原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

続・国は沖縄県民を日本国民として扱っていない

2018年02月07日 | 時事論評
 昨日、青色申告会会場を訪れ、私が5年前より代行担当している義母の「青色申告」を終えて来た。

 何分高齢者介護施設入居後認知症状が日毎悪化する義母故に、今となっては過去に自身が事業を執り行っていた事実すら忘却の彼方だ。 ましてや、5年前からそれを私が全面的に管理し、この時期に毎年税務申告を代行していることなど、今に至っては義母は露知らないのではないかとも感じる。
 故に毎年苦労してそれを代行したとて、ねぎらいや御礼の一言ももらえない寂しい状況下での孤独な作業でもある。 
 (参考だが、税務代行手数料は自主的にちゃっかり貰い、必要経費として税務申告しているのだが…


 標題にテーマを戻そう。

 そんなこんなで義母の青色申告最終処理のため、エッセイ執筆をしばらくお休みしていたのだが。
 昨夜久しぶりにgooメール画面を開くと、「原左都子エッセイ集」1年前の2017.02.06に公開した表題エッセイの記載があった。

 実にタイムリーに、先だって2月4日の名護市長選にて、米軍基地辺野古移設阻止に向け精力的に闘って来た稲嶺進市長が落選するとの結果に打ちのめされていた私だ。


 それでは早速、ちょうど1年前の2017.02.06公開「国は沖縄県民を日本国民として扱っていない」と題する我がエッセイの一部を、以下に約して紹介しよう。

 「(国は)沖縄県民を日本国民として扱っていない」なる言葉は、国の工事強行着手に対する稲峰市長の抗議発言だ。 先程NHKニュースにて見聞したばかりだ。
 別のネット情報の一部を引用しよう。
  沖縄の美しい海を埋め立てて巨大な米軍基地を造るための工事がまた一歩進んだ。 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に向け、政府が6日、初めて海上工事に着手した。
 まだ真っ暗な午前6時前、前夜の雨もあり肌寒いキャンプ・シュワブゲート前に続々と移設反対派が集結。約150人が「辺野古新基地NO」「辺野古埋立阻止」などと書かれたプラカードを掲げるなどして抗議の声をあげた。 某男性は、「市民の意思を今日示さなければ、政府の意向を沖縄が黙認したことになる。民意を無視しようとも県民の意思は揺るがない」と語気を強めた。
 「帰れ!帰れ!」 作業員達に対し、反対派はゲート前で腕を組んで壁を作り声を張り上げた。 一進一退のせめぎ合いの末、午前10時半ごろ足止めとなっていた車両がキャンプの方へ。 機動隊は約80人を次々に排除。腕をつかまれた高齢の男性は「県警は県民とアメリカとどっちが大事なんだ」と叫んだ。
 ゲート前には、辺野古への移設阻止を訴えるため翁長雄志知事と稲嶺進・名護市長も駆けつけた。せめぎ合いの末、足止めとなっていた車両がキャンプの方へ。 機動隊は約80人を次々に排除。「アメリカでも、沖縄の置かれている状況はよく聞いてもらえたと思っている。 全く無視し続けるのは日本政府だ。 訪米中に防衛大臣が『辺野古が唯一の解決策』との見解を示すなど、恥も外聞もない」と怒りをあらわにしていた。
 (別ネット情報を引用したもの。)

