今年逝ってしまった近所のノラたちのうち数匹について、年が変わる前に少しだけ書いておこう。
クロコ(仮称)の娘である緑の目の「かっちゃん」は、小さい体で4匹の子供を産んだ。かっちゃんと同じ黒と白が3匹。真っ黒なのが1匹。
どの子も体が小さく、なかなか成長しなかった。かっちゃんは、わが家の庭で子供たちにお乳をあげていることが多かった。誰も庭に入ってこないからだ。
以前にも書いたように、かっちゃんは最期は自分を可愛がってくれるおじさんのもとに出ていって死んだ。その子供たちも、同時期に皆死んだと聞いている。
その正確な理由はわからないが、少なくともその1匹(わたしは「
アズキ」と呼んでいた)は、11月の寒い真夜中に道で倒れているところを、やさしい人間に拾われて看病された。だが、もともと痩せていて体力がなかったせいか、看病の甲斐なく翌朝死んだ。
真っ黒なためにわたしが「ヒジキ」と呼んでいたかっちゃんの子供の1匹や、かっちゃんの子供の中でもあまりにも小さくてどう見ても昔でいうところの「おミソ」とか「おマメ」とかの扱いだった「ゴマメ」については、知らない。
ハナグロの最期については、ついさきほど、人づてに知ることができた。1ヶ月半ぐらい前に、車に轢かれたらしい。
ハナグロは、かつてはわが家の庭に、シロサバとともに居ついていた。が、クロコの息子や娘たちが庭を占領するようになってから、シロサバとともに車の多い通りに近いほうにシマを変えた。それはわたしの通勤経路とは逆の方角であるため、9月の半ばから彼女を見ることはなくなっていた。
臆病なシロサバはあまり車道に出ることはなかったが、ハナグロかなり活発に動き回わっていたらしい。その結果、車に轢かれてしまったのだろう。ノラネコとはいえ、ハナグロは
あの愛嬌で、最期までかなりかわいがられていたらしいのが救いだ。
残されたシロサバは1匹で生きている。わたしは毎晩帰宅の経路を変更し、遠回りをしてシロサバに会い、彼女の元気な姿を見てほっとして家に帰る。
追記:大掃除のために普段は動かさないものを動かしていたら、積み上げた本の下になったスケッチブックの中から、わたしがかっちゃんを擬人化して描いたイラストが出てきた。多分今年の7月あたりに描いたものだろう。
わたしには、かっちゃんはこんな風にみえていた。