原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

“左都子の微細な幸せ発見小旅” ー 「十二ヶ月図展」観賞編 ー

2019年02月12日 | 芸術
 (写真は、昨日2019.02.11に出かけた講談社野間記念館にて現在開催中の「四季の彩りと趣き 「十二ヶ月図展」のチラシを撮影したもの。)


 昨日、私は職場が3連休中の娘を誘って、自宅から東京メトロ乗車で15分程で行ける上記美術館を訪れた。

 今回下車した駅は東京メトロ有楽町線「江戸川橋」駅だが、メトロ沿線暮らし16年にして、この江戸川橋駅で下車するのは昨日が初めての事だった。 (メトロ有楽町線内駅の中で未だ下車していなかったのがこの「江戸川橋」だけだった事実に昨日気付かされ、我ながら改めて驚いた。)

 地上に出ると、すぐそこに「江戸川橋」がある。(へえ。実在する橋だったんだ…)などと妙に感動しつつ、目的地である講談社野間記念館へ向かう。
 その道中、何故か小さめの神社仏閣が密集していて独特の雰囲気のある街並みだ。
 文京区関口のこの界隈はそれら神社仏閣を中心に高級住宅街の様子で、都会の喧騒とは無縁の趣ある佇まいの癒される地だった。

 「江戸川橋」から徒歩約10分、ずっと坂道を上った場所に、ホテル椿山荘の隣に講談社が経営する「野間記念館」なる美術館がひっそりと存在していた。
 当該野間記念館も昨日初来館だったが、これまた癒される空間だ。
 入口の門をくぐった後、樹木の緑が美しい広大な敷地の奥に野間記念館の建物がある。


 その「講談社野間記念館」にて、現在「四季の彩りと趣き 十二ヶ月図」と題する美術展が開催中だ。

 以下に冒頭の美術展チラシより、当該美術展の開催趣旨を転載紹介しよう。
 日本は、世界でもまれな季節の移り変わりにみられる彩りや趣きに恵まれた国です。 それ故「十二ヶ月図」の由来は、遠く平安時代へとさかのぼる事が出来るのかもしれません。 近代日本画家たちもまた、日本の美しい四季の移ろいを捉え、色紙「十二ヶ月図」という舞台で、個性あふれる美の競演を繰り広げました。 講談社の初代社長と近代画家たちの交流が生み出した、およそ500タイトル、計6000枚を超える作品群は、野間コレクションの真骨頂といえるものです。 月ごとの暦のごとく日本の美を切り取った「十二ヶ月図」。 近代日本画壇で活躍した画家たちを俯瞰するかのように、その秀作、佳作の数々をお楽しみください。

 主な展示作家
  北野恒富・川合玉堂・上村松園・鏑木清方・伊東深水・山川秀峰・勝田哲・木村武山・橋本静水・堂本印象・福田平八郎・中村大三郎   ほか

 (以上、美術展チラシより転載したもの。)


 ここで、原左都子の今回の美術展鑑賞の感想を述べよう。

 いやとにかく、江戸川橋駅から坂道を歩いた感覚と、その後野間記念館内に入館した感覚…
 それがそのままに「美術展」がその“続編”として待ち構えていてくれたような不思議な感覚に陥った。

 その連続した空間を遮る何らの邪魔ものも無く、私はすんなりと「十二ヶ月図」展の世界へ入り込んだ。
 これ程までに展覧作家作品が数多く公開されているとは予想もしていなかったのが、正直なところだが。
 すべての作家の「十二ヶ月図」の対象物が、当然ながら異なる。
 美人画・植物・動物・風景・季節の風物詩、等々……

 それにしても、当該美術展の主題である、「日本の四季の移り変わりにみられる彩りや趣き」を作家達が表現して余りある展覧会だった。

 展覧会の最終場面付近に、一シリーズのみ「日本の四季」ではなく、外国の風景を描いた12枚の作品が展示されていた。 (その作家名も確認せずして帰宅してしまった私だが。)
 その中に、私が過去に訪れたフランスセーヌ川やノートルダム寺院、あるいはイタリアベニスの風景を描いた作品が展示されていた。
 それら12枚に描かれた風景が他の「日本の四季」作品群と隔離された画風の感覚はまったくなく、「十二ヶ月図」展の中に自然に溶け込んでいたことに更なる感動を抱かされた。


 今回の「講談社野間記念館」にての美術鑑賞は、既に若くもない原左都子に次なるチャレンジ啓発を提示してくれた思いもある。

 これぞ、表題に記した “左都子の微細な幸せ発見小旅” なるテーマだ。

 自宅からこれ程近い場所にこんな素敵な美術館空間が存在していた事実に、大いに感激させられた昨日の小旅行だった。
 しかも周辺には、今後探索するに値する小規模な神社仏閣も点在している。

 何も“どデカイ冒険”を目指さなくとも、これ程お手軽に今後の我が人生を更に活気付けてくれそうなスポットが存在する事実に巡り合えただけでも、私は恵まれていると言えよう!
 生来的に、私は“集団嫌いの一匹狼”派だ。
 そんな私を応援してくれるかのような“幸せスポット”を自力で発見できた事実に、私こそが勇気付けられる。
 

 野間記念館の美術品収蔵も十分豊富な様子であり、また別の美術展に足を運ぶことが今から楽しみだ。♪♪