世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(140)

2023-09-08 00:00:00 | Weblog

 

18日から新たに①車載電池の部品の一定割合を北米でつくる②電池に使う希少金属など重要鉱物の一定割合を米国や米国が自由貿易協定(FTA)を結ぶ国などから調達する、という2つの条件を適用する。新たな要件が加わるため、販売支援のハードルは高くなり、対象車種数もこれまでの14車種から11車種に減った。 

 

メーカー別では、最大手テスラの主力車種「モデルY」「モデル3」に加え、米ゼネラル・モーターズが6車種、同フォード・モーターが3車種という内容になった。対象車種すべてを米国メーカーが占めた。 

 

一方、歳出・歳入法の要件のもとでも、これまでは税優遇の対象になっていた日欧韓のEVはすべて対象から外れた。日産自動車のEV「リーフ」が外れたほか、韓国・現代自動車と独フォルクスワーゲン(VW)のEVも税優遇を受けられなくなった。いずれも、車載電池に関する条件をクリアできなかったためとみられる。 

 

 

米国では4万〜5万ドルがEVの売れ筋になっている。最大7500ドルの税控除は価格競争力を維持するうえで無視できない。米国外のメーカーは今後、税優遇を受けるために北米生産を加速したり、調達網を見直したり体制整備を急ぐことになりそうだ。 

 

電池を巡る要件の追加は、米国勢にとっても厳しいものになっている。新興企業リヴィアン・オートモーティブのEVは対象外となった。テスラについても、モデル3の一部グレードは支援額が7500ドルから半分の3750ドルに減額となった。 

 

それでも、リストはすでに北米に生産・調達基盤を持つ米国メーカーが優位な結果になっている。歳出・歳入法のもとでの米政府のEV販売支援策を「米メーカーへの過度な優遇措置」と批判してきた日欧韓の政府の反発が強まる可能性がある。 

 

【関連記事】 

 

・出遅れの日本メーカー、米規制が迫るEVシフト 

・北米のEV生産、日本勢は1%未満 供給網の構築急務 

・米EV税優遇、輸入完成車見送り 日本車は米国生産急ぐ 

多様な観点からニュースを考える 

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。 

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN17CCA0X10C23A4000000/ 

 

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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(139)

2023-09-07 00:00:00 | Weblog

調査会社のマークラインズによると、トヨタなど日本車メーカー6社の米国での販売シェアは2022年で3割強に上った。トヨタ自動車が15%、ホンダが7%だ。だがEVに絞ると販売車種は日産自動車の「リーフ」などに限られる。ガソリン車やハイブリッド車(HV)が主体で現状、EVの生産・販売体制はほとんど整っていない 

 

米国でEVに税優遇する歳出・歳入法(インフレ抑制法)が22年8月に成立した後、日本車メーカーは米国でのEV一貫生産体制の構築を急いでいる。 

 

トヨタケンタッキー州の工場の生産設備を改修し、ガソリン車と一緒にEVも造れるようにする。まずは多目的スポーツ車(SUV)を25年中に月約1万台生産し、26年以降は年20万台規模に引き上げる。米国で生産する車の2割近くがEVになる見通しだ。 

 

 

ホンダはオハイオ州の主力工場でラインを改修し、同工場で造ったEVを26年に販売する。同州の別の工場でもEVを生産できるようにするほか、エンジン工場では車載電池のケースを生産する。日産も26年から順次、ミシシッピ州の工場で高級車ブランド「インフィニティ」を含む新型EV4車種の生産を始める。 

 

完成車の税優遇の対象は北米に限られた一方、車載電池は材料の一部が日本で採取、加工された重要鉱物が優遇対象となる。電池サプライチェーン協議会(BASC)の森島龍太・業務執行理事は「これを機に日本として米国市場に臨みたい」と話す。 

 

日本自動車工業会の豊田章男会長は「重要鉱物の供給網確保に向け、日米の協力関係が維持・強化されることを歓迎する」と述べた。伊藤忠総研の深尾三四郎上席主任研究員は「重要鉱物がどこで採取されたかなどを把握するためのデータ基盤の構築も急ぐ必要がある」と指摘する。 

