(冒頭写真は、朝日新聞2021.10.16付別刷「be」漫画 中川いさみ氏作「コロコロ毛玉日記」を転載したもの。)
この漫画を読んで、(我が同類がいるんだ!)とやたら安堵した原左都子だ。
漫画のストーリーをまとめると。
内視鏡検査の苦手な中川氏が、以前その検査中に。
あまりに苦しくて、医師の前でその内視鏡を自分でガーーーーーーー!!と引っこ抜いてしまった!
その行動を、担当医師からすんごい怒られて、
それ以来、内視鏡検査がトラウマになってしまった。
時が流れ、またもや内視鏡検査をする機会が訪れたが、
その前に前立腺の生体検査を経験して、
下から入れられるより、上から入れられる方が絶対に楽!と悟っていた。
そして内視鏡検査終了。
全然楽で、悪いところもなく、弁当2つ買って帰った。 とさ。
話題を、我が医学部生時代に移そう。
その日は、学生である自らがゾンデを飲んで胃液と十二指腸液を採取し、自分の検体の検査(胃液の酸度測定等々)を実施するとの課題が課せられた。
参考だが、この時に限らず大抵の検査実習は、自分の体内から対象物質(血液等々)を採取して実行したものだ。
さて、朝9時から開始した実習だったが。
ゾンデをまるで素麺をすするがごとくスルスル飲めて、とっとと胃液と十二指腸液を採取し、その検査実習に入った学生が多数の中。
劣等生とは必ずいるもので、数人がゾンデを飲むのに苦慮し。
それでも1時間経過し、2時間経過した頃には、ほぼ全員がゾンデを飲み終えたようだが。
最後に残ったのが、この私だった!
どうしても、ゾンデが喉を通らない。 無理に通そうと頑張る程に「オエーーーー!!」と吐き出す繰り返しで。
その苦しみと言えば、まるで地獄に突き落とされている感覚なのだが。
12時近くなっても、実習生の中で私だけゾンデが飲めず、鼻水と涙とオエーーーー! という都度胃から出てくる胃液で顔面ドロドロ状態の私に。
やっと、担当医師先生が声をかけて付き切って下さった。
「貴方はどうも神経質なようだなあ。 もう少しリラックスしようか。」
そんなこんなで、何とか胃液のみは少量採取できたが。 結局十二指腸液は採取不能に終わった。
その後、昼休み中に一人で実験に入ったものの、十二指腸液は学友の残りをもらっての検査実習と相成った。😭
という訳で、医学部生時代の実習は何とかなったものの。
この後の我が人生に於ける、ゾンデ(内視鏡も含めて)のトラウマが物凄いものがあるのだ!
まずは30代後半期に、かなり重い十二指腸潰瘍を患った。
その際に大学病院を訪れた際、案の定担当医から「内視鏡検査」を指示された。
これに応えて私が訴えたのが、「先生! 私はどうしても内視鏡が飲めません! 学生時代にゾンデを飲む実習があって…(以下略)」
とても患者思いの医師先生だったことに助けられた。
先生曰く、「私の診断では、おそらく十二指腸潰瘍で正しいと思います。 それ程までに内視鏡を拒否されるのでしたら、とにかく私の判断で十二指腸潰瘍薬を処方しておきましょう。 それが効くとよいのですが、もし効かない場合はすぐに病院へ来てください。」
結果としてはそれが十分に効いて、私は元気に蘇ったものだ。
(参考だが、この頃私は国際恋愛をしていた。その相手が抱える諸問題で心身ともに疲れ果てていた時代だ。 十二指腸潰瘍を患って何ら不思議でなかった。)
その後も、近年胃腸不具合で近隣の医院を訪れている。
やはり、主治医から内視鏡検査を指示されたが、それを断ってその後難無きを得ている。
おそらく原左都子は、今後の人生に於いて絶対的に内視鏡検査を避け切ってこの世を生き抜くことであろう。
それにしても、漫画家の中川氏は。
下(前立線)の生体検査に耐えられたらしい!!
私がその検査を受ける日は永遠に来ないだろうが。 その検査場面を想像するだけで激痛とその他の複雑な心境が十分に伝わる思いの原左都子だ。
漫画家の中川氏って、元医学関係者の立場からも、強い精神力の持ち主だと尊敬申し上げたいものである。