巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

グルダ バッハを弾く

2008-12-30 23:20:00 | 音楽
Gulda_plays_bachタイトルは故フリードリヒ・グルダの新しいアルバム “Gulda Plays Bach”の直訳。日本盤のタイトルは『バッハ・アーカイブ』で12月24日発売。詳しいデータはこちらだが、この録音が世に出るのは初めてとのこと。

10月に輸入盤として入ってきたので、わたしはその時に入手。土曜日に家に届いたのだけれど、土日は家を開けていたため聴くことができず、月曜日の朝一にかろうじてWalkmanに入れて、通勤途中の電車の中で聴きはじめたところ

降りるべき駅で降りそこなった。

しかも降りそこなったのは一度ならず。恐るべしFG。

この人はよく知られているベートーヴェンやモーツァルトの演奏のほか、プロコフィエフ、ラベル、ドビュッシー等、クラシックだけでもかなりレパートリーが広い人だったが(バーンスタインとのガーシュインはその場で聴いてみたかった)、バッハの録音に関しては例によって世間をあっと言わせ、一方では熱狂的に好かれ一方では大きく嫌われたバッハの『平均律クラヴィーア曲集第1巻・第2巻』(1972~1973年)が代表作ということになる。わたしが知っている限りでは、ピアノとクラヴィコードの演奏の録音と映像が残っている「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BV.903」の演奏にも、熱狂的ファンがいたりする。


演奏活動…というよりは広義のパフォーマンス自体が好きだったらしく、演奏活動を嫌ってレコーディングに注力したためにたくさんのアルバムを残したグレン・グールド(わたしは若いころ、この人のバッハには夢中になった)とは対照的に、公式のレコーディング自体が少ない。おまけにフリー・ミュージックにまで行ってしまって、クラシックの録音はさらに少ない。(わたしは彼のクラシックとジャズと、その範疇の自作は好きだけれど、フリー・ミュージックは理解できない。でも彼には必要だったんだろうな。)

今回発売された『バッハ・アーカイブ』に収録されたの「トッカータとフーガハ短調 BW911(1955年に収録)」 は、フーガの部分が10代のころの初期のレコーディングでも取り上げられていたものだけれど、これは数年たってかなり変化している。個人的には1955年録音のほうが好み。1969年に収録された自作の「プレリュードとフーガ」(対位法なジャズ)も、これまでに聴いていたバージョン(1971年、1977~78年、1993年の収録)のいずれとも違っていて面白い。

ちなみにこのアルバムには、若いころのグルダの写真がいくつか載っていて、まだ頭頂部に髪の毛が十分残っている写真もあり、誰かが言っていたけれど本当に「これ、誰?」


スニーカー通勤

2008-12-29 23:29:00 | インポート
そうですよ。実はわたしはもう15年ぐらいスニーカー通勤。

最寄駅から1.6kmの道のりをダッシュまたは高速で歩く必要があるため、というのがスニーカー通勤の第一の理由。スニーカーであるから結構身軽に、地下鉄等でも原則として階段を利用しており、健康には非常によろしい。

でもスニーカー通勤のもうひとつの大きな理由は軽度の外反母趾であること。そしてさらなる理由は、通勤時にヒールを蹴られてヒールの皮が剥げるのが嫌なことと、間違って他人様の足をヒールで踏みたくないからというのが、パンプスでの通勤を避ける理由。

日本人は「スニーカーで通勤するのなら、通勤にふさわしいデザインと質のスニーカーを」と考える人が多いけれど、個人的にはそんなものどうだって良い。というわけで、スニーカーでよく履くのはダンロップのコンフォートウォーカー(オホホホホ…)。黒いスニーカーと、白いスニーカーと、ベージュのスニーカーを持っていて、一応は服の色に合わせて履き分けたりはしている。ただし普通のスニーカーだとパンツの裾を引きずるような場合は、スケッチャーズのヒールスニーカー。

オフィス内では原則としてパンプス。オフィス内で働く女性には、仕事中は楽な(サンダルを含む)靴を履く人が多いのだけれど、「仕事中がオン」という意識があるから、職場ではマトモなくつを履いておこうというわけ。朝一で客先を訪問…というときは、客先の最寄りの駅のトイレでスニーカーをパンプスに履き替えている。駅のホーム等、公衆の面前で靴を履きかえるという行為もナンなので。

さて、パンプスと言えばヒールの高さが問題だ。以前は高さが7cmのパンプスが多かったのだけれど、これだと背が高目のわたしの見かけの背丈が、大概の男性より背が高くなってしまい、圧迫感を感じさせてしまうらしい。そこで、最近は妥協して5cm~5.5cmものをよく履いている。しかし、かかとの高さが何センチであろうと、ヒールの細いものはNG。あれは仕事で履くもんじゃない…っていうか、わたしはあれを履いていては、うまく動けないのよ。

