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「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」

2014年05月05日 08時04分11秒 | 映画(2014)
突然のコロッケ無双。


以前は放送時間をころころ変えていたテレビ版は、ここしばらく「ドラえもん」とコンビの金曜19:30で固定。確か監督も長い間変わっていない。

映画版はといえば、原恵一監督が手掛けた2作品ほど絶賛を浴びるわけではないが、ばかばかしいながらも大人でも笑って泣けるシリーズとして安定している。

パターンは単純といえば単純で、根底に「家族愛」という普遍のテーマが流れる中に、現代の社会事情を味付けに加えるというレシピだ。

これは、「昭和」の風景が染み付いている「サザエさん」「ちびまるこちゃん」「ドラえもん」にはできない。現代の核家族家庭を舞台にした「クレしん」の強みと言えよう。

今回描かれたのは「父性の失墜」とでも言おうか。子供が対象のアニメなのに、しっかり大人を意識した舞台設定をしているのが心憎い。

そしてもう一つ、本作を特徴付けているのが、父親ひろしが改造されてしまうロボットである。

ロボットといえば近未来映画のアイコンとして様々な作品で活躍してきたが、本作のロボとーちゃんは、それらをうまく踏襲して味のあるキャラクターに仕上がっている。

特に、中盤を過ぎたころに明らかになるロボとーちゃんの事実と、そこから連なる二人のとーちゃんのやりとりは、冒頭に述べた「泣ける」要素を大きく膨らませることに成功している。

そしてもちろん泣けるだけじゃない。とてもくだらない、おバカなクライマックスバトルを盛り上げたのは、なんとコロッケであった。

それもコロッケ本人ではない(コロッケは科学者の声あてだったらしい)。コロッケのものまねネタが巨大化して登場したのだ。

そうか!ロボットといえばコロッケなんだ。まんまと食わされたというか、そう思うのもばかばかしいほどのくだらないバトルが繰り広げられる(ほめ言葉)。

これ、いいのか?五木ひろし。笑えるのか?子供たち。

でも考えてみれば、ものまね番組なんて元ネタ分からなくても雰囲気で笑っていることが実は多い。

渡辺直美が、Beyonceを知らないであろう層からも受け入れられたことを思えば、「契り」もまったく問題ないわけだ。

点数には反映されてこなかったかもしれないが、本当にここ数年の「クレしん」はいい感じで安定している。

大勢の子供に混じって50近い大人が一人で観るのは抵抗がないわけではないが、GWの楽しみはしばらく続きそうだ。

(85点)
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