今回の記事は、本エッセイ集前回の時事論評カテゴリー記事 「公務員宿舎建設再開に断固反対する!!」 の続編の形として綴ろう。
この9月に再開されたばかりの埼玉県朝霞市に於ける公務員宿舎建設に関して、昨日になって民主党輿石幹事長から再開解除について言及があった旨報道された。
そして本日(10月3日)午前中に野田総理が朝霞市の建設現地を視察し、どうやら建設再開は解除され再び「凍結」の判断が下されたようだ。
公務員宿舎建設に対し断固反対の意思表明をしている原左都子としては、この事態をひとまず喜んでいる。
それにしても解せないのは、何故一国の政権の意思決定結果が短期間のうちに二転三転するのかと言うことである。
これに対して、野田総理は本日昼のNHKニュースにおいて以下のように述べている。
「私が財務大臣時代に公務員宿舎建設再開の決断を下したのは、地元の振興目的だった。 その後大震災が勃発し状況が一変した。今はやはり復興財源にこそその資金を回すべきだ。」(私の記憶に頼っているため正確でない点があればお詫びする。)
ここで私論に入るが、ちょっと待ってよ野田さん、と言いたくもなる。
この野田氏の発言には、数々の矛盾点が内在している故だ。
まず、あなたが菅政権の下で財務大臣として公務員宿舎建設再開を決断した時には、確かに大震災は勃発していなかった。 ただ国の経済雇用情勢が超低迷を続けて久しい現状であったことは否めないであろう。
で、地元の振興に役立ちたかった?? あの朝霞市の振興をあなたが本気で考えていたとでも言いたいの???
申し訳ないが過去において一時あの自治体に住んでいた私に言わせてもらうと、公務員宿舎をあの地に建設してもあの市が振興するとの分析は私には不能である。 恐らく建設された公務員宿舎に住む世代は若年層であろうと想像するが、皆さん自家用車を活用して日々の生活を営むであろうことが目に見えている。 鉄道交通網を利用する場合においても駅前に大規模店舗がない「朝霞駅」よりも、東京メトロ始発駅である「和光市駅」を利用するのが便利ではなかろうか?(私も多くの場合そうしていた。) そうした場合、和光市にこそ振興益が投入されようと、朝霞市には大した収入は転がり込まないのではなかろうかと私は考察するのだが…。
結局公務員宿舎を誘致したいのは、単に朝霞市政の歪んだ「見栄」の範疇であると結論付ける私だ。
独立行政法人理化学研究所が存在し、民間大手の㈱本田技術研究所も存在する東京メトロの終点である和光市と比較して、その直ぐ隣に位置しているにもかかわらずマイナーな在来私鉄1本しか通っていない朝霞市が、文化的学術的に低迷を続けざるを得ない運命にあるのは確かに悲運だ……
それに焦った朝霞市政が、我が地に「国家公務員宿舎」を建設したら文化学術レベルが上がるかも?と狙ったとしか私には捉えられない。
ただ朝霞市さん、国家公務員宿舎を建設したとて文化学術レベルを押し上げるのは無理だよ。 不動産価額においても残念ながら朝霞市より北はぐっと価値が下がる現状であるし、上にも記した通りその地に住もうと思う公務員とは一部の若い人種に限られるであろうからである。
現在総理の立場にある野田さんは、財務大臣時代から単に官僚に丸め込まれているだけだ。 それをカムフラージュするべく、地元のその種の細部の事情に関しては分析把握せずして地元振興を安易に発言しただけの話であろう。
国家の長たる者、自治体市長や市政担当者との短時間の会合のみで「地元の振興のため」などとは決して軽々しく口にしてはならなかったはずだ。
野田氏の過ちは、もう一点ある。
朝霞市における公務員宿舎の建設再開はこの9月に実行された。 その時点では既に大震災の復興財源に関して国を挙げての集中論議が交わされていたはずだ。 当時財務大臣であった野田氏は、自ら提案した公務員宿舎建設再開を覆し阻止出来る立場にあった。
にもかかわらず、何故それを阻止せず建設再開を推進したのだ?
それは野田氏自身が民主党党首選に出馬するのに精一杯だったからではあるまいか? これは一国民視線から見たらみっともない限りである。 一国の総理となる程の人物とは国民の税金で公設秘書、そして私設秘書も多く抱えている事と思うが、それらを有効に活用して墓穴を掘らないように行動できたはずだ。 にもかかわらず建設再開を決行したのは、やはり官僚に丸め込まれていたからに他ならない。
結局、今回の埼玉県朝霞市に於ける公務員宿舎の建設に関する凍結再開の右往左往は、現在民主党政権の長である野田総理の責任と結論付けられそうだ。
それにしても、建設に着手した後、凍結、そして再開、そしてまたまた凍結…???
