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「横田空域」

2019-10-06 | 気になる本

吉田敏弘(2019)『横田空域』角川新書

 日本はアメリカ軍に守られている?軍事費は安上がり?私の周りからそんな声が聞こえてくる。沖縄ではそんなことはないのが、明白になっている。他に米軍基地はどこに?日本の中心、それが東京近辺の横田空域である。米軍基地や安保、地位協定の闇を追っている。日本の自主・独立・平和の基本を考える本である。以下抜粋メモ。

 翁長元沖縄県知事は、「日本国憲法の上に日米地位協定があり、国会の上に日米合同委員会がある」。ドイツ、イタリアでは米軍を規制できるが日本はできない。

 東京のど真ん中にある六本木米軍ヘリ基地。近くにアメリカ大使館があるからだろう。東京近辺には上から横田基地、相模総合補給廠、キャンプ座間、厚木基地、横須賀基地とある。日本の航空法ではヘリは高度約300mと定めているが、六本木米軍基地から150mの低空飛行をしている。トランプ大統領が訪日した時、羽田空港でなく軍事施設である横田基地に降り立ったことは、日本におけるアメリカの軍事力を伴う特権的優位を見せつけたものといえる。

 日米合同委員会は、米軍と日本政府高官が密室協議し、密約で非公開である。密約は日本の主権を侵害し、憲法体系を無視して、米軍に事実上の違い法権を認めるものだ。日本の領空なのに日本側の航空管制が及ばず、管理できない。独立国としてあるまじき状態が、戦後70年以上も続いている。

 有事には米軍人・軍属の家族や大使関係者など在日アメリカ人が、米軍の輸送機やチャーター旅客機で本国へ避難するのに横田基地を使う。

 米軍は低空飛行を行うに、安全性を最大限確保し、地元住民の影響を最小限にするとしているが、合意は骨抜き状態である。

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