巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

家が樹々に近いということは…

2006-04-29 00:28:14 | 日記・エッセイ・コラム
「サクラ」では、公園に面した新家屋がいかに公園のサクラの樹に近いかをお見せしたが、実はこの家は公園のカエデの樹々にも近いのである。

わたしの部屋に入った人はみな、部屋の南側の窓の外(下の写真のような光景)を見て、口々に言う。
「癒されるでしょう。」

Momiji_spring_2

部屋の東側の掃きだし窓からバルコニーへ出て、なおも言う。
「これだけの自然があるなんて、すばらしいですね。」

Momiji_spring_3

しかし、カエデの緑に圧倒されて、感激している者どもよ。よーく目を凝らして見よ。カエデの樹の周りに、実にたくさんの虫が飛び交っているのを。

家がこうした樹々に近いということは、この虫たちが家の中に入ってくる可能性があるということだ。

昼間はかろうじて網戸が虫たちをブロックしているが、朝晩のシャッターの開閉時にのわずかの間に虫が入ってしまう。それもなぜか入ってくるのは、カメムシが多いのだ。

当初は「まさかカメムシのはずがない」と根拠なく考えて、手で触ってエラい目にあってしまった。これ以上、カメムシが入ってくるようなら、カメムシキンチョールの購入を検討せねばなるまい。

まぁ、秋は紅葉がすばらしいだろうが、サクラ同様、バルコニーの掃除が…

(↓それにしても、うーん、さすがに虫は写真には写らないですね。でもブンブン飛んでいます。カエデの花が盛りだった先週は、虫たちの大群でエライ状態でした。)

Momiji_spring_1









物置において大量殺戮の由

2006-04-26 01:26:51 | 日記・エッセイ・コラム
古い家の解体とともに、家の裏庭にあった4畳ぐらいの広さの物置(やっぱりイナバ)を壊した。

壊すために物置を片付けていて、ふくしま家では伝統的に壊れたり使われなくなったりしたものを捨てずに全部物置の中に放りこんで、これを「片付け」と称していたことが、よくわかった。

新家屋に移るにあたり、家の中からも大量の粗大ゴミが出たが、それに加えて物置からもあまりにも大量の粗大ゴミが出てきた。

こういう場合、民間の業者に出すと、結構お金がかかる。しかも中には悪徳業者もいる。というわけで、セッセとインターネットで自治体の粗大ゴミの回収を申請した。ネット経由での申請は1回の申し込みに付き粗大ゴミ10点までとなっているため、同日の回収のために何回も申請することになった。

しまいには「粗大ゴミがダブって申し込みされているようですが…」との確認の電話が来てしまったほどが、決してダブって申請したわけではない。扇風機4台、石油ファンヒーター4台、ラジカセ4台、布団乾燥機2台、カーペット3枚、ステレオ2セット…なんていうのが家の中の収納部分や物置からバラバラに出てきて、そのたびに細かく申請していたのだ。

扇風機のごときは、昭和40年代初期に買ったヤツまで出てきて、これが昔のものだから異様に重いのなんのって。もちろん動かない。こんなものを後生大事に物置にしまっておくヤツのツラが見たい。(鏡をのぞけば、そのツラが見えるのだが。)

そんな物置の中の粗大ゴミでもっとも大変だったのが、使用しなくなったマックのQuadra 840AVとソニーのレーザーディスクだ。両方とも購入時のダンボール箱と発砲スチロールを使って手厚く再梱包し、物置の片隅に置いてあった。

この2つの箱を開けたときの衝撃といったら、まるでホラー映画。

なんと、ゴキ○○(嗚呼、そのフルネームを書くのもおぞましい)の巣になっていたのだ。どうやらダンボールと発砲スチロールと本体の作り出す狭い環境が、彼らにとってはこの上もなく快適なものだったらしい。

全国、いや全世界のマックファンにはQuadra AVを粗大ゴミ扱いにしてしまって誠に申し訳ないのだが、実はこちらのほうはまだマシだった。出てきたのは大量のフンと数十匹の死骸だったから。(ちなみにゴキ○○のフンには誘引フェロモンが含まれており、これがご同類を呼び寄せるとのことだ。)

でもね、レーザーディスクのほうには、フンと数十匹の死骸に加え、5mmから1.5cm大のまだ生きていてジューシーなヤツが、春眠暁を覚えずとばかり眠たげにノタノタ動いているわけ。しかもこちらも数十匹単位で。うわぁぁぁぁぁん!!!

一寸の虫にも魂

いや、それはわかっているよ。でもどうしても、どうしても、生理的に受け付けられないものも、世の中にはあるんだ。

もう半分パニックになって、半泣きになりつつも士気を鼓舞すべく「ラクカラーチャ! ラクカラーチャ!」とうたいながら、急遽ゴキジェットプロを大量噴霧。それでもなお動いて地面に逃げ出したローチ (roach = cockroachのこと)どもを靴で踏みつけてせん滅。彼ら/彼女らの視点では、毒ガスと破壊兵器使用のジェノサイドかもしれないが、ゴメン、さすがに君たちとの共存共栄はできかねるのだよ。

その夜は、恨んだ彼らが夢枕に立たないか…もとい…夢枕に這わないかと、ビクビクものだった。

で、新しく物置を作るか作らないかの話になったが…

大型物置設置を禁ずる! 大きな物置を作ったら、またきっと不要なものを物置に押し込んで、そしてビートル(beetle =black beetleのこと)どもが繁殖して…

