ノラネコのゴキリョウは、わが家の玄関の外や、家の周囲で寝ていても良いことになっている。おかげで最近の彼女の態度のでかさは、写真のとおりである。(玄関ドアの前の様子だ。)
庭にゴキリョウの存在を許したのは、苦肉の策だ。家の前には公園があり、公園にはノラネコが住み着き、住み着いたノラネコにエサをあげに来る人が複数いる。公園のネコたちは、しばしばフェンスの下をくぐりぬけて、わが家の庭にやってくる。ぶらぶらとやってくるときもあるが、緊急避難してくるときもある。公園に犬を連れてくる人の中には、公園内のノラネコを見るや、リードを離して自分の飼い犬をけしかける人もいたりする。こんなとき、わが家の庭の描口密度は一時的に高くなる。こういうネコたちと目をあわすなかれ。目があったら、必ずエサをねだられるから。
これまでの経験から、どのような工夫をしてもネコの侵入を防ぐことは無理だ。こちらにできることは、せめて家の周囲にフンをさせないようにすること。すなわち、犬走り等、庭のうち人間の生活空間に近い部分をネコのテリトリーにしてしまうことだ。
少なくともいまのところ、この試みは成功しているようだ。ゴキリョウは玄関、外壁、とい、自転車置き場といった場所に、盛んに自分の顔をこすりつけている。そのおかげで別のネコがふらりと入ってきても、決してその場所はトイレにはされない。しかし、庭のうち、家屋から離れた部分がネコの公衆トイレになってしまっているため、わたしはたまに犬の散歩用のクリーンバッグをもって、片付けにフン走するのである。
さて、先月の話だが、わが家の庭の外溝を工事することになった。門扉やフェンスはよいのだが、家の犬走りと玄関から門扉までのアプローチに、かなりの広範囲にわたってコンクリートを打つため、ここでネコの存在が問題になった。
コンクリートは打設時に発熱する。この熱につられて、ネコが乾かぬコンクリートの上に、梅の跡をつけてしまうことが、結構ある。しかもゴキリョウは、自分のテリトリーのいかなる異変も、見逃すことができない。物だろうが人だろうが、これまでとは異なったものの存在があると見るや否や、かならず自らの足で現場へ行き確かめるのだ。
犬走りや玄関のアプローチの配筋も終わり、いよいよコンクリートを打つという日の朝、いつものように、ゴキリョウが工事人さんたちの前に姿をあらわした。ここで年配の工事人さんがゴキリョウに向かってとつとつと説得を始めた。「おい、コンクリートが乾くまで、上に乗っちゃあダメだぞ。いいか、乾くまでは…」ゴキリョウは、不思議な顔をして職人さんの方を見ていた。
「そんな説得が効くわけがない」と、誰もが思った。が、その日に限って、ゴキリョウは完全にコンクリートが乾くまで、庭に入ってこなかった。これにはわたしもびっくりしたが、外溝業者はいたく感動したらしい。
この件以来、「ヒトの言葉がわかるネコ」として、ゴキリョウの株はいやがうえにも高まり、ゴキリョウが玄関前で昼寝をしていようが、わたしの自転車のサドルの上に鎮座していようが、大目に見てもらえるようになった。
しかし、やはり、ネコは暖かいものが好きであり、このことがトラブルを招くことがあることがわかった。
ある日、エコキュートのヒートポンプ配管の表面にミイラのように巻いてある保護テープがボロボロになっているのを、母が発見した。どう見ても、ネコがここで爪とぎをしたあとだ。
とりあえず業者さんにテープを巻きなおしてもらい、猫よけネットを配管の回りに巻いてもらった。業者さんの話によると、お湯が通るためヒートポンプ配管は温かく、この暖かさがネコのお気に入りとなり、しばしばこのようなトラブルが起こるのだそうだ。
そんな話をしているうちに、ゴキリョウが業者さんの前に現れた。「このネコが犯人かもしれませんよ。」業者さんがゴキリョウを指さした。
おそらく、彼女が犯人だ。というのはゴキリョウはエコキュートの貯湯ユニットの下が大好きで、一晩中そこにいることがしばしばだったからだ。おかげでエコキュートの周辺は砂利にもかかわらず、ネコにフンをされることはなかったのだが。
