Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン」

2018年10月21日 21時25分58秒 | 映画(2018)
そして40年越しの大団円へ。


結局1年待った。それでも、40年に比べればなんてことはない時間であり、前編の復習がなくてもすぐに物語に入っていくことができた。

記憶にあるのは、少尉とうり二つのロシア人が突然飛行船で現れたところまで。そして、このロシア人・ミハイロフ公爵がどうやら少尉本人であり、彼はシベリアの戦地で記憶喪失に陥っていたらしいということ。

その後の未見の物語も、前編までと同様にかなり端折って描かれていたのであろう。少尉の記憶が結構あっさりと戻ったのも若干肩透かしではあったが仕方ない。

後編の物語の中心は、紅緒、少尉、そして出版社編集長の青江冬星の3人による大正ラブロマンスである。時代背景こそあれ、2人の美男子から思いを寄せられる主人公という構図は少女漫画の王道と言える。

王道だからこそ結末も読めるのだが、冬星が少尉に負けないほどいい男なので、少なからず彼に肩入れする思いも湧いてきて、この話をどう決着をつけるのかとやきもきする展開となった。

特に、紅緒も少尉もお互いのことをきっぱりと諦め、紅緒と冬星の挙式が決まると、これはお決まりの「卒業」的ぶっこわしパターンではないかという不安がよぎるように。

この時点で明白なメッセージとして出ていた挙式の日:9月1日ということに気付かなかった自分。今回だけはこの鈍さに感謝したい。

恋の行方を決めるのは運命。運命によって出会い、運命によって一度は離別した二人が、再び結び付くのもまた運命。

真実の愛が恋敵を叩き落すのではなく、激動の大正時代というとてつもなく大きな存在が、クライマックスにまたしても3人の運命をいたずらに転がす。この流れには納得するしかない。

それにしても、改めて話を通して観てみると、この重要な後編をばっさりと切り捨てて打ち切ったということは、なんとも良くも悪くもおおらかな時代だったとしか言いようがない。

とにかく一にも二にも、物語すべてを通して見られたことに満足している。

(90点)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「かごの中の瞳」 | トップ | 「クレイジーリッチ」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(2018)」カテゴリの最新記事