(写真は、娘が中学生時代に学校へ提出した「太陽はダイヤモンドになる?!」夏季自由研究レポート内の 図を撮影したもの。)
本エッセイ集数本前の記事にて、娘が中学生時に夏休みの自由研究レポート作成の手伝いをした事を記した。
手伝いというよりも、正確に言うとサリバン母の私が単独で仕上げたものだ。(そのため著作権はこの私にあり、これをこのエッセイ集内に転載しても何ら著作権法に触れることはないだろう。 ただ娘の氏名にて提出しているため、法的にはその辺はどうなのか??)
本日は9月中旬にして、私が住む東京地方は30℃を超える真夏日である。
こんな太陽がギラギラと照り付けている残暑の日にこそ、この自由研究レポートを公開しようと思いついた。
それでは、本日はその前半部分を以下に転載しよう。
Ⅰ はじめに
私は小学5年生の夏休みに、あるプラネタリウムの番組を見た。
その番組の全体の内容に関してはよく憶えていないのだが、番組の中の解説で今でも印象に残っている話がある。それは「太陽は70億年後にダイヤモンドになると考えられている。」という話である。 夜空には実際にもう既にダイヤモンドになっている星も存在するらしい。
太陽系の中心で赤く燃え盛っている太陽が、遠い未来には本当にダイヤモンドに姿を変えるのであろうか。
信じられない話であるが、もし太陽が本当にダイヤモンドになるとしたら夢物語のようでもある。
そこで、今年の理科の自由研究ではこのテーマを取り上げて検証しながら、宇宙のロマンを楽しみたいと思う。
Ⅱ 研究の目的、仮説及び研究の方法
① 研究の目的
「太陽は遠い未来にダイヤモンドになるのか」を検証する。
② 私が考えた仮説
太陽は遠い未来にダイヤモンドになると私は思う。
おそらく、太陽とダイヤモンドの成分に元々共通点があるのではなかろうか。
そして、現在太陽は赤く燃え盛っていてどう見てもダイヤモンドの姿の想像はつかないが、年月が経つにつれて成分に変化が現れてだんだんとダイヤモンドに近づいていき、熱が冷めた後ダイヤモンドに姿を変えるのだと思う。
③研究の方法
研究は、参考文献、参考資料の検索、学習、検討を中心に進める。
まず、太陽とタイヤモンドに関する基礎知識を得る。
そして、その成分を比較したり、太陽のこれからの変化の様子を探っていく。
また、実際にダイヤモンドになったとされている星についても検討して、太陽と比較してみる。
そして、太陽が遠い未来にダイヤモンドになるのかの結論を導く。
Ⅲ 本論(「太陽はダイヤモンドになるのか?」の検証)
① 太陽に関する基礎知識
a. 太陽の構造
太陽の直径は、1,392,000kmある。これは地球を109個並べた大きさである。
太陽の質量は、1,9891kg × 10の30乗である。これは地球の33、3万倍ほどになる。
太陽を割ってみると中心にはコアがあり、その周りを光球と呼ばれる層が覆っている。これが地球で言う地表なのだが、すべての物質がプラズマ化していて明確に表面が定まっているわけではない。さらにその表面にコロナと呼ばれる炎のようなものが見られる。(図1、図2)
太陽の中心となるコアはものすごい気圧を持ち、その中から水素をヘリウムに変換する熱核融合を起こしている。そこから発生するエネルギーは半端な数値ではない。放出されたエネルギーはやがて電磁波へと変わり、長い年月をかけて太陽表面に到達し、そこから宇宙に放出されていく。
実際にはこのコアが太陽であり、そこから上の層は放出されたエネルギーがコアの重心に捕まって球形をしているとも言える。
コロナとは太陽の重力を振り切ってエネルギーが吹き出している層である。太陽表面は6000度前後であるが、このコロナの最大温度は100万度にも達する。コロナは太陽の直径の10倍以上まで達している。これがそのまま周囲に拡散していき、密度が薄くなるが地球にも到達する。これを太陽風という。
b. 太陽の一生(太陽の誕生と未来)
星にも人間と同じように一生がある。そして、それは太陽も同様である。
宇宙がビッグバンによって生まれ数々の星が生まれたが、そのうちの星のひとつ太陽は、星の爆発により生まれた。2億年ほどかけて成長してきた太陽の卵は水素核融合を起こし、光輝くガスの塊となった。これを原始太陽と呼ぶ。
その後太陽は次々と周りのガスや元素を取り込んで現在の太陽の形になった。そして一人前の恒星となっている。太陽は今なお成長を続けており、現在はおおよそ46億歳である。110億年くらいまで生きると言われているので、今はちょうど働き盛りである。この太陽の壮年期は後60億年ほど続くと言われている。
太陽のコアでは今までに取り込んだ水素を使い果たしてしまい、核融合ができなくなり、コアは重力で収縮する一方、周りの部分は開放され巨大化していく。これは赤色巨星と呼ばれる大きさに達する。この時期になると、コアが超高温になり、その結果、水素核融合の産物であるヘリウムが燃え出し、重力が復活して太陽はまた収縮する。このヘリウムが燃え尽きていく時に炭素が生産される。
