70代後半の女性の患者さんが転んで両膝を打ったと来院されました。転倒した状況などを伺っていますと、患者さんが「うつ病で心療内科を受診しました」と自分から話し始めました。2か月前、気持ちが沈んで何もする気が起こらなくなり、心療内科を訪ねました。5分ほど、話を聞いた後、医師は緊張型のうつ病と言って、抗うつ剤を服用するよう告げました。
その抗うつ剤を朝、飲みますと、全く動けなくなり、昼までベッドを離れられなくなったといいます。午後になると、なんとか動けるようになりますが、気持ちが沈んで、吐き気が起こり、何もする気が起こりません。記憶力もどんどん落ちてきました。家族から「お母さん、どうしたの」と叱咤されますが、どうにもなりません。抗うつ剤の副作用ではないか、と考え、2週間ほどで、服用をやめました。気持ちは沈んだままですが、動けなくなることはなくなったそうです。
抗うつ剤の名前を聞いて、ネットで調べますと、眠気、倦怠感、吐き気などの副作用があるとあります。
タケちゃんは、うつ症状で苦しむ知人をどうサポートすればよいか、を学ぶため、心療内科を受けたことがあります。約1時間30分、私の成育歴、家族環境、知人との関係などをこと細かく聞かれ、ぐったりと疲れた体験があります。精神科医の問診は、それほど時間をかけて聞くものだと思い込んでいただけに、5分間で診断して抗うつ剤(副作用の強いものが多い)を処方するとは信じられませんでした。
心療内科を受けたらいかがですか、と私の口からもう言い出せません。
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