原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

枝野さん、「みんなの党」と連携とは無茶苦茶な!

2010年06月29日 | 時事論評
 民主党幹事長の枝野さん、何を血迷い始めたの??  
 参院戦直前の今そんな事を国民の前で公言したなら、「みんなの党」が迷惑するに決まってるじゃないの。  
 それともその発言は背後の小沢氏の差し金なの??  以前より参院選後には民主党と「みんなの党」が連携するという噂話もあったようだし… 

 一昨日の6月27日、民主党の枝野幸男幹事長は東京都内での記者会見に於いて “「みんなの党」の皆さんとは行政改革や公務員制度改革についてかなりの部分が一致していると思っているので、政策的な判断としては一緒にやっていける” と語り、参院選後の「みんなの党」との連携に期待感を示した、との報道である。

 この枝野氏の発言に対し「みんなの党」の党首である渡辺喜美氏は、“寝耳に水の話であり「みんなの党」側としてはそのような民主党からの連携に応えるつもりは一切ない”云々と語り、現在のところは政権与党である民主党との連携を否定している様子である。

 この種の参院選での票取り目的魂胆の“勇み足発言”や参院選後の議席数合わせとしか思えないような政権与党民主党内部での混乱を、国民の前で大っぴらに晒すのはいい加減自粛して欲しい思いの一無党派層の原左都子である。

 未だ無党派層の国民が少なからずのパーセンテージを占める今回の参院選であるようだが、無党派層にとっては今回の参院選ほど選択を熟考させられる選挙は前代未聞とも言えるほどに、投票先の絞込みにあえいでいるのだ。  あえぎつつも前鳩山政権をはじめとする過去の政権の失策続きの反省を踏まえ、それにより多くの新党乱立を招かざるを得なかった現状の中、無党派層国民は各政党が如何なる政策を持って国政に臨もうとしているのかを見極めるための検討熟考作業の最中なのである。


 私論を続行しよう。

 民主党幹事長の枝野氏は、行政改革や公務員制度改革についての「みんなの党」の政策が民主党とかなり一致しているから“連携”の期待感を示したとのことである。
 確かに「みんなの党」の政治家と官僚とのあり方や公務員人員削減に関する政策は、民主党とある程度一致しているのかもしれない。 一方で「みんなの党」は国会議員の歳費特権もその多くを返上するべきだと主張しているのに対して、民主党は昨夏政権を取って以降一切これに関する言及がないため、国家議員歳費特権は今後も死守したい意向と私は捉えている。  また選挙マニフェストのあり方に関しても、民主党は“選挙を経ずに変更してもよい”ことを前提としてそれを身勝手に実行しているのは皆さんもご存知であるのに対して、「みんなの党」は“政権党は選挙後にマニフェストを変更するべきでない”とのポリシーが強靭である。

 さらに、民主党の昨夏の衆院選の看板公約であった「子ども手当て」に関しては、民主党が当然ながら続行(ただしマニフェストに反して減額にて)であるのに対し、「みんなの党」は“廃止”の意向であり医療費等の分野で子どもの援助を考慮しているようだ。  参院選一番の争点である消費税率に関しては「みんなの党」は税率アップ反対の立場を取っている。 昨日一部実験的に実施された「高速道路の無料化」に関しても「みんなの党」は反対の立場のようだ。 「郵政民営化」については「みんなの党」は民営化推進派である。 「永住外国人の参政権」に関しては、民主党が中立の立場を取り政権としての結論を未だ保留にしているのに対して、「みんなの党」はどちらかと言えば反対の立場であるようだ。  これ程までに政策が食い違っている「みんなの党」に連携を申し出る程に切羽詰っている枝野氏の思いとは、如何なるものであろうか??
 それからそれから、鳩山政権において大失策を晒した「普天間問題」をはじめ、「憲法改正」「集団的自衛権」等々、外交・安全保障に関する諸問題についても参院選前に各党内において大いに議論されるべきである。 残念ながら「みんなの党」を含めた新党のその分野の詳細な政策に関しては原左都子は未だ十分に把握できていない。 各政党や参院選候補者には是非共国民の前で政見放送等の媒体においてその詳細を大いに語って欲しいものである。 
 他党の批判は二の次でよいので、自らの政策について国民に熱く聞かせて欲しいものであるぞ!