まったく何のポリシーもない政権を、国民は一体どうやって信頼すればよいのだろう?
国政が右往左往している間に大いなる無駄が発生している。 現場で働いている労働者も大変なことだろう。やっと仕事にありつけたと思ったら首を切られ、また雇ってやるよと言われ数日作業をした後、はたまた首切り…
この調子だと政権はほとぼりが冷めた後に、水面下で公務員宿舎建設を再開しようとの魂胆かと勘ぐりたくもなる。(夜のニュースでは5年間凍結とのことのようだが)
「政治主導」は政権運営の理想であろうが、原左都子は民主党が政権を取った当初より力無き民主党には「政治主導」は無理と判断していた。 自分には力もないくせに頭から官僚を排除しようとして対立していたのでは、政権運営は不可能だ。 そこで少々頭が回った“たぬき親父”の野田さんは、官僚との関係を修復しようとしている訳であろう。
それにしても、少なくとも政治家と官僚との関係は対等であるべきだ。 一旦決定した事項を官僚に丸め込まれて水面下でコソコソと覆しているようでは、国民に馬鹿にされて当然である。
国家公務員宿舎に関しては、実際問題今後まったく必要ない。
血税を食い物にして甘い汁を吸っているくせにその現状を省みる事もできず、「官舎」に住んでいることに特権意識を煽られている公務員家庭が存在するその馬鹿さ加減に、私は昔から辟易としている。
今回の建設地の場合埼玉県朝霞市とのド田舎の話だが、都心のど真ん中にある公務員宿舎も多い現状だ。 国民の血税で一等地に住んで特権意識もへったくれもあったものではない。
国家公務員の皆さん、この混沌とした時代においては少しは国税で生かせてもらえている事に感謝しつつ、自分が住む家くらいは自分の経済力で買ったり借りたりしようと思うプライドの下、この国で生き抜いて欲しいものだ。
この9月に再開されたばかりの埼玉県朝霞市に於ける公務員宿舎建設に関して、昨日になって民主党輿石幹事長から再開解除について言及があった旨報道された。
そして本日(10月3日)午前中に野田総理が朝霞市の建設現地を視察し、どうやら建設再開は解除され再び「凍結」の判断が下されたようだ。
公務員宿舎建設に対し断固反対の意思表明をしている原左都子としては、この事態をひとまず喜んでいる。
それにしても解せないのは、何故一国の政権の意思決定結果が短期間のうちに二転三転するのかと言うことである。
これに対して、野田総理は本日昼のNHKニュースにおいて以下のように述べている。
「私が財務大臣時代に公務員宿舎建設再開の決断を下したのは、地元の振興目的だった。 その後大震災が勃発し状況が一変した。今はやはり復興財源にこそその資金を回すべきだ。」(私の記憶に頼っているため正確でない点があればお詫びする。)
ここで私論に入るが、ちょっと待ってよ野田さん、と言いたくもなる。
この野田氏の発言には、数々の矛盾点が内在している故だ。
まず、あなたが菅政権の下で財務大臣として公務員宿舎建設再開を決断した時には、確かに大震災は勃発していなかった。 ただ国の経済雇用情勢が超低迷を続けて久しい現状であったことは否めないであろう。
で、地元の振興に役立ちたかった?? あの朝霞市の振興をあなたが本気で考えていたとでも言いたいの???
申し訳ないが過去において一時あの自治体に住んでいた私に言わせてもらうと、公務員宿舎をあの地に建設してもあの市が振興するとの分析は私には不能である。 恐らく建設された公務員宿舎に住む世代は若年層であろうと想像するが、皆さん自家用車を活用して日々の生活を営むであろうことが目に見えている。 鉄道交通網を利用する場合においても駅前に大規模店舗がない「朝霞駅」よりも、東京メトロ始発駅である「和光市駅」を利用するのが便利ではなかろうか?(私も多くの場合そうしていた。) そうした場合、和光市にこそ振興益が投入されようと、朝霞市には大した収入は転がり込まないのではなかろうかと私は考察するのだが…。
結局公務員宿舎を誘致したいのは、単に朝霞市政の歪んだ「見栄」の範疇であると結論付ける私だ。
独立行政法人理化学研究所が存在し、民間大手の㈱本田技術研究所も存在する東京メトロの終点である和光市と比較して、その直ぐ隣に位置しているにもかかわらずマイナーな在来私鉄1本しか通っていない朝霞市が、文化的学術的に低迷を続けざるを得ない運命にあるのは確かに悲運だ……
それに焦った朝霞市政が、我が地に「国家公務員宿舎」を建設したら文化学術レベルが上がるかも?と狙ったとしか私には捉えられない。
ただ朝霞市さん、国家公務員宿舎を建設したとて文化学術レベルを押し上げるのは無理だよ。 不動産価額においても残念ながら朝霞市より北はぐっと価値が下がる現状であるし、上にも記した通りその地に住もうと思う公務員とは一部の若い人種に限られるであろうからである。
現在総理の立場にある野田さんは、財務大臣時代から単に官僚に丸め込まれているだけだ。 それをカムフラージュするべく、地元のその種の細部の事情に関しては分析把握せずして地元振興を安易に発言しただけの話であろう。
国家の長たる者、自治体市長や市政担当者との短時間の会合のみで「地元の振興のため」などとは決して軽々しく口にしてはならなかったはずだ。
野田氏の過ちは、もう一点ある。
朝霞市における公務員宿舎の建設再開はこの9月に実行された。 その時点では既に大震災の復興財源に関して国を挙げての集中論議が交わされていたはずだ。 当時財務大臣であった野田氏は、自ら提案した公務員宿舎建設再開を覆し阻止出来る立場にあった。
にもかかわらず、何故それを阻止せず建設再開を推進したのだ?
