日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

藍の紅葉

2010-10-10 | ギャラリー
芸術の秋を堪能しに原宿へ行く。
普段は通り過ぎてしまうラフォーレを突っ切って太田記念美術館へ浮世絵をみにいく。



神宮前交差点付近は沢山の人出で個性的な装いの人たちを見ることができます。
江戸時代の個性の行き着く先を歌舞伎とするなら平成の歌舞伎者も舞台ならぬ交差点で大見栄をきる。
浮世絵の役者の如くに傾く人々の群れ。

若いってスゴイ。
おばさんになったことをしみじみと感じる瞬間です。
やっぱりラフォーレは迂回すべきでした。

そして目的地の太田記念美術館も外界とは異空間。
かなりの年齢層高めです。
小さい美術館ですが作品と向かい合うにはうってつけの空間。
ここでは自分の若さを感じます。

本日のお目当ては広重、師宣、写楽、北斎。
浮世絵オールスターズを拝みにいく。
ハンブルグ浮世絵コレクションです。
ドイツより里帰りした浮世絵の名品を間近でじっくり鑑賞です。



ウイットに富んだ作品は思いのほか小さく、繊細。
墨の色を生かしたもの、紙に色ではなく凹凸で表現されたものも。
髪の毛より細い線もみることができます。
その中で一番、印象的だったのはこの時期からのお楽しみ、紅葉を描いたもの。

肝心な作品名を忘れてしまったよ。 あ~あ。
それは京都の紅葉で普通、紅で表現される「紅葉」を藍色で表現した小品。
藍の濃淡で紅葉を表現する類まれな表現です。

藍色に染まった画面から優雅な秋の香りがしてきます。
富士山といえば青と白で表現されますが北斎は赤で表現しました。
紅葉を藍にするとはこれまたすごい表現です。

高天肥馬
天高く、馬肥ゆる秋。
気持ちいい秋の連休にちょっと早いですが美しい紅葉に出会いました。

藍の紅葉

そうそう、今日の朝日新聞、天声人語のなかでいい言葉を見つけました。

美し国
「うまし くに」と読む。
紅葉についてコラムはこんな言葉でつづられていました。
日本の紅葉が見事なのは多彩な樹種のゆえだという。
濃淡なさまざまな色が混然となって、錦の刺繍を織り上げる。
多様性の奏でる交響曲に耳を澄ましたい、美し国の秋である。



COP10も開幕しました。
生物の多様性も
表現の多様性も
きちっとのみこめる美し国、日本でありますように。




コメント
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