原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

下っ端同士で歪み合うより組織体制自体を見直そう

2014年09月04日 | 時事論評
 昨日3日、「第2次安倍改造内閣」が発足した。
 安倍首相は3日夜の記者会見に於いて、「引き続き経済最優先でデフレからの脱却を目指し、成長戦略の実行に全力を尽くす。 私たちの改革はまだ道半ば…」等々と述べた様子だ。

 その意思表明の割には、経済産業大臣に小渕優子氏の登用だ。 この女性が元首相である小渕恵三氏の娘さんである事は皆さんもご存知であろうが、(原左都子が少し調査したところ)経済産業に関するバックグラウンドが何ら無いと言ってよさそうである。 (余談だが身長のみは168㎝と高く、上から下を見下すにはもってつけかもしれないが…)
 要するに世襲二世との“知名度”のみでの抜擢と、国民から勘繰られてもやむを得ないのではなかろうか。

 安保相を固辞した石破茂氏には「地方創生相」なる椅子を用意した安倍首相であり、それを受諾した石破氏である。 何をする省庁なのか得体がしれないものの、自民党内外で人気が高い石破氏を、安倍氏が死守しておいた方が得策との策略が見え見えだ。

 幹事長に総理経験者の谷垣氏。 この人事も、要するに国民に対する“知名度”を優先したものと私は解釈している。

 女性5名の登用もかなり無理がありそうだ。 元経済産業副大臣の松島みどり氏以外は省庁経験が乏しく、如何なる政治力があるのか疑問だ。 (ただ前民主党政権に於いて閣僚に登用されていた蓮舫氏よりは、少しはマシな経歴を持った人物達なのかとの感想しか抱けない。

 近い将来に安倍首相が「第2次改造内閣」に失敗したならば自民党政権の今後がないのは歴然だが、はてさて今回の閣僚人事が上手く機能するのか否かを、国民は引き続き厳しい視線で見定めようではないか。


 ここで、話題を庶民レベルに移そう。

 昨日、私は大学夏季休暇中の娘と一緒に映画を観た後、イタリアンレストランにて夕食を楽しんだ。
 現在(のカジュアル系)イタリアンレストランとは世代を問わず女性に人気のようで、店内は女性客を中心として賑わっている。

 そうしたところ我々母娘が案内された席の後ろ席で、おそらく小中学校へ通っている子供を持つママ友達が繰り広げる議論を聞かされるはめと相成った。
 (私の推測によれば皆さん“専業主婦”のようだが)、有職者である母親達への怒りが収まらない様子である。  以下に、専業主婦ママ達の怒りの程を紹介しよう。
 「仕事を持ってるからPTAの雑用を免除して欲しいと(有職者の)母達は主張するけど、いつもボランティアで学校の雑用を手伝わされるのは我々専業主婦達だ。 あの人達は勤め先からお給料をもらっているが、ボランティアで学校の手伝いをしている我々には一切の報酬がない。 その辺を考えてもらって、有職者の母親達にも仕事を休んででも5回に一度は学校の雑用に参加するべきだ。」

 一旦、原左都子の私論に入ろう。

 ママ友達の“いがみ合い”現象に関し過去に幾度もエッセイを綴り公開している私にして、そんなママ達の苦悩の一部に昨夜レストランで今一度出会った気がする。
 ここで私事を述べるならば、原左都子自身が娘の義務教育時代に学校のPTA活動を一貫して避けて来たのは、“ママ友達との接触が鬱陶しい”それが主たる理由だ。 (特に、この種の“世間知らず専業主婦ママ達”こそ、私にとって実に鬱陶しい存在だったのが正直なところだ!)
 
 えっ? 世間ママ友達とは「有職ママ達は会社からお給料をもらているのに、専業主婦である我々が学校活動ボランティアをしたとて、一銭のカネにもならない」事態が一番の苦痛だったの??

 だったら、早く私にそう言ってよ! (と言いたいところだが、上記の専業主婦事例は現在少数派かもしれないと想像が付くような気もする…)
 私など、我が子が公立小学校入学直後より転校後の小学校卒業まで、公立小学校PTA活動の在り方に関して学校現場(ある時は校長宛)に意見書を提出し続けてきた立場だ。
 それはあくまでも原左都子個人の見解による行動であり、昨夜偶然イタリアンレストランで耳にした専業主婦ママ達の嘆きとは、次元を異にするであろうとは思うが…。

 それにしても、子を持つママ達にももう少し広い視野で物事を捉えて欲しい思いだ。

 学校PTAとは、そもそも法的には「任意参加団体」の位置付けにある。 その組織への保護者の参加は本来任意であるにも関わらず、恐らく学校長ですらPTAの法的位置づけを心得ていないであろう事は私も承知している。
 そうだとして、可愛い我が子を公教育現場である学校に入学させた暁には、必ず親こそが子供を守るべきなのだ。 その守り方に関しても悲しいかな、どうやら勘違いをしている親どもが多い現状かと推測する。

 周囲の様々な子供達と同じ学校へ我が子を通わせる以上その親とて多種多様であれども、皆同じ弱者の立場である事に変わりない。
 「仕事を持っている母がどうのこうの」 あるいは、「専業主婦として子供を育てているから何たらかんたら」を超越して、一人間として物事を捉えてみてはいかがか?
 そうした場合見えてくるのは、決して「母親」V.S「母親」の対立関係ではなく、 「学校」 V.S 「生徒・保護者」 との上下図式関係ではなかろうか? (公立の場合は、学校を統治している教委や自治体にまで標的対象が拡大するが)

 だからこそ、特に専業主婦のお母様方、「子供VS子供」あるいは、「母親VS母親」 なる狭い視野から今すぐ脱却する事をお勧めしたい。  貴方達が文句を垂れる相手とは、必ずや「学校」であり「教委」であり、はたまた「国政」であるはずだ!
 子供に寄り添う母親達こそが現在より少しづつ視野を拡大しながら子育てを実行した暁に、子供達の未来が繋げると信じ、原左都子は娘幼少期より苦悩・精進し続けている事をお伝えしたい。


 最後に「安倍第2次内閣」に関しての私論をまとめよう。

 過去に於いて、束の間の民主党政権より政権を脱却した安倍内閣発足時、私が一番注目したのは「アベノミクス経済政策」に他ならない。
 ところが昨日、安倍氏はその失敗を認めるがごとく、今更ながら再度“デフレからの脱却”を一番の趣旨として第二次内閣を発足した。

 さてさて、安倍内閣の今後の生命力とは如何ばかりなのか、国民の皆さん、鋭い視点でそれを見極めようではありませんか!!