 

日本メーカーは1970年代に顕在化した日米貿易摩擦を契機に、米国の現地生産を進めてきた。各社は現地で部品調達網も構築した。ホンダの場合、北米での部品調達率は主力車種で約80%となった。 

 

日欧などは引き続き輸入車への優遇拡大を訴える考えだが、実現は不透明だ。ガソリン車やHVで進めた現地生産体制の構築ノウハウはEVでも生きる可能性があるが、欧米メーカーのEV攻勢は激しく高シェアの維持には難路が予想される。 

 

【関連記事】米EV優遇の要件一部緩和へ、日本の重要鉱物利用も対象 


https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC316OG0R30C23A3000000/ 

 

 

米EVの税優遇、米3社11車種のみ 日欧韓すべて対象外に 

北米2023年4月18日 5:34 (2023年4月18日 13:01更新) 

 

新たに税優遇の対象になるEVはテスラ、GM、フォードの車に限られた 

 

【ニューヨーク=堀田隆文】米政府は17日、消費者が電気自動車(EV)を購入する際に、税優遇の対象となる車種の新たなリストを明らかにした。対象はテスラなど米国メーカーの11車種に限られ、日欧韓メーカーの車はすべて外れた。米政府はEVを巡って北米での生産・調達を最優先としており、対応が遅れる米国外メーカーは厳しい競争環境に置かれている。 

 

米政府は自国市場のEVについて、消費者が最大7500ドル(約100万円)の税額控除を得られる販売支援策を採っている。2022年8月成立の歳出・歳入法で支援対象を北米生産車に限るなど新たな要件を定め、段階的に適用してきた。4月18日から新たな要件を適用するのにあわせ、対象車種も更新した。 

(続く)

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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(138)

2023-09-06 00:00:00 | Weblog

なお、日本は米国とはFTAを締結していないので、日本からバッテリーの重要鉱物を調達しても税の優遇措置は受けられないことになるが、そこは緩和をされて日本の重要鉱物利用も税優遇の対象となったようだ。 

 

米EV優遇の要件一部緩和へ、日本の重要鉱物利用も対象 

北米2023年3月29日 0:04 

USTRのタイ代表らが協定に署名した=AP 

 

日米両政府は28日、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化に関する協定を締結すると発表した。これを受け米国は歳出・歳入法(インフレ抑制法)による電気自動車(EV)普及支援策を受ける要件を緩和する。日本で採取、加工された重要鉱物を使った場合でも税優遇の対象となる見通しだ。 

 

冨田浩司駐米大使と米通商代表部(USTR)のタイ代表が28日、ワシントンで協定に署名した。協定には対象とする鉱物としてコバルト、グラファイト、リチウム、マンガン、ニッケルの5種を明記した。 

 

2022年8月に成立した米国のインフレ抑制法は購入時の税控除を受けられる対象を北米で最終的に組み立てられた車に限定している。そのうえで電池に使うリチウムなどの重要鉱物の一定割合を米国か、米と自由貿易協定(FTA)を結ぶ国から調達することを要件としている。 

 

日米間では日米貿易協定を結んでいるものの、同法上は日本をFTA締結国と見なしていなかった。日本は同年11月に「有志国との連携で強じんなサプライチェーンを目指す戦略と整合的ではない」との意見書を米国に提出し、優遇措置の見直しを求めてきた。 

 

米政府が今回、一部の要件緩和に応じるのは、EVに使う重要鉱物は米国内ではまかないきれず、同盟国との協力が欠かせないとの判断がある。同盟国からの反発も相次いでおり、摩擦を極力抑えることも狙っているようだ。 

 

USTRのタイ代表は声明で「弾力的で安全なサプライチェーンの構築に対するバイデン大統領のコミットメントを証明するものだ」と強調。西村康稔経済産業相も閣議後の記者会見で「同志国との連携による強靱(きょうじん)なサプライチェーンの構築を目指す」と話した。 

