「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

サポート校というところ

2006年03月07日 | 子ども・教育
 前にも書いたと思うが、上の子は小学校高学年から中学時代、いわゆる不登校だった(田舎の少人数の学校だからといって、不登校その他の問題と全く無縁というわけではない)。成績通知票は数値評価は一切なしで、コメントのみだったし、家で勉強していたわけでもなかったので、とても普通の県立高校に行ける状況ではなかった。それでも、本人も進学する意志を示したし、親としてもせめて高校ぐらいは出ておいたほうがいいと思ったので、いろいろ調べた結果、通信制高校サポート校といわれる所に行くことになった。
 今は不登校の子供が増えているせいもあって、そうした子供に対応した選択肢が随分増えた。旧大検(高等学校卒業程度認定試験)を受けて進学したり、あるいは通信制、定時制、単位制などの高校も受け皿になっている。特に通信制の高校はスクーリングを受けてレポートを提出し、試験を受ければいいので、毎日通学する必要がなく、不登校の子はもちろん、働きながらとか、多様な生徒を受け入れているところだと思う(NHK学園などはテレビを見ればいいので、スクーリングの日数も少ないらしい)。
 ただ、自分で勉強できる子はいいけれど、不登校でそれ以前の基礎ができていない子が自力でレポートを仕上げるのは、それほど簡単ではない。そこで登場したのが、通信制高校と連携したサポート校というところ。要は通信制高校のレポート作成をサポートし、そこに通うことでスクーリングの条件を満たし、試験もそこで受けられる。なので、律儀に毎日通わなくても大丈夫だし、通えない子には個別サポートをしてくれたり、学校によって、かなりきめ細かいサポートをしてくれているようだ。
 息子もそうしたサポート校の一つに3年間通い、昨日卒業式があって、夫が出席してくれた。(外見上も)多様でユニークな子供たちが大勢いたそうだ。正確なところは分からないけれど、息子のクラスの子もほぼみんな卒業できたみたい。3年前にこの学校の説明を聞きにいったとき、いじめに遭って不登校になってしまった娘さんの話を涙ながらにされていたお母さんと同席したけど、その娘さんもきっと明るい学校生活を過ごして巣立っていったことだろう。
 不登校はやはり親も心配になるし、ついついネガティブに見て、ますます子供を苦しめることになりがちだけど、今の時代はこうしたところも含めて多様な選択肢がある。まずは親がどっしり構えて、温かい目で子供の気持ちを受け止めてあげることが大事じゃないかと思う。(そうはいっても、今の「格差社会」、心配は心配だけど、逆に学校にちゃんと行ったから大丈夫というわけでもない)
 ただし、この手のところは文科省の認可を受けた「学校」ではないので、おおむね授業料は高い。別途、提携する通信制高校にも入学しなくてはならないから、二重にお金がかかる。こういう選択肢もありうるという単なる紹介で、別にお薦めするとかいうわけではありません。息子が行ったところは、とにかく自由な感じのところ。それぞれの学校に特色があるようなので、事前によ~く調べることが必要かと思います。

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2 コメント

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Unknown (電気猫)
2006-03-18 10:11:51
不登校の問題は、日本の教育制度の歪みの象徴だと思います。本来多様な個性を持っている子供達をモノ扱いして画一的な品質管理(数値)で金太郎飴のような人間を大量生産することが目標の今の制度。

”まともな子供”ほど逆に適応しにくい状況だと思います。基本的な常識・礼儀・読み書きさえできれば、あとは本人の個性をいかに伸ばしてやるかが教育の本来あるべき姿。そういう意味では、様々な選択肢が増えてきたことはいいことだし、そういった多様な環境から育つ多様性のある子供が増えるのは、結果的に日本の活性化に繋がるんじゃないかと思います。画一的なエリートとロボットのような人間ばかりじゃ、日本も終わりです。
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エジソンも不登校児だった (Aki)
2006-03-19 09:01:13
というタイトルの本がありますが、有名人で不登校だった人はたくさんいます。今の学校教育システムだと、個性の強い人は浮いてしまいがちでしょうね。

欧米では、フリースクールのほか、ホームスクーリングが合法のところはたくさんありますし、日本でもホームスクーリングを実践している人は増えていると思います。さらに昨今のように、学校でたびたび事件が起こったりすると、安全面や子供の情緒面を考えても、無理に学校に行かせなくてもいいと思いますね。



多様な人間が育って、日本の活性化にもつながる面もあるかもしれませんし、たかだか学校システムに適応できないがだけのために、周囲から否定的に扱われ、セルフエスティームを喪失してしまう子供たちのことが気になります。
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