 「原左都子エッセイ集」バックナンバーに於いて、私は幾度か米軍沖縄基地移転問題をテーマに取り上げている。
 ひとつ思い出すのは、「いっそ東京・永田町に米軍基地を沖縄から移転せよ!」と主張したエッセイだ。 
 当該エッセイには様々なご意見を頂戴した。 「冗談でしょ。 そりゃ無理だ。」 「米軍基地は沖縄という位置にあってこそ日米安保条約を遂行可能だ。」等々……
 ただ、私は冗談や酔狂でこのエッセイを公開したつもりは毛頭無い。(表題に掲げた名護市稲峰市長のご発言通り)、沖縄県民とて日本国民である事実をもっと国民皆が(たとえ想像力内でも)実体験として理解するべきだ。
 ましてや、沖縄の皆さんに長年課し続けている米軍基地を抱える危険性及び重圧、そして心の痛みを、国家政権こそが我が事として受け入れるためにも本気で永田町に移転するべき! と発信したくもなったのだ。
 東京都民である私自身も、沖縄の皆さん同様の痛みを味わう覚悟を決めてこそ、本気で米軍基地問題を語れるとも考えた結果だ。
 近年の例を挙げれば、2015.10.29公開 「沖縄県民民意を踏みにじる辺野古埋め立て強行着工」 とのバックナンバーにても私論を公開している。
 もしもこの先、現沖縄県知事であられる翁長雄志氏が「米軍普天間飛行場辺野古移設計画」を白紙に戻すとの快挙を成し遂げられたなら、私は是非とも翁長氏を“ノーベル平和賞”候補者として推奨したい。 それ程までに翁長氏知事就任以降の「辺野古移転阻止」に向けた精力的な闘いぶりに賛同申し上げつつ、陰ながら応援させていただいている。
 初当選を決めた翁長氏は次の発言をした。 「私が当選したことで基地を造らせないという県民の民意がはっきり出た。それを日米両政府に伝え、辺野古の埋め立て承認の撤回に向けて県民の心に寄り添ってやっていく」と述べた。 「今度の知事選は、公約破棄である埋め立て承認に対する県民の初めての判断になる。だからこそ結果をしっかりと出す必要がある。 私たちは『オール沖縄』とよく言っているが『イデオロギーよりもアイデンティティーが大切』ということだ。」
 私(翁長知事)からすれば、日本全体で0・6%しかない沖縄に米軍基地を押し付けておいて、抑止力も何もないと思う。 日本国民全体で守って初めて抑止力が働くのであって、「日本国全体で守る」という素地をつくっておかないと抑止力にならないと思うし、日本国の決意は見えない。このままでは沖縄戦の70年前と同じだ。 (以上、ネット情報より翁長雄志氏のポリシーの程を紹介したもの。)
 原左都子の私論でまとめよう。 
 翁長氏の素晴らしところは選挙前の公約通り、この1年足らずの間にご自身の身の危険をも顧みず「辺野古移設取消」に向け、出来得る限りの行動を起こされた事実だ。
 本日(2015年10月29日)、政府が沖縄県民の民意を無視して辺野古埋め立てに向け工事を着工したのも事実。の事態に対し翁長知事は、以下のように反論している。 「はなはだ遺憾で断じて容認できない。 国が代執行等の手続きで司法判断を問うならば、判決が出るまで作業を開始するべきでない。」
 まさに翁長氏のおっしゃる通りだ。   日本は法治国家であるはずだ。  安倍政権内には、それを安倍氏に正せる学識経験者が一人として存在しないのか!?   それとも、何故それ程までに安倍政権が米国迎合にこだわるのだ??  少し腰を落ち着けて法治国家のあり方を安倍氏自らが今一度問い直すべきだろう。 
 そして、特に国家の歪んだイデオロギーの下長年翻弄され続けて来た沖縄県民のアイデンティティこそを今後尊重するべく行動するべきだ。  (「原左都子エッセイ集」2015.10.29公開エッセイより一部を要約引用したもの。)
 本日(2017.02.06)朝の名護市辺野古沿岸部での普天間代替施設の建設に向けた海上工事開始との国家の対応に関して私に言わせてもらうと、まるで “ヤクザもどき” の手法だ。  何故、安倍政権はそれ程までに沖縄県民をいたぶりたいのか?!?  おそらく翁長知事が米国要人との会合が叶わなかった事実を速報で知り、“今こそだ!” と事を焦ったのではあるまいか?
 沖縄県の皆様、どうか翁長知事や稲嶺市長の下、少しでも辺野古移転阻止に向けて良き結果を導かれますように。

 (以上、長くなったが本エッセイ集2017.02.06バックナンバー「国は沖縄県民を日本国民として扱っていない」より一部を要約引用したもの。)