 

米政府は欧州連合(EU)ともEVに使用する重要鉱物について貿易協定を結ぶ交渉を始めた。歩み寄る姿勢を見せているものの、同法を巡る米国と同盟国・友好国の溝は完全には埋まっていない。対象を北米で組み立てた車に限定する条件は残る。日本や韓国、欧州などはこの措置にそろって反発し、見直しを求めている。扱いは引き続き協議する。 

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA286WS0Y3A320C2000000/ 

 

 

とは言うものの、税優遇を受けるために日本各社は米国でのBEVの現地生産に 

急ぐ必要がある。完成車輸入は諦めて急いで現地生産に取り掛かる必要があると言うこと。これは一大事である。これにマッチする日本車は一台も米国では生産されていないからだ。しかも税優遇を受けられるBEVは、日欧韓すべて対象外となっているのて、抜本的に電気自動車の開発をそのように進めて、現地生産に取り掛からなければならないわけだ。 

 

 

米EV税優遇、輸入完成車見送り 日本車は米国生産急ぐ 

自動車・機械2023年3月31日 22:00 

 

ホンダは米国でのEV販売に向け、メアリズビル工場(オハイオ州)の生産ラインを改修する 

 

日本や欧州などが求めていた北米以外で生産した輸入電気自動車(EV)税優遇適用について、米財務省が見送ると発表した。トヨタ自動車など日本車メーカーは主要市場の米国でのEVシフトをにらんで現地生産の準備を進めているが、商品化では出遅れた。高いシェアを維持するために米EV生産立ち上げを急ぐ必要に迫られる。 

(続く)

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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(137)

2023-09-05 00:00:00 | Weblog

日本メーカーが取り組むべき課題 

 

これまで米国の自動車といえば、ピックアップトラックなどの大型・大排気量の内燃機関車が活躍しているイメージでした。ところがFordの新型EVピックアップトラックであるF-150ライトニングは2021年末で20万台、対するシボレー シルバラードEVも2022年7月に15万台と、生産開始前にもかかわらず数年の生産分を受注。米国でもEVが受け入れられていることを示しています。 

 

一方でマークラインズ株式会社が発表している2021年の米国の販売実績を見ると、合計約1,508万台のうち、日本メーカーが約580万台で4割近くを占めています。その米国は「2030年にEVシェア50%以上」という目標を掲げており、迅速にEVへの移行を進めています。米国での4割近くのシェアを失わないためにも、まずは魅力的なEVを作ることが最優先です。 

 

さらにメイドインアメリカ条項に対する要件緩和を求めると同時に、要件に当てはまるように最終組み立て工場を、そして電池の製造や材料についても北米や自由貿易協定の締結国からの供給体制を整備する必要があります。例えばテスラではカナダやオーストラリアなどから電池材料の供給を増やして脱中国を進めていますが、国内メーカーも同様の取り組みが必要になるでしょう。 

 

日本政府も2035年の「電動車100%という目標を発表していますが、これは諸外国の基準であるEVのみ、またはEV+PHEV(プラグインハイブリッド車)やFCV(燃料電池車)とは異なり、内燃機関を搭載する通常のHV(ハイブリッド車)も含まれるもの。加えて未だに目標を達成するための具体的なロードマップや、EVのシェアも示されていません。国内・国外の両方に対して「日本もEVに本気だ!」ということをアピールするためにも、国として早急に具体的な目標を示す必要があるのではないでしょうか。 

 

(文/八重さくら) 

 

https://blog.evsmart.net/ev-news/about-inflation-reduction-act/ 

 

 

米国は2032年モデルでのCO2排出量として、2026年モデルから56%も減らせと言った削減案を提示している。乗用車だけを見れば、52%減の数字となる。 

 

CO2排出量は乗用車と小トラの合算値で、2026年モデル186gpmから2032年モデル82gpmとなるので、その減少幅が56%削減となるもので、相当厳しい値となるわけで、これを達成するためには、LDV:Light Duty Veihcle では、67%BEVかFCV orPHVなければ達成出来ない数字だという。 

