巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

今年のエニシダ…と、ネコ。それからGoogleマップとストリートビューの写真のことなど

2009-04-19 21:55:00 | インターネット (CMC)
昨年の春、急に花を咲かせて驚かせてくれたエニシダ(詳細は2008年4月19日の「庭の風景」を参照)が、今年はさらにパワーアップしてしまいました。高さは2m50cmぐらいになり、横幅も広がりました。(ただし、エニシダのまえに一緒に写っているノラネコは、エニシダが気になるわけではなく、昼寝の場所を探しているだけです。)

さすがにこのぐらいの大きさになると、道行く人は皆足をとめて、しばらく見入っています。

2009_scotch_broom_1


↓花は2種類です。(下の2枚はクリックで画像が拡大します。)
2009_scotch_broom_2

2009_scotch_broom_3

↓…と、写真を撮っ終わって振り返ってみると、いつもの2匹が来ていました。
Cats_04192009_1

シロサバにしては、めずらしい「ゴロスリ攻撃」。昨夜、ハナグロが20分近くもわたしの前で、ゴロスリ攻撃をしていたのですが、それを物陰からみていたのでしょうか。
Cats_04192009_2

◆◆◆


ところで、Googleストリート・ビューには、我が家と我が家の庭が明瞭に写っているのですが、その画像の中のエニシダの高さは1mもありません。撮影時期は周りの植物の状態から見て、1月終わりから2月半ばぐらいまで。ということは、我が家の周辺の画像が撮影されたのは、2007年の2月ぐらいということなんじゃないでしょうか。

で、Googleマップの我が家の航空写真ですが、この撮影時期は2006年の3月の中旬から下旬だと思われます。我が家は3年前に家を建て替えましたが、同じ敷地内の別の場所に新しい家を建てて引っ越し、その後、古い家を取り壊しました。航空写真には、新旧二つの家が同時に写っています。新しい家のほうは「一夜にして家の形になる」セキスイハイムなので、上からの航空写真では、建築工事の進み具合を測ることはできません。敷地内に家が2件あったのは2006年1月25日から2006年4月10日まで。そして周りの植物の様子を見ると、3月の中旬から下旬だろうなぁ…と。

ちなみに新しい家に引っ越して、古い家を取り壊してから1年半ぐらいは、Googleマップの航空写真は、敷地内に古い家のみが建っている状態のものでした。すでにないものが「現在」のものであるかのようにネット上に存在しているのは、なんか変な気分でした。









語学の録音教材

2009-04-14 22:29:04 | 英語
仕事柄、たまに以下のようなお願いをされることがある。

「英語を教えているんですけれど(または「勉強しているんですけれど」)、ネイティブに録音してもらいたいテキストあるので、誰か紹介していただけませんか? もちろんその方に謝礼はお支払いします」

そのようなときはたいがいは断るようにしている。その理由は適任者を探すのが難しいから。

ネイティブの発音なら誰でもいいってものじゃない。発音そのものの訛りの問題もあるのだが、それだけではない。

実は読むのが下手な人が多いんである。会話などはここまでダイコンになれるのかと思うほど棒読み。新聞の記事などは、ホームページリーダーがニュースサイトを読み上げたもののほうがまだましだろうと、思ってしまえることもあるほど。要するに、録音するに足りる読み方ができる人が、少ないのだ。

一方、録音教材を使い倒そうとする人の中には、一つ一つの発音はともかく、気合いを入れまくると、録音された声のピッチだのレイトだの間の取り方だのまで、全部まねしてしまう人もいる。そんな場合に、そもそもの教材が悪いと、大変お気の毒な事態となる。

さて、「棒読み英会話」の恐ろしい録音教材が、かつて私が勤めていた英会話学校には、テキストの副教材としてあった。時代はカセットテープ。そしてもちろん数千円と有料である。わたしはその録音を聞いたことなく、カウンター営業がメインだから、会社の方針もあって生徒さん達に薦めしていたのだけれど、あまり売れなかった。今となれば売れなくてよかった。

ある日、レギュラーのスクールでの授業に加えて、新しく企業レッスン(こちらは相手企業を訪問してレッスンを行う)も担当することになった講師が、カセット教材を手に深刻な顔でわたしに言った。

「このカセット教材の録音、聞いたことある? 信じられないほど棒読みだぜ。まったく使えないよ。」

この講師は日本の某大手経済紙(って、いったら一つしかないよね)の初級英会話クラスを担当することになり、そのクラスの生徒たちにこのテープを副教材として勧めてみようと、初めてこの数千円なりのテキストの会話の録音テープを聞いてみた。聞いてみて、男2名の会話のあまりの棒読みぶりに、おもわずf-wordがたて続けに口からでてしまったらしい。

当時、その某大手経済紙の英会話クラスを担当していたのは、わたしがそのとき務めていた会社ばかりではなかった。数社が様々なレベルを受け持っていたらしく、わたしが勤めていた会社の場合は、わたしの上司の営業努力の甲斐があって、「まずはお試し」的に1クラスを与えられたものだった。だからここで何か粗相があったら切り込み隊長としてのこの講師の責任は重大だし、第一こんな棒読み教材をもっていくなんて、この講師自身のプライドが許さない。

というわけで、この講師は、週末に別の競合他社の英会話学校に勤めている友人に食事をふるまって、この友人と二人でテキストの会話を録音しなおし、それをダビングして企業レッスンで配ったらしい。そういうことが本部にばれると「正規のテープを使え」だの「無料で配らず、ちゃんとお金を取れ」だの騒ぎになるのだが、もちろんそんなことは誰も本部へ洩らさなかったので、なにも起こらずに済んだ。