ヘリウムを1億年ほどで使い果たして、いよいよ太陽には燃やす材料が尽きてくる。そして次第に小さくなっていき、新たな核融合は行なわれず、エネルギーは生産されない。あとは太陽はゆっくりと時間をかけて冷え切っていく。
これが、太陽の最後である。今から約76億年後のことである。
② ダイヤモンドに関する基礎知識
ダイヤモンド(金剛石)は結晶構造を持つ炭素の同素体のひとつであり、天然で最も硬い物質である。
宝石や研磨剤として利用されている。電気は通さない。
ダイヤモンドの名前は、ギリシャ語のadamas(征服できない、懐かない)に由来するという。
ダイヤモンドの母岩はキンバーライトという岩である。このキンバーライトは古い地質構造が保存されている場所にしか存在しない。
ダイヤモンドが硬い理由は炭素原子同士が作る共有結合に由来する。
世界最大のダイヤモンドの原石は3000カラット(1カラットは0,2グラム)であるそうだ。
③ ダイヤモンドになったとされる星について
ダイヤモンドになったとされる星は、地球からおよそ50光年のかなたのケンタウルス座で発見された。
その直径は4,000km、重さは10の34乗カラットに相当する。
この星の正体は白色矮星(わいせい)で、ダイヤモンドの構成元素である炭素で出来た核の周りに水素とヘリウムの薄い層がある。(図3)
星の振動の様子を調べることによって、内部に炭素の結晶があることがわかったらしい。
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以上、本論の途中までとなったが、表題自由研究の前半部分を転載させていただいた。
次回以降に、結論部分を含めた後半部分を転載・公開する予定だ。
サリバンとして娘の学習の手伝いをする際、いつも配慮していたのはその時々の娘の学習能力の程を見極めることだ。
今回の場合もレポート内容はともかく、中学生らしい言語表現を視野に入れていたつもりだが…
(参考だが、我が娘は幼き頃よりのサリバン指導の甲斐があったのか、加えて漢検準2級に既に合格していたこともあり、言語文章表現力は比較的高かった。)
それにしても今読み返してみるに、当時の娘の実力よりも難易度が高かったかな? などと思ったりもする。
レポート内容に関する私見だが。
現在の太陽が「壮年期」であるとの自らが少し前の過去に調べた記述に、今更ながら大いに安堵させられた。
太陽系内に生を受けている地球上に暮らす我々人類が方向性を誤らない限り、まだまだ安泰と…
本エッセイ集数本前の記事にて、娘が中学生時に夏休みの自由研究レポート作成の手伝いをした事を記した。
手伝いというよりも、正確に言うとサリバン母の私が単独で仕上げたものだ。(そのため著作権はこの私にあり、これをこのエッセイ集内に転載しても何ら著作権法に触れることはないだろう。 ただ娘の氏名にて提出しているため、法的にはその辺はどうなのか??)
本日は9月中旬にして、私が住む東京地方は30℃を超える真夏日である。
こんな太陽がギラギラと照り付けている残暑の日にこそ、この自由研究レポートを公開しようと思いついた。
それでは、本日はその前半部分を以下に転載しよう。
Ⅰ はじめに
私は小学5年生の夏休みに、あるプラネタリウムの番組を見た。
その番組の全体の内容に関してはよく憶えていないのだが、番組の中の解説で今でも印象に残っている話がある。それは「太陽は70億年後にダイヤモンドになると考えられている。」という話である。 夜空には実際にもう既にダイヤモンドになっている星も存在するらしい。
太陽系の中心で赤く燃え盛っている太陽が、遠い未来には本当にダイヤモンドに姿を変えるのであろうか。
信じられない話であるが、もし太陽が本当にダイヤモンドになるとしたら夢物語のようでもある。
そこで、今年の理科の自由研究ではこのテーマを取り上げて検証しながら、宇宙のロマンを楽しみたいと思う。
Ⅱ 研究の目的、仮説及び研究の方法
① 研究の目的
「太陽は遠い未来にダイヤモンドになるのか」を検証する。
② 私が考えた仮説
太陽は遠い未来にダイヤモンドになると私は思う。
おそらく、太陽とダイヤモンドの成分に元々共通点があるのではなかろうか。
そして、現在太陽は赤く燃え盛っていてどう見てもダイヤモンドの姿の想像はつかないが、年月が経つにつれて成分に変化が現れてだんだんとダイヤモンドに近づいていき、熱が冷めた後ダイヤモンドに姿を変えるのだと思う。
③研究の方法
研究は、参考文献、参考資料の検索、学習、検討を中心に進める。
まず、太陽とタイヤモンドに関する基礎知識を得る。
そして、その成分を比較したり、太陽のこれからの変化の様子を探っていく。
また、実際にダイヤモンドになったとされている星についても検討して、太陽と比較してみる。
そして、太陽が遠い未来にダイヤモンドになるのかの結論を導く。
Ⅲ 本論(「太陽はダイヤモンドになるのか?」の検証)
① 太陽に関する基礎知識
