マニアックな場所に行ってきました。
山口 晃展@練馬区立美術館
練馬区に美術館があったとは・・
しかも現在活躍中の若手画家が個展をするには随分、マニアックかつパブリックな所でやるんだなと。
どこぞのギャラリーではなく区立の公共の美術館。
しかも上野とかでなく練馬。
初めて「中村橋」の駅に降り立ちました。
やっぱり この 山口晃の絵を私は好きです。
その繊細さを独創性。
そして洒脱さと器用さがいい。
大和絵の手法のを用いた作品の数々。
いやあ 面白かったな。
今回は副題として「今度は武者絵だ!」がついております。
そのテーマの通り、無残ノ介というシリーズの作品がメインになっておりました。
墨絵、油彩、ペン・・・
カンヴァスに、半紙に、紙切れに・・・・・
次々、手法や表現を変えて物語が進んでいきます。
この人の作品はホントに溜息が出るぐらい緻密。
ルーぺ必携です。
遠視用メガネ、老眼鏡でも可。
作品の図録を買ってかえろうと思ったんだけど、まだ出来てない!との事。
予約販売になるそうです。
しかもサンプルすらない。
こういう展覧会ではめづらしいパターンだよね。
届くのは10月頃予定。
ゆっくりじっくり待つのもそれは乙な事です。
忘れた頃に、作品をまた堪能できるのも一興と言う事で。
イラストレーターではなく画家。
その画家が描く商業広告というモチーフの作品はおもしろい切り口です。
公共広告機構の「江戸しぐさ」
日本橋三越の100周年広告
空港の壁画
NHKのハイビジョン放送の広告。
「広告」というのは明確に伝えるべきメッセージやモノがあって、
それを分かりやすくに伝えなくてはいけない。
そういう制約があるなかでどれも山口晃の作品として成り立っているというのは凄い事だよね。
広告なのに・・・という違和感もないし、山口晃の作品なのに・・・という落胆もない。
逆に「ネタ」としてきっちり処理させているからスゴイです。
現代美術は感性のスルドサと共通項の多さによって堪能できるか出来ないかが決まるような気がします。
だから、ウチの相方は「現代美術」を見に行くのを嫌がる。
分からないから疲れるのだと。
嗜好性がモロに繁栄されてしまうからな。
そういう点でもこの作品たちは優秀です。
見慣れた、聞きなれた、ものが切り取られているのですから。
今月中にはムットーニさんの展覧会にも参戦予定。
芸術の秋が深まっていきます。
今年はあたしにとって実りと豊作の秋になりそうです。