AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

5896:イコライザーカーブ表

2022年04月23日 | ノンジャンル

 1週間前にも来たばかりであるが、再び中野坂上にある「オーディオショップ・グレン」を訪れた。今日はとても暖かく、スーツを着用していると汗ばむようである。

 三日程前に私の携帯に小暮さんから連絡が入った。いつもはメールで連絡を取り合っているので少し訝しく思いながら出てみると、「先日聴いてもらったZandenのフォノイコライザーだけど、実はキャンセルされてしまってね・・・どう、まだ買う気ある・・・?」とのことであった。

 「あっ・・・そうなんですか・・・もちろん買いますよ・・・」と返答した。その流れで今日、ショップに向かったのである。

 先週聴かせてもらったのは、Zanden Model120である。Zandenは日本のメーカーであるが、国内では無名に近い。Zandenはフォノイコライザー、プリアンプ、パワーアンプを製造していて、「Modern」と「Classic」という名称で二つのシリーズをラインナップしている。

 魅力的に感じたポイントはイコライザーカーブを5種類選択でき、さらに極性も変えられる点である。1950年代に録音されたクラシックの古いレコードの場合、イコライザーカーブがRIAAではないケースがとても多いので、この機能はありがたい。

 さらに付属品としてレーベルごとに推奨されるカーブと極性の組み合わせを一覧表にしたものがついてくる。そのイコライザーカーブ表を見ながらレーベルごとに異なるカーブと極性を選択できる。

 

「オーディオショップ・グレン」のリスニングポイントに置かれた3人掛けソファに座った。そして、改めてそのイコライザーカーブ表を見ながら、1枚のレコードをかけてみた。

 私の愛聴盤であるヨハンナ・マルツィのシューベルトのヴァイオリン曲集のレコードをROKSAN XERXES 10のターンテーブルに乗せた。

 イコラーザーカーブ表を確認して、Model120のイコラーザーカーブは「EMI」に、極性は「R」に、そして4th t/cは「Low」に設定した。

 ROKSAN  Artemizのリフターを操作した。ortfonのMC20の針先がゆっくりと盤面に達した。かけたのは「ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D.934(Op.159)」であった。

 ソナスファベールのエレクタ・アマトールから流れ出した幻想曲に耳を傾けた。ソファテーブルには小暮さんは淹れてくれた珈琲が置かれていた。その黒い液体からは緩やかに芳香が立ち上がっていた。
 
 ジャン・アントニエッティの繊細でしっとりとしたピアノ演奏による導入部の後に、ヨハンナ・マルツィのヴァイオリンが流れ出した。録音年月日は1955年11月26日である。67年前の空気がイタリアのスピーカーからさらっと流れてきた。

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