 ここで、当該gooにブログを公開されている医師・大学院講師であられるM氏(とさせていただくが)の米軍基地辺野古移転に関するご意見を紹介させていただこう。
 M氏はご自身の専門の内科学関連講座を日々ブログ上に公開されている傍ら、沖縄基地問題を含め政治問題に多大なる関心を持たれ、それらに関するご見解も重ねてブログ内で熱弁されている人物だ。
 原左都子より機会ある毎に稚拙なコメントを入れさせていただくのだが、恐れ多くもそれに対し必ずや返答コメントを頂戴している。

 以下に紹介するのは、名護市長選にて稲嶺氏が敗北した件に関するM氏のご見解である。

 大型の公共事業(再生交付金のことですが)という飴で建築屋を徹底的に締め付け、或いは多くの創価学会員を名護に移転させた公明党・創価学会、そして加担した維新勢力、…結局のところ彼らは思考停止して、全て目先のことを取り繕うことしか出来ないアベ自公政権を変えない限り、沖縄の基地問題は解決しないと思うのと、政府と正面から対峙して「海にも山にも新しい基地は造らせない」という信念を貫いて来た稲嶺さんに、多くの名護市民は勿論のこと、「本土」の私たちも励まされてきたという一面もあります。
 今回の選挙の敗北はこれからも厳しい状況を齎しますが、10、20、30年前も同じような厳しい状況でした。それを耐えて跳ね返して来たから、今があるのであって、この8年間の稲嶺市政の成果をこれからに生かさねばならないと思っているところです。
 辺野古新基地建設阻止の闘いは、行政権限による抵抗も勿論重要です。だが決定的な事は沖縄県民がどれだけゲート前、大浦湾に結集し、実力で阻止する行動を取り得るかにあるとも思います。
 その意味で、現場での阻止・抗議行動がより一層に重要になると考えられます。
 沖縄に米軍基地を集中させているアベ政権の徹底した沖縄差別に屈服したら、沖縄・名護市民の苦しみは更に深くなります。「基地容認」が名護の民意だと宣わっている政府の政治屋や役人は、沖縄県民・名護市民のことを腹の中であざ笑っていることだろうと思うと同時に、米軍に奉仕することしか出来ないそういった連中によって、沖縄県民・名護市民が犠牲を強いられることを絶対に、絶対に許してはならない。
 と思いも新たに沖縄の闘いに再び拘りたいと思っている處です。
 (以上、gooにブログを公開されているM氏のコメント欄返答を転載させていただいたもの。)

 上記M氏による文面を読ませて頂き、辺野古強制移転に関する与党安倍自公政権の“汚いやり口”を再確認させていただいた。
 それと共に、今後も我々国民は8年間の長きに渡る稲峰氏を筆頭とする名護市民の辺野古新基地建設絶対阻止の闘いの意思を引き継ぎ、沖縄平和奪還のために共に行動をするべき思いも新たにさせて頂けた。


 最後に、原左都子の私論でまとめよう。

 現沖縄県知事であられる翁長氏が、知事選に於いて掲げた「イデオロギーより(沖縄県民の)アイデンティティこそが大切」とのスローガンが、未だに我が脳裏に鮮明に刻み付けられている。
 
 今回の名護市長選挙に於いては、その勝敗の差が僅差だったのが特徴的かもしれない。
 そして渡具知氏に投票した市民も、決して全面的に米軍基地辺野古移転を希望している訳ではない様子でもある。 あくまでも生活のギリギリ感を訴え経済の活性化を望むがあまり、停滞した雰囲気を変えたかったとの意見が多数派のようだ。

 「国からお金を持って来て!」と叫ぶ名護市民も存在する様子だ。
 まさに、名護市民を筆頭として沖縄県民の “アイデンティティ” の今後のあり方が問われているかのように感じさせられる。
 与党安倍自公政権の“汚いやり口”では、到底それが奪還出来るすべもないとの無念感も抱かされる。 

 真の沖縄平和奪還のあるべき姿勢が、国民皆に問われた名護市長選挙だったような気がする。