 

2032年には、70%近くがBEV(かFCV,PHV)でなければならないことになる。米国では、新車販売のほとんどが電気自動車になるということである。 

 

その上で、このBEVに関しては(税額控除の優遇を受けるためには)、 

・北米で組み立てられた車両に限定され、 

更には、その車載電池 

(1)北米で(50%1→100%)製造・組み立てられたものに限定され、 

(2)その電池の重要鉱物は(40%→80%)米国か米国との自由貿易協定(FTA)締結国から調達されなければならないことになっているのである。 

 

LDVなどの乗用車系については、車両本体と、その肝となるバッテリーについても、北米内にサプライチェーンを構築してゆかなければ、税額控除の優遇を受けられない、と言うことになるわけである。将に、Made in America 条項そのものである。中国のCATLやBYDからのバッテリーの調達では、優遇策は適用されないと言うこと。 

 

バイデン大統領は自動車の排気ガス規制(CO2など)を強化して、ICEを禁止して電気自動車一本へ誘導して、更にはそのBEVの製造・組み立てを、車載バッテリーも含めて、完成車輸入から北米での現地生産に(厳しく)誘導しているのである。 

 

将に環境対策を掲げた、中国外し政策なのである。共産主義独裁国家の中国を環境技術の中枢からも外すことを意図した政策であり、それなりに評価できるものである。日本としても(トヨタとしても)利益確保を図るばかりだけではなく、進んで協力してゆかなければならないことである。 

 

米国での車両販売は(2021年で)1,508万台、日本車は約580万台で38.5%と約4割を占めている。バイデンとしては、2030年にBEVを50%以上と言う目標であり、先の試算では2030年にはBEVは60%を占めなければならないと言った数字になっていることを鑑み、仮にその時でも日本車の割合が約40%だとすると、1,508万台×60%(BEV)×38.5%(日本車)=348万台がBEVとなり、しかもこれらはすべて北米で生産されていなければならない、と言うことになる。 

 

2030年には、日本車は北米で348万台のBEVを現地生産しなければ、今までのようにクルマは売れない、と言うことである。これはエライことである。 

 

更にこのうちトヨタの割合は約40%とすると、 

トヨタとしては、348万台×40%=139万台、30%だとすると104万台のBEVを現地生産しなければならないことになる。 

 

トヨタの国内生産としては、1ラインで年間20万台がほぼMaxの数字ではないのかな。とすると、最新鋭のBEVラインを最低でも5ラインは設けなければ成り立たない数字となる。トヨタの高岡工場並みの組み立て工場を2つが3つ稼働させなければならない数字となるものと思われる。大変だ。 

 

しかしながら、この条件にマッチする車は、現在のところ米国車の11車種だけだという。日産のリーフやVWのiD4など日欧韓の全ての車両は対象外となっている。と言うことは早急に北米生産のできるBEVの開発に取り掛からなければならいない、と言うことである。 

(続く)

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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(136)

2023-09-04 00:00:00 | Weblog

波紋を呼ぶ「メイドインアメリカ条項」 

 

さて、問題はここからです。 

米国でEVを購入するための実質的な補助金として、従来より「税額控除」という仕組みがありました。これはEVを新車で購入した場合、生産された国などにかかわらず最大7,500ドル(各メーカーの累計EV生産台数に応じて徐々に削減し、最終的にはゼロになる)を所得税から控除できるものです。 

 

ところがインフレ抑制法では税額控除の要件が変更となり、累計生産台数の制限はなくなるものの、その代わりに以下のような新たな要件(一部抜粋)が追加されています。 

 

主な要件 

必須かどうか 

達成により加算される
税額控除額 

(1)価格が5.5万ドル(バンやSUV、ピックアップトラックは8万ドル)未満であること 

   

 - 

(2)車両の最終組み立てが北米(米国、カナダ、メキシコ)で行われていること 

   

