原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

この国はあと何年で破綻するか?

2018年01月04日 | 時事論評
 表題に対する原左都子の極論私論を言うならば、もう破綻していると言って過言ではないかもしれない。
 少なくともこの国は、“時限爆弾を抱え怯えている状態”と表現出来るのではなかろうか?

 膨大な国家債務は元より、凶悪犯罪多発、子どもの貧困化、原発事故後処理問題、激甚災害の頻発発生…… 
 山ほど超難題を抱えつつ、まるで“砂上の楼閣”状態の彷徨える国家に我々は暮らしている現状である事には間違いない。


 「原左都子エッセイ集」 2017.12.24 付バックナンバー 「膨大に国家債務が膨らむ中…」に於いて、私は以下の記述をしている。 一部を要約して以下に紹介しよう。

 昨夜、NHKだったと記憶しているが、捨て置きならぬ報道ニュースを見た。  何でも、現在の若者達(20代程)の多くが、安倍政権を支持しているのだと言う。
 若者インタビュー結果として報道されたその理由とは。 「安倍政権が一番安定しているから、安倍政権を支持しておけば将来が安泰だ」
 安倍政権不支持派としては、まったくもってアンビリーバブルな回答だ。
 こんな政権が長年続いてしまったら、将来貴方達に膨大な国家債務負担が重荷としてのしかかってくる事実を何故理解出来ないのか!
 表向きの安倍の無責任持論に騙されている場合ではなかろうに……
 (以上、本エッセイ集バックナンバーより一部を要約引用したもの。)


 表題に掲げた我が質問 「この国はあと何年で破綻するか?」 に応えてくれるかのような朝日新聞記事を発見した。
 早速、朝日新聞2018.01.03朝刊 経済ページ 「現実を見つめる勇気 未来のために 危うい財政 小説で警告鳴らす」と題する 作家 真山仁氏に対するインタビュー記事より一部を要約引用しよう。 

 日本は破綻しない、という人もいるが。 (朝日新聞からの質問)

 (以下は真山氏の回答。)

 「リーマン・ショック後に雑誌の企画で財政危機に陥った東欧に行った。 その時、現地の政治家やジャーナリストから『なぜ、日本は破綻しないのか。借金の額はうちよりも何倍もあるのに』と質問された。 確かにおかしな話だ。日本の常識は、海外では非常識なことが多い。」
 「今、そこにある安全というのは大抵もろい。 専門家に詰めると、2020東京五輪・パラリンピック後が危ういとか言い始めている。 しかも日本が経済規模が大き過ぎて、破綻したらIMFにも他の国にも助けてもらえない。 あと何年で爆発するのかは正確には分からないが、時限爆弾は動いている。 財政問題のポイントは、危ないことは分かっているのに、誰も逃げようとしないことだ。」
 
 「財政危機とは、なかなか一言では言い表せない。 時限爆弾で爆発したところは(小説では)書けない。 次の日に誰かが死んだり、どこかが壊れたりするかといったら、きっとそうはならない。 1年くらい後にハイパーインフレになるなどして、大変なことになるのだろう。」
 
 「日本人の頭の中はいまだに右上がりだ。 だから、現実と意識が隔たっている。 我々は低成長ではなく下降しているのに、成長過程のルールが守られている。 農業も中小企業も補助金を出せばいいと思っている」 
 「お金が足りないのだから国民にも我慢してもらう必要がある。 我々は没落貴族で、もう荘園はなく、ワンルームに住んでいて預金も封鎖されるかもしれないような状況。 でも、実際は増税を掲げると選挙に負けると政界で言われ、それもひっかかる。 歳出削減や増税に反対するのは現世での利益を追求する人達。 でも財政は未来の話。 今の1千兆円の借金は、今の1億人で割るのではなく、これから生まれる3千万くらいの人で負担することになる。」
 「原発事故の時のように、財政問題でも『騙された』とか『知らなかった』と言わせたくない。 今を生きることは大事だが、人間は未来に何かを残すために生きている。 最初に誰かが言わねば、誰も動かない。 小説家として、自分達の世代の責任として、真剣に伝え続けたい。」

 (以上、朝日新聞記事より一部を引用紹介したもの。)


 最後に私論に入ろう。

 上記朝日新聞記事内 作家 真山仁氏のインタビュー回答内容に概ね同意する。

 特に、いつをもって「国家破綻」と結論付けるのかに関する氏の発言内容が興味深い。
 北欧においてはこの膨大な金額の借金を抱えた時点で既に「国家破綻」であるのに、何故日本は「破綻」と結論付けられないのか? 確かに“おかしな話”であるし、イコール“恐ろしい話”でもあろう。
 もっと恐ろしいのは、日本の場合経済規模が大き過ぎてよもやの場合にIMFにも他国にも助けてもらえないとの点だ。
 この責任の大本は、無責任・無防備にも大々的にアベノミクス経済政策を掲げた安倍政権にあることには間違いない。 その安倍首相は性懲りもなく、本年度も更なる膨大な国家予算を盛り込む結果となってしまっている。 

 真山氏へのインタビュー回答内で一点私が指摘したいのは、国民の多くの人々の脳内が“右上がり”だから「現実と意識が隔たっている」と真山氏が捉えている点だ。
 もちろん、未だに日本経済が「右上がり」と信じる人もごく一部存在するのだろう。 

 ただ、私は到底そうは思わない。

 その種の人達とは、特に現在の安倍政権下では少数派ではなかろうか? 
 未だこの国の経済が「右上がり」だと信じる人種とは、要するにアベノミクス経済の恩恵を受けて“のうのうと”暮らしている一部の階級に限定されるのではなかろうか??
 その他大勢の “アベノミクス経済政策”の“おこぼれ”を頂戴してやっとこさ生き延びる事を運命付けられた国民達は、このご時世に於いて貧困にあえぎ過重労働に苦しんでいる実態だ。
 これでは必然的に凶悪犯罪も起こるし、自殺者が多発するだろうし、私など、その元凶は安倍政権にあると言いたいものだ。

 しかも、現世に生きるポリシー無き若造達の未来も気がかりだ。
 何度も言うが、何故貴方達は安倍政権を支持するのだ??  これぞ、国民の「政治離れ」故と結論付けたい。
 それら若者達の親世代は確かに「右上がり」経済バブル人生を堪能したのだろうが、今後この国を生き伸びねばならぬ世代は、国家巨額債務なる未来への最大汚点と闘わねばならない運命下にあるのだ。

 まさに朝日新聞の表題通り、「現実をみつめる勇気 未来のために」。
 特に若者世代には、この国が抱えている近い将来 “国家破綻”に至らんとしている膨大な国家債務の現実を、是非とも冷静に見つめて欲しいものだ。