a. 太陽の構造
太陽の直径は、1,392,000kmある。これは地球を109個並べた大きさである。
太陽の質量は、1,9891kg × 10の30乗である。これは地球の33、3万倍ほどになる。
太陽を割ってみると中心にはコアがあり、その周りを光球と呼ばれる層が覆っている。これが地球で言う地表なのだが、すべての物質がプラズマ化していて明確に表面が定まっているわけではない。さらにその表面にコロナと呼ばれる炎のようなものが見られる。(図1、図2)
太陽の中心となるコアはものすごい気圧を持ち、その中から水素をヘリウムに変換する熱核融合を起こしている。そこから発生するエネルギーは半端な数値ではない。放出されたエネルギーはやがて電磁波へと変わり、長い年月をかけて太陽表面に到達し、そこから宇宙に放出されていく。
実際にはこのコアが太陽であり、そこから上の層は放出されたエネルギーがコアの重心に捕まって球形をしているとも言える。
コロナとは太陽の重力を振り切ってエネルギーが吹き出している層である。太陽表面は6000度前後であるが、このコロナの最大温度は100万度にも達する。コロナは太陽の直径の10倍以上まで達している。これがそのまま周囲に拡散していき、密度が薄くなるが地球にも到達する。これを太陽風という。
b. 太陽の一生(太陽の誕生と未来)
星にも人間と同じように一生がある。そして、それは太陽も同様である。
宇宙がビッグバンによって生まれ数々の星が生まれたが、そのうちの星のひとつ太陽は、星の爆発により生まれた。2億年ほどかけて成長してきた太陽の卵は水素核融合を起こし、光輝くガスの塊となった。これを原始太陽と呼ぶ。
その後太陽は次々と周りのガスや元素を取り込んで現在の太陽の形になった。そして一人前の恒星となっている。太陽は今なお成長を続けており、現在はおおよそ46億歳である。110億年くらいまで生きると言われているので、今はちょうど働き盛りである。この太陽の壮年期は後60億年ほど続くと言われている。
太陽のコアでは今までに取り込んだ水素を使い果たしてしまい、核融合ができなくなり、コアは重力で収縮する一方、周りの部分は開放され巨大化していく。これは赤色巨星と呼ばれる大きさに達する。この時期になると、コアが超高温になり、その結果、水素核融合の産物であるヘリウムが燃え出し、重力が復活して太陽はまた収縮する。このヘリウムが燃え尽きていく時に炭素が生産される。
ヘリウムを1億年ほどで使い果たして、いよいよ太陽には燃やす材料が尽きてくる。そして次第に小さくなっていき、新たな核融合は行なわれず、エネルギーは生産されない。あとは太陽はゆっくりと時間をかけて冷え切っていく。
これが、太陽の最後である。今から約76億年後のことである。
② ダイヤモンドに関する基礎知識
ダイヤモンド(金剛石)は結晶構造を持つ炭素の同素体のひとつであり、天然で最も硬い物質である。
宝石や研磨剤として利用されている。電気は通さない。
ダイヤモンドの名前は、ギリシャ語のadamas(征服できない、懐かない)に由来するという。
ダイヤモンドの母岩はキンバーライトという岩である。このキンバーライトは古い地質構造が保存されている場所にしか存在しない。
ダイヤモンドが硬い理由は炭素原子同士が作る共有結合に由来する。
世界最大のダイヤモンドの原石は3000カラット(1カラットは0,2グラム)であるそうだ。
③ ダイヤモンドになったとされる星について
ダイヤモンドになったとされる星は、地球からおよそ50光年のかなたのケンタウルス座で発見された。
その直径は4,000km、重さは10の34乗カラットに相当する。
この星の正体は白色矮星(わいせい)で、ダイヤモンドの構成元素である炭素で出来た核の周りに水素とヘリウムの薄い層がある。(図3)
星の振動の様子を調べることによって、内部に炭素の結晶があることがわかったらしい。
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以上、本論の途中までとなったが、表題自由研究の前半部分を転載させていただいた。
次回以降に、結論部分を含めた後半部分を転載・公開する予定だ。
サリバンとして娘の学習の手伝いをする際、いつも配慮していたのはその時々の娘の学習能力の程を見極めることだ。
今回の場合もレポート内容はともかく、中学生らしい言語表現を視野に入れていたつもりだが…
(参考だが、我が娘は幼き頃よりのサリバン指導の甲斐があったのか、加えて漢検準2級に既に合格していたこともあり、言語文章表現力は比較的高かった。)
それにしても今読み返してみるに、当時の娘の実力よりも難易度が高かったかな? などと思ったりもする。
レポート内容に関する私見だが。
現在の太陽が「壮年期」であるとの自らが少し前の過去に調べた記述に、今更ながら大いに安堵させられた。
太陽系内に生を受けている地球上に暮らす我々人類が方向性を誤らない限り、まだまだ安泰と…