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辻「伊藤若冲」

2021-01-10 | 気になる本

辻 惟雄(2020)『伊藤若冲』ちくまプリマ―新書

江戸時代の画家・絵で私の好きなのは、京都国立博物館で見た琳派で酒井抱一の「夏秋草図屏風」と俵屋宗達「鶴図下絵和歌巻」である。それと恵那市で見た「広重の中山道69次」、さらに、天才絵師伊藤若冲である。若冲の絵は2016年安城の歴史博物館の特別展(一部)で見た。躍動感のある鶏の絵で、題名は記憶にない。宗教に関心が無く、若冲の「宗教画」も興味がない。若冲のどの絵が好きという訳でもなかったので、今回この本を手にした。以下、気になった箇所のメモ書きである。

「地辺群虫図」(宮内庁)は、植物と何十匹の虫と小動物が自然の中で生きている姿を描いている。おそらくお寺の古池で観察した虫や魚やカエルが生息していたのだろう。どれがメインのモチーフということはない。熱心すぎて自然にエキセントリックになってしまう。

京都の「名士禄」には、池大雅、与謝蕪村より前で3位であった。若冲が60歳の時には、応挙に続いて2位であった。

若冲は単なる絵画オタクではなかった!「京都錦小路青物市場記録」によれば、錦市場の営業停止を命じた奉行所に対し、再開を求めて粘り強く交渉を続ける若冲56歳の姿である。闘いは2年8か月続いた。

他に興味深いのは「石峰寺の5百羅漢」とモザイク画の発明である。若冲の人格と作品がASに関係する、という記述も興味深い。

この本にある好みは南天雄鶏図か蕉に双鶏図、平木浮世絵財団の花鳥版画で黒の下地に朱い小鳥である。一番は今のところ小鳥で、デザインと色彩に惹かれる。展示が有れば見に行きたい。

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