AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

5897:ヨハンナ

2022年04月24日 | ノンジャンル

 シューベルトのヴァイオリンとピアノのための幻想曲ハ長調が流れ出して数分した時、小暮さんが「あれっ・・・これCOLOMBIAカーブじゃなかったっけ・・・今EMIカーブにしてない・・・?」と言って、一旦針先をレコードから上げた。

 そして、Zanden Model120のイコライザーカーブを「COLUMBIA」に変更した。極性は「R」のままで、4th t/cは一旦「Middle」にしたが、「1955年か・・・じゃあ・・・」と呟いて「Low」に戻した。 

 そして再度MC20の針先を盤面に戻した。「あっ・・・やっぱりこっちだよね・・・」と小暮さんは呟きながら、頷いた。

 そして、再度最初から幻想曲を聴いた。この曲の初演は1828年2月7日にウィーンで行われたと伝えられている。しかしその初演は大変な不評に終わったようである。当時のウィーンの聴衆や批評家はこの曲の長大さに耐え切れなかったようである。

 シューベルトが自ら「幻想曲」と名付けたことからも分かるように、自由な構成を持つこの曲は、現在ではシューベルトの傑作のひとつに数えられている。

 幻想曲を聴き終えた後「できれば、ソナチネの第2番も聴きたいですね・・・」と私はリクエストした。

 ヨハンナ・マルティのオリジナル盤は目が飛び出るほどに高価である。CDや再発盤なら手頃な価格で入手できるが、やはりオリジナル盤には独自の魅力があることは否定できない。しかも、イコライザーカーブや極性も最適になっているのでなおさらである。

 ソナチネ第2番も聴いた。こちらも素晴らしい。特に第2楽章がぐっとくる。「いいな・・・マルティ・・・」と、いつの間にか「オーディオなんてどうでもいいや・・・」状態に陥っていった。

 その後2枚ほどクラシックのレコードを聴いてから、Zanden Model12は元箱に丁寧に収められた。躯体はコンパクトであるが元箱はそれなりの大きさである。

 その箱を両手に抱えて「オーディオショップ・グレン」を後にした。そしてその箱は慎重にBMW iX3の荷室に移された。

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