でも日本人だから、実は靴を履いていない状態のほうが楽なんだよね。というわけで、気がつくと机の下でパンプスを脱いでしまっていたりする。足はあまりむくまないほうだけれど、靴を脱いで、外反母趾対策のため、手でパーの形を作るような感じに、足の指を広げたりしている。

オフィスで履くパンプスは毎日バッグの中に入れて通勤し、律儀に持ち帰っている。たくさんの靴を持っているわけじゃないけれど、一応服に合わせて履き分けということで。だから、いつどこで緊急呼び出しが来ても良いように最低限度の仕事用品を詰め込んだ大荷物のわたしのバッグの中身は、いよいよかさばっている。

そして、2週間に1回ほど、大体は日曜の夕方なんだけれど、すべての靴の靴磨きをしている。外反母趾ゆえに伸縮性のない合成皮革は履かないことにしているので、靴磨きは必須。実は外では履かないから靴自体はそれほど汚れてはいないのだけれど、靴クリームのにおいが好きなわけ。

それから、こういう靴行動パターンだと、通勤にブーツが入る余地がない。今シーズンのスカートやワンピースの丈はロングブーツに合うものが多くて、ちょっと困ったもんだけど。

追記:皮の靴はいずれもリーズナブルな価格のものででございますよ。(高いものはわたしには似合わんのよ。)ついでに1か月に1回ぐらいは、皮のバッグのほうも手入れしています。こちらのほうはコロニルのシダーウッドオイルとかラナパーだとかを使っているので、においの喜びはないけれどね。調子に乗って3か月に1回ぐらいは、財布だとか、名刺入れたとか、パスケースなどの他の革製品もお手入れしています。以上の製品はいずれも高額なものではございません。お手入れをすると、きれいになって革の状態と持ちが良くなるのがうれしいだけ。「そんなことより、自分のスキンケアに力を入れたほうがいいんじゃない?」って、どこからか言われそうだけれど、スキンケアは革製品の手入れほどは効果が見えやすくはないので…


マスクの不織布の耳掛けについて

2008-12-28 05:21:00 | ガジェット/モノ
この時期のわたしは、風邪をひいていようがいまいが、就寝時は乾燥対策のためにマスク着用で眠ることにしている。

昨今の市場には就寝時用のマスクというものが出回っているが、そういうものの耳掛けはゴムの場合が多く、わたしはこれが嫌いだ。寝相が悪いために寝ている最中にマスクがずれることがよくあり、そのときにゴムの耳掛けの痛みで目が覚めることがあるためだ。

それから寝相に加えて、わたしの鼻の形ゆえに、プリーツ型はアウトである。どういうことかというと、上向きの鼻にずれたマスクのプリーツの角度がぴったりはまって張り付いてしまい、夜中にフゴフゴと呼吸困難になって目が覚めたことがあるのだ。

また、毎晩新しいものを使いたい。ゆえに就寝時のマスクは、使い捨ての立体型マスクで、耳掛けが不織布であるというものである。もちろん値段もリーズナブルでなければならない。

ところで、不織布の耳掛け部分は、商品によって個性がある。以下は最近使用した3種類の立体型マスクの不織布の耳掛けについてである。

■ ユニチャームの超立体マスク

ある朝、例によってマスクが外れてしまった状態で目が覚めた。マスクはどこかと探してみると、枕もとに信じられないぐらい耳掛けがピロピロに伸びきった超立体マスクがあった。その伸びには一種の感動を覚えたが… 

■ 大三のサニーク 快適宣言

ある朝、例によってマスクが外れてしまった状態で目が覚めた。マスクはどこかと探してみると、枕もとに耳掛けのちぎれた立体型不織布マスクがあった。自分の寝相の悪さには一種の感動を覚えたが…

■ 白十字のフィットマスクU

ある朝、例によってマスクが外れてしまった状態で目が覚めた。マスクはどこかと探してみると、枕もとに耳掛けが袋から取り出した時とほぼ同じ姿のフィットマスクUがあった。このようなことが何回も続けば、このマスクの売りの「伸びちぢみ自在のストレッチ不織布の耳掛け」には、じわじわと一種の感動を覚えてくるものである…


