原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「医者いらず」を国民に動機づける方策とは

2014年12月04日 | 医学・医療・介護
 昨日(12日3日)の各メディア報道によると、造影剤誤注射で患者が死亡し、女性医師が書類送検されたとの事だ。

 事の詳細をネット調査したところ、複数の情報が得られた。

 読売新聞昨日7時32分ネット発信報道を以下に紹介しよう。
 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)で今年4月、造影剤の種類を誤って注射された入院患者が死亡した医療事故で、警視庁は、誤注射した女性医師(30)を近く業務上過失致死容疑で東京地検に書類送検する方針を固めた。 同庁幹部によると、医師は4月16日、足腰の痛みを訴えて検査入院した女性患者(当時78歳)の脊髄の造影検査を行った際、脊髄への投与が禁止されている造影剤「ウログラフイン」を誤って注射した疑い。女性患者はけいれん発作を起こして意識を失い、約6時間後に死亡した。
 ウログラフインは尿路や関節などの撮影に使われる造影剤で、脊髄に使用すると重い副作用を生じる恐れがある。医師は脊髄の造影検査を1人で行うのは初めてで、調べに対し、誤注射だったことを認めているという。 (以上、ネット情報より引用。)

 さらに、毎日新聞ネット報道によると…
 国立国際医療研究センター(東京都新宿区)で今年4月、造影剤の種類を誤って投与された女性患者(当時78歳)が死亡した医療事故で、警視庁捜査1課は3日、同センター整形外科の女性医師(30)を業務上過失致死容疑で書類送検した。 送検容疑は4月16日、腰の痛みを訴えて検査入院した女性の脊髄(せきずい)をエックス線撮影する際、脊髄への投与が禁止されている造影剤「ウログラフイン」を注射し、急性呼吸不全で死亡させたとしている。 女性医師は医師になって5年目の研修医で、同課の事情聴取に「脊髄に使ってはいけない造影剤とは知らなかった」と容疑を認めている。 (以上も、ネットより引用。)


 一旦、原左都子の私論に入ろう。

 何故同じような報道をあえて冒頭に二つ並べたのかについては、元医学関係者である私なりの理由がある。 医師の誤注射により短時間後に死に至った78歳女性患者氏の「病名」こそが知りたかったのだ。
 ところが残念ながら、上記2情報共に「足腰の痛み」「腰の痛み」との記載があるのみで病名は記されていない。
 その事実から鑑みるに、この78歳女性患者氏はたかだか“足腰の痛み症状”で、何故病院受診して「脊椎エックス線撮影」なる危険を冒してまでも、今更足腰を丈夫にする必然性があったのだろうか??? なる疑問符が我が脳裏をもたげるのだ。
 私自身が現在身近に80歳を超える女性高齢者を2名抱えているが、もう既に十数年前から実母・義母ご両人共に「足腰が痛い」なる訴えを日常茶飯事に私相手にしてくるのが実情だ。  義母など本気で80歳直前頃に足の手術に挑もうとした時期があった。  良心的な医師よりの“手術よりも自助努力を”とのアドバイスに恵まれ、高齢にしての手術なる危険を回避して現在に至っている。 お陰で義母は今83歳の年齢に相応しい程度に、そこそこ一人で外出可能な歩行力を維持出来ている。 

 今回の医療過誤事件の担当医師が、わずか30歳の研修医だったとの事実も引っかかる。
 この医師(研修医)は、現在の老人医療の現実を真に我が事としてわきまえていたのか? 何でもかんでも医療手段により治癒出来るなる身勝手かつ勘違いの使命に燃えつつ、医師として独りよがりに禁止造影剤である事を確認せず検査に挑もうとしたのではなかろうか? 
 もちろん、病院内のフォロー体制にも問題があろう。 もしもこのような医療事故が起こる事を前提に臨床現場である病院内での医療体制が取られていたのならば、事故発生は回避出来たであろうに…。

 ところが現在の臨床医療現場に於いては、末端で働く医療従事者達(医師を筆頭としてパラメディカル職員すべてを含め)が日々の激務に音(ね)をあげ、切羽詰まっている現状と私は理解している。
 これら臨床現場医療者達の激務を救わねばならない事実も、今後の国政に於ける緊急課題であろう。


 ここで話題を大幅に変えるが、末端市民が“めくら滅法”「医療」に頼り過ぎる事実こそが、国政に於ける国民医療費を膨大に膨らませている現実を造り上げているとも言えよう。

 この原左都子など元医学関係者である事が大きいのだが、今尚「医療」に依存しない生活を貫いている。
 この春に両腕を骨折して、やむなく整形外科医を受診したのが私にとっては5年ぶりの医療受診だった。それも全治2ヶ月診断にもかかわらず、(X線撮影による副作用を拒否したいのが一番の理由で)自己判断の下わずか2週間で自主的に診察を終了している。(一般国民の皆様、決して真似はなさらないようにお願いします。


 そんな中、国政・国民を操る立場にある人間集団の中にも(私利私欲に駆られていない)良識ある人材は、原左都子同様に巨額に膨らむ「国民医療費」こそを縮小せんと頑張っているようだ。

 以下に、少し古くなるが朝日新聞11月1日付 「無理なく『医者いらず』を動機づける仕組みとは」 なる記事から一部を要約して紹介しつつ、私論を交えよう。
 (朝日新聞記者同僚氏曰く)、「たとえば1年間医者にかからなかったら、本人や家族に何か得になるような仕組みを取り入れるのがいい。」
 まさに原左都子など、(骨折以外は)既に何年にも渡って医療のお世話になっていない。 にもかかわらずまめに多額の保険料を支払い続けている健保組織より、返金してもらいたい思いをずっと描いていたと言える。

 例えば岡山県総社市では、これを既に実行している様子だ。 1年間保険診療を受けなかった世帯には現金1万円キャッシュバック制度を昨年度から始めているとのことだ。
 世界に目を向ければ、シンガポールの社会保障は国民の「自助努力」を基本にしているらしいが、医療費に於いては“積立金制度”を導入しているとの事だ。 要するにこの制度に従って「自助努力」により健康維持を図り医療機関を頼らなかった国民には、老後にして余剰の積立金を次世代に“非課税”で相続出来る制度を採用しているらしい。

 私自身元医学関係者との事情もあるが、(政権と医療業界との癒着が激しい)我が国の旧態依然とした医療にほとんど依存せず、あくまでも「自助努力」により「予防医学」及び「自己診断」にて現世を生き延びている。 そんな“医者いらず”の私がもしもシンガポールに生まれていたならば、近い未来には我が娘にある程度の額に及ぶ相続を成し遂げられたのかもしれない?!、 などと思ったとて、日本に住んでいる以上それは夢物語であろう…。

 それにしても(一応先進国を名乗る??)我が国に於いて、膨大に増額する一方の「国民医療費」の扱いを一体全体国政及び国民は如何に捉えているのか!?!
 この論点も、解散総選挙時の各党の一議題として掲げて欲しい思いだ!

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