それは野田氏自身が民主党党首選に出馬するのに精一杯だったからではあるまいか? これは一国民視線から見たらみっともない限りである。 一国の総理となる程の人物とは国民の税金で公設秘書、そして私設秘書も多く抱えている事と思うが、それらを有効に活用して墓穴を掘らないように行動できたはずだ。 にもかかわらず建設再開を決行したのは、やはり官僚に丸め込まれていたからに他ならない。
結局、今回の埼玉県朝霞市に於ける公務員宿舎の建設に関する凍結再開の右往左往は、現在民主党政権の長である野田総理の責任と結論付けられそうだ。
それにしても、建設に着手した後、凍結、そして再開、そしてまたまた凍結…???
まったく何のポリシーもない政権を、国民は一体どうやって信頼すればよいのだろう?
国政が右往左往している間に大いなる無駄が発生している。 現場で働いている労働者も大変なことだろう。やっと仕事にありつけたと思ったら首を切られ、また雇ってやるよと言われ数日作業をした後、はたまた首切り…
この調子だと政権はほとぼりが冷めた後に、水面下で公務員宿舎建設を再開しようとの魂胆かと勘ぐりたくもなる。(夜のニュースでは5年間凍結とのことのようだが)
「政治主導」は政権運営の理想であろうが、原左都子は民主党が政権を取った当初より力無き民主党には「政治主導」は無理と判断していた。 自分には力もないくせに頭から官僚を排除しようとして対立していたのでは、政権運営は不可能だ。 そこで少々頭が回った“たぬき親父”の野田さんは、官僚との関係を修復しようとしている訳であろう。
それにしても、少なくとも政治家と官僚との関係は対等であるべきだ。 一旦決定した事項を官僚に丸め込まれて水面下でコソコソと覆しているようでは、国民に馬鹿にされて当然である。
国家公務員宿舎に関しては、実際問題今後まったく必要ない。
血税を食い物にして甘い汁を吸っているくせにその現状を省みる事もできず、「官舎」に住んでいることに特権意識を煽られている公務員家庭が存在するその馬鹿さ加減に、私は昔から辟易としている。
今回の建設地の場合埼玉県朝霞市とのド田舎の話だが、都心のど真ん中にある公務員宿舎も多い現状だ。 国民の血税で一等地に住んで特権意識もへったくれもあったものではない。
国家公務員の皆さん、この混沌とした時代においては少しは国税で生かせてもらえている事に感謝しつつ、自分が住む家くらいは自分の経済力で買ったり借りたりしようと思うプライドの下、この国で生き抜いて欲しいものだ。
野田氏の憂鬱は国民と官僚のどちらを向けば良い方向に向かうのかを計りかねているのだと思います。今は取り合えず、国民の方を向いておこうと言うわけです。
流石、元朝霞住民の原さんの読みは鋭く重みがあります。被災地放り投げて何をしているのでしょう。呆れます。
原さんは3.11前までは政治にはあまり興味を示さなかったと記憶していますが、ここに及んでは堪忍袋の緒が切れたようですね。美しい国、日本を回復させる為には政治をまともにする必要がありそうです。
こんにちは。英紙の「暴力ゲームは犯罪数を減少させる」というレポートは、私たちの常識を翻すものです。たとえば、タバコを喫煙すると、肺がんになりやすいという常識がありますが、事実は、ここ10年喫煙者が減少し続けているにも関わらず、肺がん患者は増加し続けています。世間一般でいわれている誰もが信じて全く疑わない常識なるものは、少なくとも、一度は、疑ってかかる必要があると思います。最近でいえば、増税することや、朝霞の公務員宿舎の建設を差し止めすることは、絶対に正しいというような論調がありますが、これも疑ってみる必要があると思います。詳細は、是非私のブログを御覧になってください。
民主党がカネをばら撒く事によって政権を奪取しようとした2年前の総選挙前から「とんでもない!」と思い始めました。無条件にカネなどばら撒いたら、この国の国民はもっと努力しなくなってダメになると本気で憂慮しました。 小沢さんがド素人のガールズを沢山集めて票取り作戦に出たのにも、辟易とさせられました。