あ~あ、せっかく上がったゴキリョウの株が… 一応、口頭で彼女に注意をしてはおいたが。
庭にゴキリョウの存在を許したのは、苦肉の策だ。家の前には公園があり、公園にはノラネコが住み着き、住み着いたノラネコにエサをあげに来る人が複数いる。公園のネコたちは、しばしばフェンスの下をくぐりぬけて、わが家の庭にやってくる。ぶらぶらとやってくるときもあるが、緊急避難してくるときもある。公園に犬を連れてくる人の中には、公園内のノラネコを見るや、リードを離して自分の飼い犬をけしかける人もいたりする。こんなとき、わが家の庭の描口密度は一時的に高くなる。こういうネコたちと目をあわすなかれ。目があったら、必ずエサをねだられるから。
これまでの経験から、どのような工夫をしてもネコの侵入を防ぐことは無理だ。こちらにできることは、せめて家の周囲にフンをさせないようにすること。すなわち、犬走り等、庭のうち人間の生活空間に近い部分をネコのテリトリーにしてしまうことだ。
少なくともいまのところ、この試みは成功しているようだ。ゴキリョウは玄関、外壁、とい、自転車置き場といった場所に、盛んに自分の顔をこすりつけている。そのおかげで別のネコがふらりと入ってきても、決してその場所はトイレにはされない。しかし、庭のうち、家屋から離れた部分がネコの公衆トイレになってしまっているため、わたしはたまに犬の散歩用のクリーンバッグをもって、片付けにフン走するのである。
さて、先月の話だが、わが家の庭の外溝を工事することになった。門扉やフェンスはよいのだが、家の犬走りと玄関から門扉までのアプローチに、かなりの広範囲にわたってコンクリートを打つため、ここでネコの存在が問題になった。
コンクリートは打設時に発熱する。この熱につられて、ネコが乾かぬコンクリートの上に、梅の跡をつけてしまうことが、結構ある。しかもゴキリョウは、自分のテリトリーのいかなる異変も、見逃すことができない。物だろうが人だろうが、これまでとは異なったものの存在があると見るや否や、かならず自らの足で現場へ行き確かめるのだ。
犬走りや玄関のアプローチの配筋も終わり、いよいよコンクリートを打つという日の朝、いつものように、ゴキリョウが工事人さんたちの前に姿をあらわした。ここで年配の工事人さんがゴキリョウに向かってとつとつと説得を始めた。「おい、コンクリートが乾くまで、上に乗っちゃあダメだぞ。いいか、乾くまでは…」ゴキリョウは、不思議な顔をして職人さんの方を見ていた。
「そんな説得が効くわけがない」と、誰もが思った。が、その日に限って、ゴキリョウは完全にコンクリートが乾くまで、庭に入ってこなかった。これにはわたしもびっくりしたが、外溝業者はいたく感動したらしい。
この件以来、「ヒトの言葉がわかるネコ」として、ゴキリョウの株はいやがうえにも高まり、ゴキリョウが玄関前で昼寝をしていようが、わたしの自転車のサドルの上に鎮座していようが、大目に見てもらえるようになった。
しかし、やはり、ネコは暖かいものが好きであり、このことがトラブルを招くことがあることがわかった。
ある日、エコキュートのヒートポンプ配管の表面にミイラのように巻いてある保護テープがボロボロになっているのを、母が発見した。どう見ても、ネコがここで爪とぎをしたあとだ。
とりあえず業者さんにテープを巻きなおしてもらい、猫よけネットを配管の回りに巻いてもらった。業者さんの話によると、お湯が通るためヒートポンプ配管は温かく、この暖かさがネコのお気に入りとなり、しばしばこのようなトラブルが起こるのだそうだ。
そんな話をしているうちに、ゴキリョウが業者さんの前に現れた。「このネコが犯人かもしれませんよ。」業者さんがゴキリョウを指さした。
おそらく、彼女が犯人だ。というのはゴキリョウはエコキュートの貯湯ユニットの下が大好きで、一晩中そこにいることがしばしばだったからだ。おかげでエコキュートの周辺は砂利にもかかわらず、ネコにフンをされることはなかったのだが。
あ~あ、せっかく上がったゴキリョウの株が… 一応、口頭で彼女に注意をしてはおいたが。