ちなみに、立体型マスクにはサイズが数種類あるものが多いが、実はわたしにはどのサイズもピッタリとは合わない。超立体マスクの箱に書いてあるサイズの目安では明らかに「小さめ」だが、顔は小さくはない。だがあごが小さく、そしてまずいことに鼻が短い。小さいマスクではあごに合わせると鼻がきちんとカバーできないので普通サイズを買っている。下手をすると顔のほとんどがマスクで隠れることになる。



今年購入の無印良品

2008-12-23 19:22:39 | ガジェット/モノ
まだ「わけあって安い」西友の一ブランドだったころから、いろいろ使っている無印良品。(ローカルな話で恐縮だが、かつては練馬北町にも志村坂上にも西友があって、一番よくいくスーパーが西友だったんだよ。)

無印良品の物の中には「無印」であることを優先するあまり、使い勝手が置き去りにされすぎて、おもわず「バッカモーン!」と叫んでしまいたくなるものもあるが、ものすごく気に入っているものもある。

では今年買った無印良品の中から、私的に気に入ったものをいくつか挙げてみよう。(写真はリンク先でご覧ください。)



■ 磁器ベージュお玉おき (税込599円)

ああ、これはすばらしい。調理中、または鍋物の時は、お玉の置き場所に結構困ったりする。以前は小皿や小さめの取り皿を利用していたけれど、これだとお玉のおさまりが悪く、見た目もよろしくない。これを購入して以来お玉のホームベースここになった。リンク先の写真のように菜箸などにも…アイディア系無印である。


LEDポリカーボネート懐中電灯 (税込2,900円)

先日、まだ陽が昇らないうちからブレーカーが連続して落ちてしまった。うちはかなり早起きなので外は真っ暗…ではなくて、すべての窓のシャッターを下ろしていたので真っ暗。でも12月の東京の午前6時前ではシャッターを開けても実は真っ暗だった。(ブレーカーが落ちまくった原因は、エアコンの不具合のせいだったとのちに判明。)

真っ暗な中で「懐中電灯はどこだ!」と母と二人で大騒ぎ。家の中の「どこか」には本格的なマグライトからキーホルダーにつけるLEDの懐中電灯まで、数多くの懐中電灯があるはずなのだが、なにしろ真っ暗で探しだせない。

懐中電灯はそのデザインゆえに、日ごろ目につくところに出しておくと、部屋が非常にダサい印象になるので、納戸の中だの、キッチンの棚の中だのにしまいこんでしまいがちだ。ゆえにいざという時に「懐中電灯を探すために懐中電灯がほしい」などという、ばかげた状況が起こるわけで。

というわけで、この経験に懲りたわたしが買い走ったのがこれ。懐中電灯の機能だけを考えるとちょっと高いが、こらなら常にテーブルの上に鎮座していても違和感がない。明かりは白色系のLEDライトだし、このデザイン故にちょっとしたルームライトとしても使える。というわけで、昼間はいつもわたしの部屋のローテーブルの上に、夜はいつも枕もとに置いてある。Gマーク (2007年度) も納得。無印らしい無印である。



■ アロマディフューザー (税込5,000円)

いわゆる癒しグッズだ。わたしの場合、これを買ったのは、癒しのためというより、マイナスイオンスチーマー用に買い込んでしまった大量のエッセンシャルオイルの消費が目的だが。

これまでのアロマディフューザーの「いかにもアロマグッズ」な形状を考えれば、これがヒットしているのもうなずける。

タイマー付きでしかも電球色に近いLEDライト付き。寝る前にタイマーと好みでライトをセットして、部屋の電気を消してボーっとしながらディフューザーの光と蒸気を眺める。蒸気が噴き出すわずかな音に、ピチャピチャと聞こえる水音もよろしい。タイマーは最大60分だが、ディフューザーが切れるとともにLEDライトも自動的に消えてくれるのも親切。Gマーク (2008年度) も納得。

ただし、この器具は結構デリケートだ。おまけに連続使用に耐えない。扱いとメンテナンスは結構面倒で、長持ちをさせたかったら、なにも考えなくとも体が勝手に正しい取扱い法に従って動くようになるまで、しばらくは取説と毎回にらめっこするがよかろう。病弱系無印である。


■ 磁気ベージュマグ 330ml (税込499円)

わたしの中での位置づけは、Honorable Mention (選外佳作) である。シンプルな色と形だというそれだけの理由で購入し、特に気に入っているとは思っていなかったのだが…

わたしはそそっかしいのとガサツなのとで、よくマグカップを割ってしまう。かなりお気に入りのマグカップや、わたしとしては大枚をはたいて買ったカップを割ってしまったことも数知れず。だから割ってしまったら、いくらそれがお気に入りのものであっても、「運命」とあきらめて、そのことはサッサと忘れることにしている。

