巣窟日誌

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Gruss vom Krampus あるいは志村銀座のクランプス

2018-12-02 18:43:31 | 日記・エッセイ・コラム
「どうして志村銀座(東京都板橋区)にクランプスが?」という話はともかく、
まずは写真から。




クランプスという名の語源は、「鍵爪」だそう。






クランプスとは、中欧のクリスマスに出てくる
半分はヤギ、半分は悪魔の姿をした伝説上の生物。
起源はキリスト教より前にさかのぼるといわれている。


ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教でいう「天使」という存在は、
もとはそれぞれの地域の神様だったが、
それがより大きな宗教に飲み込まれる段階で
「天の使い」という地位になってしまったと聞いたが、
キリスト教が伝播し、勢力を広げる過程で、
クランプスもいつの間にかキリスト教の中に取り込まれたものらしい。


12月の最初の2週間に出没するのだが
地域によっては聖ニコラウス(実在した聖人で、
いわゆるサンタクロースの元になった方)に
同行して現れることが多い。、
聖ニコラウスが良い子にお菓子を与え、
一方クランプスが悪い子に罰を与える。

聖ニコラウスさん。


腰にカウベルなどの鳴り物をつけているので、結構な大音量。



ギャン泣きしていた子供たちもいました。


今年で4回目のこのイベント
まだまだ軌道に乗ったとはいいがたい。
特に併設のオーストリア物産展が上手くいっていないっぽい。

完全に無責任に言ってしまうと、
この際、オーストリア民芸品とドイツビールよりは
クリスマスマーケット気分をもう少し出した方が良いのかも。

わたしは、グリューワイン(今年はあったようです)のほか、
食べ物なら、シュネーバル(雪玉)とか、ランゴッシュとか
ブレッツェルとか、焼き栗とか。
ソーセージならカリーヴルストは外せない。
(かつて、ローテンブルクでシュバイネハクセを食べすぎたおかげで
シュネーバル食べそこなったわたしの、食べ物の恨みは続く…)

そしてクリスマスマーケットで買えるような、
綺麗なクリスマスのオーナメントをとろうそくを所望。


なお、本場のクランプスの様子はこちらから。
オールトリアはラートシュタットでのイベントのようだ。

Krampus (HD)


なお、昨年、聖ニコラウスは墓が発見された。
ご興味のある方は、ナショナルジオグラフィックの2つの記事をどうぞ。

サンタクロースの墓を発見か、トルコの教会の床下
サンタの歴史:聖ニコラウスが今の姿になるまで

また、最近、ついにオーストリアが
Googleストリートビューでみられるようになったのだが、
今なら、ストリートビューで
ザルツブルクのクリスマスマーケットをみることができる。