いとおぞまし

(ちなみにQuadra AVは粗大ゴミにはならない。PCはリサイクルしなければいけないから。というわけで、しかるべき場所に引き取られるまでは新しい家の中にある。殺虫剤を大量に噴霧された後に厚いポリ袋で厳重に密封された姿で。)


ニヒヒヒヒヒヒィ

2006-04-19 22:26:49 | ノラネコ
40年近く住んだ家の解体が昨日終わった。

「モノには皆それぞれに魂が宿っている」という古来の考え方を尊重するわたしである。解体の前日には旧家屋の四隅に盛り塩をし、柱に酒をふりかけ、感謝の意を込めて手を合わせて家に祈った。

しかし目の前で徐々に家が壊されていっても、感傷よりは「へぇー、こうやって壊すんだ」と感心するほうが多かったし、旧家屋のちぐはぐな造り(立派なものと安普請が1軒の家の中に同時に存在する)に、あらためて笑ってしまったものだ。

とはいうものの、やはり解体は精神的に応えたらしい。解体が始まるタイミングで、わたしは大きく体調を崩してしまい、解体が始まって3日目に変な夢をみた。

さて家の解体は人間ばかりでなく、家を自分のテリトリーと考えるノラネコの心にも多大なる影響を及ぼしたようである。考えてみれば人間の側は、お願いしてお金を払って解体してもらうのだが、ネコにとっては自分のテリトリーに知らない人間が入り込み、その場所を完全に破壊されてしまう行為に他ならない。

解体の初日の朝、解体業者が足場を組んでもなお、ノラネコのゴキリョウはいつものように、旧家屋の2階のベランダに陣取っていた。ところが、業者が玄関や窓を全開にして入っていったとたん、他のノラネコ数匹が職人さんの後について家の中に乱入してしまい、おかげでゴキリョウは家を追い出された形になった。しかも、解体の第1日目に、ほぼ全ての部屋のドア、ふすま、窓、畳のほかにゴキリョウの居場所たるベランダを取り外してしまった。

こうなると彼女に帰る場所はなく、彼女はあわててわが家の敷地に隣接する公園に逃げ込んだ。で、ここからゴキリョウは予想外の行動を取り始めた。

ネコ嫌いの母の話によれば、母が庭に出て作業をしているときに、公園側に隠れていたゴキリョウが母を見つけた。何を思ったのかゴキリョウは、公園とわが家を隔てる高さ1.4mのネットフェンスを必死の形相でよじ登り、母の近くに来て何かを訴えるようにニャーニャーと鳴きはじめた。

この近所にノラネコは多いが、このネットフェンスをあえて越えようとするネコはいない。そしてゴキリョウは愛想のないネコで、母やわたしやその他大勢の人間に向かって鳴いたことはない。(ノラネコをかわいがっている一部の人間には、鳴いていたらしいが。)

その話に半信半疑だったわたしが庭に出ると、どこからかゴキリョウが現れて、鳴き出した。近寄ると逃げてしまう。でもまたすぐに近づいてきて鳴く。これの繰り返し。

以来、ゴキリョウはわたしや母が庭に出ると、いつの間にかやってきて、鳴き続ける。実は「ニャーニャー」というよりは息が喉から漏れるような声で、弱弱しく「ニヒヒヒヒヒヒィ」と鳴く。抗議しているようでもあり、嘆き悲しんでいるようでもある。「あたしの家がなくなってしまった。あたしの家が、家がぁ…」と。

あまりにも気の毒で申し訳ないので、母と相談の末、ゴキリョウに「ふくしま家の庭の使用許可」を出しておいた。許可が出ようが出まいが、いずれにせよ今日もまた彼女はやってきて、ニヒヒヒヒィと言っているのだが。


「ネコ」ポリス その69

2006-04-08 00:09:07 | ノラネコ
ベランダから、ニンゲンさまの部屋の様子をうかがうノラネコのゴキリョウ。必死になって掃除をしているニンゲンの姿が、興味をひくらしい。

Cat_69


市販の激安のレース・カーテンを、窓のサイズをきちんと測らずに買ったところ、窓に対してカーテンの丈が短すぎた。この短さゆえに、風のぐあいによっては、ネコが下から部屋の中をのぞき込める状態になってしまっている。

教訓その1:カーテンの丈は、窓のサイズよりも長めでなければならない。さもないと、ネコがのぞきにくる。

レースのカーテンの丈の短さで懲りたわたしは、次に窓より長めと思われる遮光カーテンを買った。しかし、またもや窓をきちんと測らずに買ったので、とりつけたところ写真のような状態になってしまった。

教訓その2:窓のサイズをきっちり測ってから、カーテンを買いに行こう。長すぎるカーテンも見苦しい。



「ネコ」ポリス その68

2006-04-07 02:39:44 | ノラネコ
住まいは新しいほうに移ったが、まだまだ旧家屋の片付けは終わらない。今日も旧家屋の掃除をしていると、あのゴキリョウがやってきた。

窓の外から部屋の中をのぞきこみ、ヒトがいなくなるスキをうかがって入り込もうとする。

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警戒感が全身にみなぎっている。

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Cat_68cあいかわらず、目つきがワル… 顔の模様も変だが、どんな状況でも常にかすかに見える舌も変だ。

瞳の色はグリーンがかっており、そこがチャームポイント(←半死語か?)といえないこともない。