ところで、同じ教材でも、誰が録音するのかによって随分印象が変わってしまうものだな…と、最近、ほぼ同じ教材の異なる録音を聞いて思った。

その教材とは、ひとつはいつぞやちょっと記事に書いた日向清人氏の2004年春のNHKラジオの「ビジネス英会話」。もう一つはこのプログラムを元に、この日向氏が一冊の本にまとめて2007年にDHCから出版した『即戦力がつくビジネス英会話―基本から応用まで 』

DHCから出版された本は、NHKのプログラムの中にあったStudy Notes、Business Writing、Business Vocabularyは割愛されてるものの、あの半年のプログラムをよくもまぁきれいにコンパクトにまとめたものだと、びっくり。そして「たしかこの表現に似たものを先月かその前の月あたりに、やったことがあるぞ」というようなものに関しては、NHKのテキストではフォローがされていなかったのだが、DHC版ではきちんとテキスト内で注意書きが加えられている。おお、すばらしい。

が、録音されたDHC版のCDには、NHK版にあったあのお気に入りの部分の印象が変わってしまって、不満が。

変わってしまってがっかりしたお気に入りの部分とは、以下の2つである:

  1. 部のミーティングの冒頭で、部長がその会議の基本ルールを決めておこうと「まずは、このミーティングは英語で通すこと」といったことに対して、参加者がしぶしぶ「はぁい」と答えるところの、その答え方の「いかにも嫌だ」という感じが、NHK版の録音のほうが真に迫っている。

  2. 防災訓練の打ち合わせをするCAOの女性の妙にハイパーなしゃべり方も、NHK版のほうが楽しかった。そうそう、CAOって普段は完全に裏方だものね。もと総務の責任者(で防火管理者)としては、あんなに張り切ってしまう気持がわからないでもない。


まぁ、英会話教材をこんな角度で見ている人間もいるということで…

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↑この本のバナーを貼っておきました。ちなみに、このテキスト内にあるような状況は、金融庁の立ち入り検査とか、契約書の交渉でごちゃごちゃになったとか、わたしも大体は経験済みです。で、経験から、このテキストにある表現は、かなり役に立つと言えると思います。著者も言っているように、この本の表現は、仕事で英語を使うのならば、最低限すべてスラスラと使えるようになっておいたほうが良いと思いますよ…って、私も全部使えるわけじゃあありません。




結核

2009-04-11 19:49:00 | 美容と健康
知名度のあるお笑い系芸能人が肺結核に罹ったために、いまさらのように結核がクローズアップされた。この病気は日本もしっかり生きているし、世界ではいまだに大問題であり特に貧しい国では死にいたる病である。が、過去の病気であると思われがちだ。

いまから10年前、大学院の英語プレゼンの授業で、Informative Presentationのネタにこまった私が取り上げだのがTB。つまり結核(= tuberculosis)。国際政治経済学の分野にふさわしい話題だったかどうかはわからないが。

なぜ結核を取り上げたのかというと、それに先立つ数年前、親戚の1名が結核にかかり、結核の専門病院に入院しての治療の末に最後に手術で肺の一部を切除するという結果になったからだ。この親戚は発症当時はまだ40代。親戚一同、はじめに病名を聞いた時は耳を疑ったものだ。
さて、この親戚が最後に手術をしたのは、使用した数種類の抗生物質があまり効かなかったためだった。つまり、多剤耐性結核(MDR-TB =multi-drug resistant tuberculosis)といわれる結核だったわけで、最後には物理的に肺の中の結核菌の温床となる部分を取り除くことで「決着をつける」(主治医のセリフ)ことになった。

結核の新薬はなかなか出にくい。数年前に「40年ぶりに有望な結核の新薬が開発された」というという話があった。それまでにも、結核の耐性菌についてはかなり長い間、ずっと問題になっていたのだが。

新薬がなかなか出ない理由の1つは明白だ。それは「結核の新薬の開発は儲かりそうにない」からだ。

結核菌を持つ人は多い。(わたしも子供のころのツベルクリン反応は常に陽性だった。)しかし結核の発症には、その人間の栄養状態が大きくかかわってくる。その結果、単体の病気として結核が発症するのは、貧しい国の人々あるいは、貧困層の人々が多い。こういう人々は、薬にお金をかけられない。(ちなみに件の親戚の場合は一人暮らしで、夏に暑くて食欲がないときに、食事をとらずにビールばかり飲んでいたらしい。「麦から作られたんだから、それなりの栄養はあるはずだ」と、思っていたのだそうだ。)

これが「いくらでもお金を払えます」というような富裕層も罹る病気、(たとえばHIV/エイズ)のようなものだと、研究機関も製薬会社も新薬の開発にモリモリと力が入るらしい。

結核が問題になるもう一つの局面は、HIVキャリアのエイズが発症し、この患者の免疫能力が低下した場合だ。この場合、健康な状態では発症する可能性が低い結核が発症する危険性が高くなる。お金があれば、HIV治療薬のおかげで、結核菌を持っていたとしても発症しないですむ可能性が高い。しかし、豊かではない開発途上国の人間がHIVキャリアになってしまった場合、お高いHIV治療薬には手が出せず、エイズが発症して免疫機能が低下し、その結果、結核が発症する。ゆえにエイズと結核はしばしば”deadly combination” (致命的な組み合わせ)といわれる。