯長11 mm。

そしてフレームの流行も日々変化している。というわけで、5年後に、こんな上下幅の小さいメガネは、流行遅れになっている可能性が高いよね、黒江さん、じゃなかった、クロエさん。まぁ、5年後にはさらに老眼が進んで、また買い替えになるだろうけど。

上下幅の小さいメガネは好きではないのに、そしてブランド志向はないのに、なぜこのメガネを選んだかというと、メガネ店に入った時に着ていた+Jの黒のカットソーとの相性が、恐ろしいほど抜群だったのよ。

■ 中近両用

こちらは遠近両用より、悩みどころが多い。

Glasses_3まず、「コンタクトレンズをつけた状態で、近くを見るための専用のメガネをつくる」のか、「コンタクトを外した状態で、近くを見るためのメガネを作る」のかを、選択しなければならない。

さらに、「完全にデスクワーク用にする(近近または、単焦点レンズ)」がよいのか、「デスクワークのほか、室内を見渡せるぐらいのものいしたい(中近)」のか、の選択にもなる。想定される使用環境を色々と勘案して、中近を選択。(近近と中近の見え方の違いについては、今回のメガネのレンズメーカーであるHOYAの関連サイトあたりを参考にしてください。)

こちらのフレームの選択基準はまずは上下幅。こちらのフレームは上下幅が32mmで、これが中近を買うにあたって店頭で勧められた上下幅だ。ティファニー好きにはたまらないテンプルと先セルの色が、「わたしはティファニーなんだからね!」を主張。まぁ、屋外でかけるるものではないので、良しとしよう。レンズは、HOYAの中近累進レンズの基本HOYALUX TACT、屈折率1.6。

なお、遠近・中近・近近の違いと選択方法については、三共メガネというメガネ屋さんが『快適な遠近両用メガネ』を作るための『基礎知識』&『ポイント』という、分かりやすいHPを作成してくれている。悲しいかな、わたしがそのサイトを見つけたのは、2本のメガネを注文した後だった。

■  「クラクラ」するか、しないか

遠近両用が「合わない」「慣れない」「クラクラする」と訴える人は多い。が、メガネ屋は「もともとずっと近視で長い間メガネを使用されていた方は、どんな遠近両用でも、大体すぐ慣れます」と言った。

その言葉通り、コンタクトレンズとメガネの使用歴が長いわたしは、新しいメガネをかけたその瞬間から慣れてしまった。念のために現物を引き取った翌日に、遠近両用メガネをかけて遠出し、かなりの距離を歩き、無意味に駅や歩道橋の階段をとことこと上ったり下りたりしてみたが、全く違和感なし。見え方の歪みが出ていることは認識しているのだが、それその歪みがそれほど気にならない。

ああ、悲しき近眼歴の長さよ。そういえば、メガネを作り替えるたびにレンズの歪みが気になったのは、20代の半ばまでの話だった。レンズも劇的に進化したのだろうけれど、歪んだ見え方に対するわたしの脳の受け入れ態勢も万全になってしまっている。長年の慣れって恐ろしい。

■ メガネについてくるアクセサリー

Glasses_4ブランドのメガネを購入した場合、ケースも眼鏡ふきも、ケースをおさめた外箱も、そして紙袋までそのブランド独自のものがついてくるというのは、この数年の傾向だろうか。一昔前まではかなり高いブランドのフレームでメガネを作っても、ケースとメガネ拭きはそのメガネ店独自のものだったりしたのだが。

そんなわけで、メガネ屋からティファニーの紙袋を下げて帰ってきたのだが、ブランド志向がないわたしはこの紙袋を下げているのが妙に恥ずかしく、ダイエーのレジ袋で隠すようにしてこそこそと帰ってきた。

しかし、メガネ付属のブランドのロゴが入ったメガネケースは、いずれも、厚みがかなりあり携帯には不向きだ。携帯用のケースだけ買うか。土屋鞄のオイルヌメフェチのわたしとしては、同シリーズのメガネポーチがほしいけど、メガネ本体で散財したからしばらく無印良品かな。

ティファニーのケースがあのティファニーブルーではなかったので許すけど、巷ではティファニーブルーのメガネケースも出回っているらしい。

■ 追記 

フレームは2本とも日本製。