 - 

(3)電池材料の重要鉱物のうち、調達価格の40%が自由貿易協定を結ぶ国で採掘あるいは精製されるか、北米でリサイクルされていること→'27年には80%になる 

  どちらか必須 

 3,750ドル 

(4)電池用部品の50%が北米で製造されていること 

→2029年には100%になる。 

 3,750ドル 

 表:インフレ抑制法で補助金(税額控除)の対象となる主な要件(控除額は個人の場合) 

 

このなかでも特に問題として挙げられているのが(2)~(4)で、製造や採掘を米国などに限定することから「メイドインアメリカ条項」とも呼ばれています。発端はEVの重要な部材を中国などの対立している国や地域に依存している現状を問題視したもので、内産業の支援に加えて安全保障を強化する狙いがあると見られます。さらに(3)は2027年に80%、(4)は2029年に100%まで段階的に引き上げられる予定で、自動車メーカーは継続的な対応を迫られています。 

 

ところで、現時点でこれらの要件を満たす車種はいくつあるのでしょうか。例えば以下の米国政府のサイトによると、2022年11月頭の時点で(2)の「北米で組み立てられている」という要件を満たすEVは2022年モデルで合計26車種、2023年モデルで9車種がリストアップされています。 

 

【参考サイト】
Electric Vehicles with Final Assembly in North America(北米で最終組み立てされているEVの一覧) 

https://afdc.energy.gov/laws/electric-vehicles-for-tax-credit 

 

 

このなかで日本メーカーとしては日産リーフの1車種のみが対象となり、現在北米で組み立てられていないマツダMX-30やホンダe、日産アリア、トヨタbZ4Xなどは対象外となっています。 

 

さらにこの26車種のうち、(3)や(4)の要件となる「電池材料の重要鉱物の調達先」や「電池用部品の製造国」もクリアできる車種はさらに限られることになります。例えばテスラでは米国で販売している多くの車両で米国製の電池を使用しており、同社CEOのイーロン・マスク氏は「達成できることを期待している」と発言しています。ただし米国の大手自動車メーカーであるGMは「数年程度の移行期間が必要」とし、Fordも「柔軟な解釈を要請している」との報道もあり、2022年末の期限内に要件を達成できるかどうかは不透明な状況です。 

 

各国政府や自動車メーカーの対応 

 

インフレ抑制法の成立直後から多くの国や地域、さらに自動車メーカーなどが「自由貿易協定やWTO協定に違反している」などとして、解決に向けて様々な行動を起こしています。 

 

例えば韓国は9月5日に米国政府に対して議論を促していることを公表、その後10月12日には米国政府の担当者が韓国を訪問して自動車や電池関連メーカーと面会。中国は9月22日に「必要に応じて自国の利益を守るために行動を取る」と宣言し、欧州も10月25日に米国との間で正式にタスクフォース(議論の場)を設けることを公表したほか、仏マクロン大統領や独ショルツ首相が報復措置を示唆した上で、要件の緩和を要求ています。 

 

一方で自動車メーカーや電池メーカーレベルでは北米に生産拠点を移したり、拡大する動きが相次いでいます。8月下旬には韓国ヒョンデが米・ジョージア州の組立工場の建設を加速し、生産開始を2025年から2024年へ前倒しすることを発表。テスラはカリフォルニア州の電池生産ラインの拡張を申請し、独・ベルリン工場よりも米・テキサス工場での電池生産を優先すると発表しています。 

 

日本メーカーについてもトヨが3,250億円を投じて米・ノースカロライナ州に電池工場を建設、ホンダは米オハイオ州の既存工場でEVも生産できるように改修、さらに同州に韓国LGと合弁で電池工場を建設することを発表しています。 

 

諸外国の政府がメイドインアメリカ条項に対して要件の緩和を要求する一方、現時点で米国で販売しているEVが少ない日本メーカーや政府は静観を続け、11月に入るまで大規模な行動は起こしていませんでした。この状況に対し、テスラ外部取締役の水野氏は10月18日にTwitterで「同盟国かつ今まで米国の雇用を増やしてきた日本は猛烈に抗議すべきと思うけど、静か」と指摘しています。 

