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民主党政権失敗の検証

2015-01-10 | 気になる本
日本再建イニシアティブ(2013)『民主党政権失敗の検証』中公新書
「コンクリートから人へ」、「国民の生活第1」と華々しく2009年に政権交代し、そして期待を裏切り2012年に崩壊した民主党政権は何であったか。それを振り返る意義はあるでしょう。図書館で借りた2冊の本、「民主党政権失敗の検証」、「民主党大崩壊」を手掛かりに検討してみます。今でも昆明を象徴するように、14年末の総選挙で代表が落選し、現在3人が代表を争っています。総選挙では小選挙区に過半数の候補者を単独で立てられませんでした。1強自民党に対抗するため、維新の党と調整したようです。
本によらず個人的な各総理大臣の感想として、09年からの鳩山は理想を貫いたが、現場のことは知らないという印象です。普天間の米軍基地を国外へ、最低でも県外と言って頑張ったのは評価できます。それでも辺野古止むなしは、裏切りです。コンクリートから人への象徴である八ツ場ダムは中止と言っておきながら継続です。建設途中の物を中止するのは困難が伴います。それなら少し時間をかけて検討すれば良いのですが、マニュフェストとの齟齬が残ります。10年からの菅は財務官僚に言いくるめられたのか、公約にない消費税増税を唐突に言いだして、10年参議院選で負けたことです。原発事故の危機管理も迷走した印象です。11年からの野田は捻じれ国会での運営で自民党に引っ張られ、最後は消費税増税を中心とする税と社会保障の一体改革の3党合意で崩壊です。この間、壊し屋小沢の怪しげな政治資金です。選挙上手で小沢チルドレンもできたほどですが、公募の候補者は中央の顔や世間の流れが変わると浮かばれません。民主党の中には自民党から来た人や、社会党系、松下政経塾、タレント系と様々です。民主党は不運や自民党からの負の遺産を受け継いでいました。2008年のリーマンショックや財政の多額の借金です。さらに、2011年3月11日の大震災は、天災とはいえ困難な政局でした。それでも、子育て支援、高校授業料無償化、農家の所得保障、脱原発などの成果もあります。
「民主党政権失敗の検証」のはじめによれば、2009年の総選挙では、自民党にきついお灸を据えなければ、と思っていた。序章「旧民主党の結党から政権交代まで」で、96年結党から09年の13年の歩みを3段階に分けている。第1段階で、旧民主党の立ち上げは、自民党と新進党の保守2大政党に対して「第3極」をめざし、鳩山、菅を共同代表に、新党さきがけ、社民党を主な母体とした。民主党の基本理念は随所にリベラルな鳩山カラーが現れていた。第2段階は、98年新民主党の結成で、第1野党として新進党出身者、保守系、民社系などと合流した。基本理念は政権志向が強く、新自由主義的傾向がめだった。第3段階は03年の民主党が自由党を吸収してからで、小泉が01年以降の新自由主義的改革が混乱したからである。06年小沢が代表になると、「国民の生活が第1」路線に転換した。07年参院選で大勝して、参院第1党になった。09年小沢の秘書が政治と金で逮捕され、代表をじにんした。09年衆院選で民主党が圧勝し、鳩山内閣が実現した。
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