巣窟日誌

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"How old were you fifty years ago?" "Seventy-two."

2011-08-22 22:07:52 | 映画・小説etc.
レイ・ブラッドベリが半自伝的小説「たんぽぽのお酒」を映画化

2011年8月22日 11:19
 [映画.com ニュース]8月22日、91歳の誕生日を迎えた米作家レイ・ブラッドベリが、半自伝的小説「たんぽぽのお酒」の映画化をプロデュースすることがわかった。

 1957年に発表された「たんぽぽのお酒(原題:Dandelion Wine)」は、1928年の米イリノイ州グリーンタウンを舞台に、12歳の少年ダグラス・スポールディングがひと夏に体験した出来事を描いたファンタジー小説。

 米ハリウッド・レポーター誌によれば、ブラッドベリはこのほど、「ブラック・スワン」「シャッターアイランド」で知られる米フェニックス・ピクチャーズのプロデューサー、マイク・メダボイと組んで、同作の映画化にあたるという。脚本を、ウクライナ出身のロディオン・ナハペトフが手がける。監督、キャストは未定。

 ブラッドベリは、今回の企画について「望みうるかぎり最高の誕生日プレゼント。今日、私は生まれ変わる!」とコメント。そして「『たんぽぽのお酒』は私の最もパーソナルな作品で、純粋な喜びと恐怖を同時に呼び起こす。少年時代の私自身、そして忘れがたいひと夏の魔法の物語であり、いまもなお私を不思議な力でとらえて離さない」と作品への思い入れを語った。




うれしい。これは是非是非実現を。

eiga.comの記事にもあるように『たんぽぽのお酒』 ("Dandelion Wine" 1957年))は、ブラッドベリにとって極めてパーソナルな作品で、おそらく作者本人の子供のころの体験が色濃く反映されていると思われる。主人公の男の子の名前ダグラスは、ブラッドベリの本名レイモンド・ダグラス・ブラッドベリからとられている。

わたしは小学生のころからブラッドベリの作品のファンであり、当時出版されていたブラッドベリの作品の訳本のほとんどを読んでいた。が、『たんぽぽのお酒』は訳書があるにもかかわらず読んだことがなかった。その理由は簡単。文庫本になっていなかったからだ。高校生のわたしには、文庫本しか買えなかったからだ。

そのため、この物語は、最初は目からではなく耳から入ってきた。FM東京の音の本棚という番組の中でラジオドラマ化されたものを聴いたのだ。


耳から入る物語というものは、時に聞き手に大きなインパクトを与えるものだ。『たんぽぽのお酒』もそうだった。

当時のわたしには、ベントレー夫人の話の回はひどく恐ろしかった。72歳の女性が、自分にも少女のころがあったことを、少女たちには信じてもらえず、最後には自分の過去一切を否定してしまう話だ。

ベントレー夫人自身が、ついには、自分はずっと72歳であり(このエントリーのタイトルにあるように)50年前も72歳であり、自分には「ヘレン」というファーストネームはなくずっと「ベントレー夫人」という名だったのだと自分に言い聞かせて少女たちにも語るくだり。子供に目の前の老人の子供時代の存在を信じることができないことが実際にあるのかどうかはともかくとして、あれは子供の持つ悪意のない残酷さがよく表れていた話で、わたしはその回を聴いたあとに一晩中涙が止まらなかった。


Dandelion_wine翌日わたしは学校の帰りに神保町に向かい、当時の小遣いからの出費としてはたいそう痛い額を払って、晶文社から発売されていた日本語のハードカバーを買った。

現在では、こういう話は原文で読むほうが楽なので、家にあるのは黄ばんだペーパーバックだが、数年に一度発作的に読みたくなり、そのたびに読み返している。


ところで、20世紀フォックス。ブラッドベリの『火星年代記』の映画化権を買ったのなら、さっさと映画化しなさい! いいですか。ちゃんとですよ! 完成作品をちゃんとブラッドベリに観てもらいなさい!


まったく、米国の映画界ときたら。『サウンド・オブ・サンダー』なんて、後回しでいいのに。

(ちなみにブラッドベリは、ジョン・ヒューストン監督の『白鯨』(メルヴィル原作)の脚本を担当している。)



動物取扱業の適正化について(案)に対する意見の募集…メールがバウンス

2011-08-21 20:15:00 | 日記・エッセイ・コラム
平成23年7月28日

動物取扱業の適正化について(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ)

 現在、「動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号、以下「動物愛護管理法」という。)」の見直しを行っています。それにあたって、動物取扱業の適正化について、平成23年7月28日(木)から平成23年8月27日(土)まで、広く国民の皆様の御意見を募集いたします。


 動物愛護管理法は、昭和48年に制定され、その後平成11年、17年の2回改正されています。
 平成17年改正法の附則第9条において、「政府は、この法律の施行後5年を目途として、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とされています。これに基づき、平成18年6月の改正法施行5年後に当たる本年、動物愛護管理法の施行状況の検討を進めています。
 検討に当たっては、課題として取り上げるべき事項が多岐にわたっていることから、中央環境審議会動物愛護部会のもとに「動物愛護管理のあり方検討小委員会」を設置し、平成22年8月から議論を進めてきました。
 今回、同小委員会において、「動物取扱業の適正化」にかかる議論を統括しましたので、その内容について、広く国民の皆様の御意見をお聞きするため、別添1の意見募集要領のとおり郵送、ファクシミリ及び電子メールにより、平成23年7月28日(木)から平成23年8月27日(土)までの間、パブリックコメントを行います。
(環境庁 報道発表資料より)


このようなパブリックコメントの募集は、かなり地味に行われる。そのため、九電の例を挙げるまでもなく、かつては募集が利害関係が直接ある側にのみ浸透し、関連業界の組織票がモノをいう場合が結構あった。

この動物取扱業の規制に関するパブリックコメントも、5年前の前回は、ペット業界団体の組織票とみられる意見が圧倒的に多かったため、規制強化が見送られたと聞いている。が、今回はネットが発達したこともあって、動物の愛護団体や一般の人たちの中にも、その存在を知り、意見を送ろうという人が増えている。わたしもその一人だ。


さっそく、動物取扱業の適正化について(案) と、One Action for Animals パブリックコメントについてを読んで、意見書を作成。(後者のサイトには作成の参考になるひな形がある)
Eメールにて送ったところ、

ガーン。

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先方のメールボックスがあふれたとかで、何とメールがバウンスしてしまった。力作だったのに!

ということは、かなりの量のメールがいっているらしい。こうなると「ファックスも用紙切れで、ファックスのメモリー機能もいっぱい」などということになっているかもしれない。面倒くさいからここで諦める? でも規制の設定に反対する側は万難を排して送るだろうから、わたしもここで投げ出さない。この歳の(え? どの歳の?)女は、こんなことではめげないのよ!

というわけで、メールで使った本文を、文書用に修正してフォーマットを整え、郵送用に切り替えて作成。(やっぱり筆不精には、はがき印刷ソフトの封筒宛名印刷機能は、便利だねぇ。わたしは「筆まめ」っす。)気合が入りすぎて、使用した用紙はウォーターマーク入りのA4のクーリエオイスター。印鑑を押した送付状をつけて投函。

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なお、パブリックコメントを送ろうという人は、意見募集要項にある様式を守り、期限(今回は8月27日)必着を守らないと無効となるので注意。

(ちなみに、封筒の下のキーボードは「東にプレ、東プレ」さんのREALFORCE108USよ。)