ここ1週間で、やっとオフィスで使用している複数のICカード読み取りエラーのストレスから解放されつつある。
(上記写真説明:カードホルダー(
Diral製)とホルダーに入れる4枚のカード。出し入れをしなくて良い写真入りカード、食堂のカード、読み取りエラー防止カードの3枚は前面に、1日1回取り出す必要のある入退室/PCログイン兼用カードは後ろのポケットに入れている。ちなみに、カードホルダーにミンティアケース(これもDiral製)を付けているのは、わたしが単なるミンティア中毒者だからなのだが、ミンティアケースについては、その使用を正当化するロジック(本文を参照のこと)は未構築である。)
最近、月曜日から金曜日までお世話になっている会社では、常に3枚のカードを首からぶら下げていた。3枚のうち1枚は何でもない写真入りのただのパウチされた紙製のカード。後の2枚は非接触ICカードだ。
非接触ICカードの2枚のうち1枚は、入退室とPCへのログインの際に使う。またこのカードはPCへのログインにも必要で、その際にはスロット型のカードリーダーに挿入することになる。もう1枚は、この企業の社員食堂用のカード。
社員食堂のカードについては、昼食時にしか使わないし毎日使うとも限らないのだから、別途保管しておいてもよいのだが、わたしの性格および過去の経験を考えると、こういうカードを一瞬たりとも手元から離したところに保管しておくと、絶対になくす。というわけで、支給されたビニール製の1枚用の華奢なカードホルダーに3枚のカードを入れ、それにこれまた非常に華奢なネックストラップをつけて常に携帯していたのだが、どうも使い勝手が悪くてストレスがたまる。ストラップもカードホルダーもそう遠からず壊れそうだ。
実際に体験された方も結構多いと思うが、2枚の非接触ICカードを一緒に入れておくと、往々にして読み取りエラーが起こる。そのため、入室するたびにカードをホルダーから抜き、食堂でもカードを抜きという行動を、正確な認証のためにいちいちとらなければならない。しかも、この2枚のICカードは外見がほとんど同じなので、誤って違うほうのカードを使ってしまうということも結構起こる。うっかり食堂のカードをPCログインに使ってPCの画面に「間違ったカードです」と表示されたり、入室の際に食堂のカードをかざすと、カードリーダー側が数秒間迷った挙句に、最後にエラーが出たりする。その数秒は非常に長く感じられる。
こんな風に3枚のカードを持ち歩いている人間はこの会社に出入りする人間のごく一部なので、この不便さをこの会社に文句訴えても無駄だろう。そこで、この不便を我慢するか、あるいは自ら解決するかの選択をしなければならない。わたしの場合は性格上、自分でどうにかなるものであれば通常は後者の選択をする。
非接触ICカード2枚を同時に携帯している際の誤作動といえば、SuicaやPASMOなどIC乗車券の読み取りエラーに多くの経験者がいる。そのためこのIC乗車券用の接触型ICカードについては、読み取りエラーを防ぐ磁性フィルターを使ったグッズが開発され、市販されている。例えば株式会社フロムウエストの「
フラックス・パス」がそういった商品である。2枚のカードの間にこの磁性フィルターを挟むことで、エラーを解決しようというかわけである。
しかし、仕事上で使うICカードとなると、話は少々複雑になる。市販されている非接触型ICカードの読み取りエラー防止グッズは、各交通関係カードに使用されているFeliCaに合わせて作られている。一方、非接触型ICカードの規格はいくつもあり、入退館・入退室には他の規格のカードも良く使われる。今回どうにかしたいと思っている2枚のカードにどの規格が採用されているかは一見しただけではわたしのようなシロウトには分からないし、カードリーダーの電磁波出力の強さがどのぐらいなのかもわからない。(読み取り出力が強力な場合、磁性フィルターを使っても反対側に置かれたカードのほうを読み取ってしまう可能性がある。)
そこで、前述のフロムウエストは、「
フラックス・ビズ」というそれぞれのオフィス環境に合わせたものをBTOで用意しているらしい。しかしながら、今回はわたし一人のことなので、これはできない。
迷った末、とにかく何らかの市販の改札エラー防止カードを買って試してみることにした。このようなものを買いたかったらまずは東急ハンズに行くことにしているわたしは、東急ハンズで「
ICカードプロテクター・スペリア」(株式会社玉川製作所)なるものを見つけて購入した。「海外でも使用可能」などと書いてあり、国内で圧倒的なシェアを誇るFeliCa以外のものにも対応しそうな気がする…という、これまたシロウト判断が購入の理由。
さて、この磁性カードを使うとなると、カードホルダーに入るカードは計4枚。さすがにこれでは、華奢なビニール製カードホルダーではちょっと困る。そうなると別のカードホルダーを使わねばということになるのだが、わたしの使用環境でストレスなく利用できるカードホルダーを選ばなければならない。ここで最適なカードホルダーを選択するために使用環境をよく考えてみると以下のようになる:
- 原則として必要なカード類は、カードホルダーから出す必要はない;
- ただし、入退室/PCログイン兼用カードは、1日1回、PCのログイン時に必ず、ホルダーから出す必要がある;そして
- カード型の磁性フィルターは、非接触ICカードに対して位置ずれが起こらないように気をつけねばならないものである。
上記の条件を考慮すれば、2つポケットのカードホルダーを使い、透明セルのある表側のポケットに、表面より写真入りカード、社員食堂用カード、磁性カードという3枚の取り出さなくてもよいカードを入れ、裏側のポケットには1日1回取り出す必要がある入退室/PCログイン兼用カードを入れておくのが、与えられた条件下では最良の選択であると考えた。
ちょうど別の会社で使い始めたばかりのカードホルダーに2つポケットの私物のカードホルダーがあったのでこれをこちらの利用に転用し、考えた配置にカードをセットし、翌日入室用のカードリーダーの前でドキドキしながらカードをかざしてみた。
成功。
昼休みはわたしのうしろにには空腹の人々が並んでおり、ここでエラーを出すと顰蹙を買うため、さらなにドキドキしながら食堂用カードをかざしてみた。
これも成功。
ただし、カードのかざし方にコツがいるらしく、エラーが出ることはないものの、しばしば反応が1秒ほど遅れることがある。というわけで、目下のところカードがもっとも良く読み取られるかざし方が無意識に行えるようにと、体にカードリーダーが即時にカードを読み取ったときの自分の動作を、自分の体に叩き込んでいるところである。ほどなくこの動作は「暗黙知」「無意識」の世界へと変わるであろう。(でも、「暗黙知」っていうほどのことか?)
というわけで、ここ数日のこの会社の営業日には、周りの皆さんと規格の違うカードホルダーをぶら下げている。いまのところ誰も文句を言ってこないのでホッとしている。(いや、誰かが文句を言ってきたら、規格違いのカードホルダーの使用を正当化するロジックは、すでにきっちりと構築済みだ。)
しかし、こういうどうでもよいようなことを、セミハードな文体で書いているわたしって…