 

そしてこの指摘から2週間が過ぎた11月4日、ようやく日本政府(経産省・外務省)及びトヨタ自動車が米国政府に対し、日本車や日本製の電池などを税額控除の対象に含めるよう、正式に要請がありました。このタイミングでの要請は、リコールにより販売が停止していたbZ4Xの販売が再開したことも関係しているかもしれません。いずれにしても評価に値する行動であり、今後も要件の緩和などの結果が出るまで、継続的に対話を続けることが重要でしょう。 

(続く)

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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(135)

2023-09-01 00:00:00 | Weblog

米国ではBEVを購入した場合には、一定の条件の下、最大7,500ドル約110万円)を所得税から控除できるというものです。 

 

この一定の条件と言うものが、次の「メイドインアメリカ条項」なのである。 

 

1. BEVの最終組み立て地が、北米(米国、カナダ、メキシコ)であること。 

 

2. 電池材料の重要鉱物が、その調達価格の40%が自由貿易協定(FTA)を結ぶ国で採掘か精製されるか、又は、北米でリサイクルされていること。 

 

3. 電池用部品の50%が北米で製造されていること。 

 

この2.と3.の%は、段階的に増加してゆくことになっている、と言う。 

 

と言ったものであるが、将に、BEV関連の部材等が中国に依存していることからの脱却を図るもので、経済安全保障対策と言われる所以である。 

もう一つ、来年の大統領選挙に向けた施策なのでしょう。 

そのために、自国内にBEV関係のサプライチェーンを構築したい、と言うことで脱中国と米国内での雇用の維持・拡大を図る、と言うことでしょうが、日欧韓の自動車業界にとっては、相当大きな影響があるものである。 

 

 

米国で成立したインフレ抑制法とは?~EVを巡る世界の反応と日本が取り組むべき課題 

2022年11月10日 コメントする 

 

アメリカで成立したインフレ抑制法は予算3690億ドル(約54兆円)にのぼる過去最大規模の気候変動対策に関する法律です。EVへの補助金(税額控除)を米国製にしか適用しない内容が含まれ、各国政府やメーカーから反発も出ています。世界の反応や日本が取り組むべき課題を考えます。 

 

 

インフレ抑制法とは? 

 

2022年8月16日、アメリカで成立した「インフレ抑制法(歳出・歳入法)」、通称IRA(Inflation Reduction Act)法は過度なインフレ(物価の上昇)を抑制すると同時に、エネルギー安全保障や気候変動対策を迅速に進めることを目的とした法律です。約54兆円という巨額の予算からわかるように、バイデン政権が最も力を入れている政策の一つでもあります。 

 

人為的な気候変動については世界中の科学者の総意にあたるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)でも「疑う余地がない」とされていて、このまま気候変動が進めば大規模な自然災害や極端な気象現象の増加、さらに世界規模の食糧不足や飢饉の発生など、近い将来、これまでのような日常生活が送れなくなることが危惧されています。 

 

そしてこのようなリスクを減らすためには、「再エネなどのクリーンエネルギーEVへの移行による脱炭素が必要」ということが世界のコンセンサスであり、これまでは環境意識が高い欧州など一部の地域が先行して再エネの導入や自動車の排出規制、さらにEVの超急速充電インフラ整備を進めていました。一方でその頃の米国ではトランプ政権のもと、欧州などと比べると、それほど気候変動対策に力を入れていませんでした。 

 

そして時が流れてトランプ政権からバイデン政権に交代し、先行する欧州を追うように気候変動対策の重要性が見直され、同法律が制定されました。同法律では太陽光や風力などの再エネ、そして再エネを有効活用するための蓄電池、EVの開発や生産への補助金として600億ドル(約8.8兆円)以上を投資。さらにその一環として全米50州の7.5万マイル(約12万km)にわたる州間高速道路網に超急速充電器を整備し、EVでも従来の内燃機関車と同等以上の利便性を確保した上で、2030年に新車に占めるEVのシェアを50%以上まで引き上げることを目指しています。 

(続く)

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