このベージュのマグも、一度、固い物の上に落して大きなヒビを入れてしまった。わたしはすべての仕事を即中断して無印良品に駆け込み(徒歩と電車でいつもの無印良品まで約40分)、全く同じものを買ってきた。というわけで今使っているのは2代目。

同じものをすぐに買ったという事実から判断して、わたしはおそらくこのマグを相当気に入っているに違いない。質実剛健系無印である。

同シリーズの磁器ベージュストレーナー付マグ 約270ml (税込799円)も持っていて、このマグのふたを330mlの上にのせておくことが多い。

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ところで、今年購入して「失敗した!」と思った無印良品も、ここでは書かないが結構ある…


ギネスとニュートロジーナ

2008-12-01 06:16:00 | 美容と健康
ちょっと前のニュースだが、大好きなギネスがらみのニュースで以下のようなものがあった。

キリン、「ギネス」販売へ=サッポロに代わり輸入

 キリンビールは26日、英飲料メーカー、ディアジオ(ロンドン)から高級黒ビール「ギネス」などの国内販売権を取得、2009年6月から輸入販売を開始すると発表した。ギネスはサッポロビールが国内販売しているが、5月末で契約が切れるのを機に、商品ラインアップをより強化する。(2008/11/26-16:08)[時事通信]


ギネスは本国では「高級ビール」というより、「年寄りが飲むビール」ってイメージであり、かつてアイルランドに旅行に行ったときに、パブの従業員の若い女性に「ギネスって若い人はあまり飲まないのよね」と言われたのは、以前の記事「いとしいドラフトギネスなれど…」に書いたとおりだ。どの年代が飲もうと別にかまわないが、ギネスはどう見ても労働者の飲み物だ。それにしちゃあ、日本での値段が高くないか? 日本での価格が高いので時事通信の「高級黒ビール」って表現も出てきたのだと思うけど、マーケティングがどこか間違ってはいなかったかしら?

マーケティングで思い出したのがニュートロジーナ。それなりの年令の女性なら覚えている方も結構いるのではないかと思うが、かつて日本では持田製薬がニュートロジーナの透明な顔用の固形石鹸をライセンス生産をしていたのは有名な話だ。持田製薬は中身は日本人向けに変えていた。

この2社の関係が解消されたのは、「良いものは宣伝しなくても売れるはず」という持田製薬側と、「良いものだからこそ、もっと宣伝に力をいれるべき。そうすればさらに売れるはず」のニュートロジーナ側の意見があわなかったからだというのを、昔コスメ雑誌で読んだことがある。(まぁ、それだけが理由なのではないのだろうが。)そして持田製薬は日本版ニュートロジーナの石鹸とほぼ同じものを、日本人向けに変えた「コラージュ」として売り始めたとかいう話。

ところでニュートロジーナといえば日本ではかつての顔用の石鹸のメーカーから基礎化粧品メーカーということに加え、最近ではルウェー フォーミュラのハンドクリームのイメージがついていたのだが、実はヘアケアやメイクアップ製品も網羅する総合ブランドだ。(特にわたしにとって印象が強烈なのはフケ症の人の最終兵器という感じで、コールタールが入っているT/Gelシリーズのヘアケア製品だ。)

このニュートロジーナは、いつの間にかジョンソン・エンド・ジョンソン(以下「J&J」)の傘下に入っていたと思ったら、日本ではノルウェーフォーミュラだけを残して、基礎化粧品の販売をやめてしまった。日本での同グループの基礎化粧品の販売は、これまたいつのまにかJ&Jの傘下に入ってしまいわたしを唖然とさせたRoC一つに絞り込む気かしらん。それともある日ドカっと新製品が出てくるのかしら。しかし、いくら「日本向け」に処方を変えているとはいえ、RoCの米国と日本の価格差はあんまりです。御社の西神田のビルの1Fにも掲げられているOur Credoでももう一度じっくり読みなおして、どうにかしてくださいよ。顧客が最初で株主は最後ですからね。

そのノルウェー フォーミュラといえば「ノルウェーの漁師の…」がウリだけれど、最近TVで、ノルウェーの漁師の高待遇および漁業のハイテクぶりが放映されていた。すると、わたしがあげたノルウェー フォーミュラのハンドクリームを使っていた母がすかさず、「このハンドクリームは冷たい水を使った後の冷たくなった手には、モロモロと固くて全然伸びないのよね。でもあんな漁業をしているから、このハンドクリームでも大丈夫なのね。」いや、そういう意味の「ノルウェー フォーミュラ」じゃなくてさ…

まぁ、とにかくキリンさんがどんな風にギネスを売るか、興味津々ではありますよ。