大震災が発生してからは、とにかく福島第一原発の放射能汚染を力なき民主党政権がどう処理するのかを第一義に注視しています。
朝霞市の公務員宿舎に関しては、建設が凍結されて当然です。
昨日のニュースでは、5年後には「中止」となる可能性もある、どうたらこうたらと安曇さんとレンホウが煮え切らない表現で応えていました。
特にレンホウは、野田さんが「国民感情に配慮して」今回凍結を決定したと野田さんを弁護するかのような言及をしましたが、これは奇妙な発言です。
事業仕分けで凍結を決定したレンホウの立場としては「国民感情に配慮して」凍結するのではなく、「そんなものそもそも要らないから」凍結しいずれは中止する、と明言するべきです。 レンホウとは、どうもとことん自分の立ち位置が分からない勘違い人間のようです。
「原左都子エッセイ集」をご訪問いただきコメントを頂戴しましてありがとうございます。
さてyutakarlsonさんは、今回の公務員宿舎建設再開に反対している私が、“世間の一般論に流されて”そのような主張をしているとお書きですが、それはまったくの見当違いです。
原左都子はこのペンネームの「左」の字でご想像いただけるように、「右向け右」だの「右に倣え」だの指示されたら「左」を向きたい性分の天邪鬼です。 そんな私には、世間の一般論に流されてエッセイを綴っている暇など到底ありません。 いつ何時も自分の内面から沸々と湧き出てくる感情をオピニオンとして綴り公開しております。
公務員宿舎などそもそも必要ないです。だからこそ建設を凍結(願わくば中止)せよ!と主張しているのです。
本文中にも記していますが、自分が住む家くらい自分で買ったり借りたりして住めばいいのです。公務員の報酬の程や身分の安定性を勘案すると、それが出来ないはずはありません。
そして、世間一般論が正しいとは限らないと同時に、私の見解も絶対的に普遍だとも決して言っておりません。 自分が発信しているオピニオンが歪みを内在している場合が多々ある事も自覚、承知の上です。 見知らぬ人からは原左都子は馬鹿に映るかもしれませんが、海千山千の人生を歩みつつ、それくらいの客観性は持ち合わせております。
yutakarlsonさんは、肺癌の発生状況についても述べられていますが、元医学関係者である私の見解を少し書かせていただきます。
そもそも癌発生原因とは特定しにくいものです。 そんな中、おっしゃるように肺癌の場合喫煙行動が癌を誘発する事がある程度証明されていますが、他にも数多くの肺癌発生要因が存在します。 また、喫煙のみならず複数の要因が相乗しつつ肺癌を誘発する場合が多いと考えるべきでしょう。 そうした場合、喫煙率の低下傾向と肺癌発生件数とは必ずしも相関しないことは決して不思議ではありません。
「暴力ゲームは犯罪数を減少させる」理論に関しても昔から言われていることで、今さら私たちの常識を覆すほどのインパクトはないのではないですか??
とにかく、yutakarlsonさんこそが常識に囚われずもっと広い視野を持たれ、物事をとことん分析されることをお進めします。
「物事をとことん分析されることを“お進めします”」とありますが、正しくは“お勧めします”です。
訂正してお詫び申し上げます。
ついでに私論を追加しますと、千年に一度とも言われる大震災発生後のこの時期に「マクロ経済学」を持ち出すyutakarlsonのセンスの程も如何なのでしょうか?
原左都子は一応「経営法学修士」を取得している関係で多少経済学の心得もあるのですが、今は一国全体としての投資消費概念に縛られている場合ではないはずです。
しかもこれ程大規模な原発事故を発生させ、放射能汚染にまみれているこの国の未来を考慮した場合、一個人の狭い趣味で物事を分析している場合ではないのは歴然です。
「原左都子エッセイ集」に於きましては、コメント公開基準を設定させていただいております。
大変申し訳ございませんが、今後は上記基準に従いまして、皆様より頂戴しましたコメントを非公開とさせていただく場合もございます点ご承知置き下されば幸いです。