 民主党は来る7月11日の参院選において比例区ではある程度検討できそうなものの、全国の選挙区において2007年の参院選よりも議席数を減らしそうな様相とのメディアの推測である。
 昨夏の衆院選での大勝に気をよくしたまま、鳩山政権退陣後の参院選対策再構築不能状態を余儀なくされ旧小沢氏体制で臨んだ今回の参院選では、民主党は各都道府県の選挙区において例えば2人区に2名の自党候補者を立てるという“思い上がり”の自滅の醜態を晒している。

 菅政権に移行した後突如として民主党幹事長に任命された若手枝野氏が、その参院選対策の失策をどうにかしたいと苦悩する思いは(特段民主党支持派ではない原左都子にも)重々分かる気はする。
 だが、この期に及んで尚下手な“票取り目的”の切羽詰った連携などを打ち出すよりは、枝野氏持ち前の新鮮かつ勢いのある政策で前鳩山政権の失態を乗り切り、菅新政権の“意味不明の居直り”も軌道修正し、もはや無用の長物である小沢氏の影響力も避け切るべきなのが幹事長としての役割ではなかろうか。

 それこそが政権政党たる本来の使命であると同時に、与党は与党らしく自らの主張を堂々と政策化して来たる参院選において国民の審判を仰ぐべきである。        
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4 Comments

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ドカドンさん、選びたい候補者がいませんね… (原左都子)
2010-06-30 08:30:54
私の場合、比例区政党に関してはその政策の詳細をチェックして、自分の思想と共通項が多い政党のある程度の絞込み作業が進展しています。

選挙区が困り者です。 選びたい候補者がいないですね~。 報道を見聞する限り、皆さん弁だけはある程度立つようですが、どうも政治家としてのポリシーが弱く通り一遍の発言しかしませんね。 政治的バックグラウンドも何もなく、この貧弱さでよくぞ国会議員になろうと思ったよなあ、と呆れるばかりです。 
特に女性候補はどういう訳か決まり文句のごとく「子ども関連」のことにしか触れないし…
専門分野がある候補者がその専門を売り物にするのはいいけれど、政治家とはそれだけではないグローバルな知識が要求されるのに、どうも皆さん視野が狭く人間が小さくちまちましている印象です。
東京の場合、立候補者数だけはやたら多いですので、やむを得ず“消去法”でどんどん消し去ると誰も残らない実態で…

ドカドンさん住む大阪も似たようなものでしょうかね?
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isseiさん、「組む」のはやめて欲しいです。 (原左都子)
2010-06-30 08:09:02
選挙後に政権政党と「組む」のならば、当初より新党など結成せずに民主党から立候補するべきです。
逆もまた真なりで、政権与党たるものが零細新党の勢いにおんぶしようなど言語道断です。

とにかく頭数をそろえるための“取らぬ狸の皮算用”ばかりに没頭していないで、各政党共に自らの政治思想を明確にして堂々と闘って欲しいものです。

isseiさん、私も「子ども手当て」はどうでもいい(と言うより廃止するべきと思っていますが)し、高速道路も二の次でいいですが、外国人参政権問題や普天間問題等の外交問題は重要だと思います。
国民が政治に求めるものは多様であってよいでしょう。
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見えて来ないな (ドカドン)
2010-06-30 04:05:31
選挙で選びたい人間が見えてきません。

連合よりも「景気対策」を、一番に・・・。
大学出ても、就職が決まらない事実が、異常です。

天下りも減らして欲しいな、何で自分達の税金が、ろくに仕事もしない役人のOBのところへ行く事自体変ですよ!
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組めない仲ではない (issei)
2010-06-29 20:59:43
 民主党にもいろいろなグループがあり、「みんなの党」とは組めない理由などは無いと思います。しかしこの時期にそれを口にするのはまずいと思います。「みんなの党」は独自路線を走っている訳ですから、迷惑この上ない話だと思います。
 国民が民主党に求めているのは改革であり、自民党が腐敗させた部分の整理と財政の健全化です。決して子供手当て、高速道路無料化、外国人参政権問題ではないと思います。
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