団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

人の口には戸が立てられません。ほっときましょう

2014-03-15 10:06:27 | アート・文化

「私もパーキンソン病患者です。」を著した柳博雄さん(72)は、朝日新聞社を定年後、認知症になった父を介護した体験などを生かして、介護新聞の発行を考えていました。家族介護から社会介護へ移行する橋渡し役を担いたい、と願っていました。そのため、介護関係の団体や組織での機関紙づくりの手伝いをしていました。

ところが、ある介護関係の団体の年末の打ち上げの席で、朝日新聞記者OBにこういわれました。「柳君、君の署名記事がいろんなところで目立つね。女性シャンソン歌手や落語家の太鼓持ちみたいなことをやっているらしいじゃないか。しかし、利用されるだけでじゃ駄目だよ。このままだと第二の人生も器用貧乏になってしまうぜ」

柳さんは「第二の人生。私が考えていた未来は、他の人にはこのOBの声のように映っていたのか」と書いています。

他人は好き勝手なことを言うものです。「人の口には戸が立てられません」。なにか行動を起こせば、必ず批判する人たちがおります。

私にも、とんでもない「下種の勘繰り」を受けたことがあります。新聞社の支局長をしていたときのことです。チャイナペイントという製法で陶器づくりをしている50代の女性の作品を紙面で採り上げました。女性は末期がんで余命は幾ばくもないと診断されていました。最後の力を振り絞って制作する姿はニュースだと思ったからです。

新聞を見た展示ルームの責任者から「作品をぜひ、展示したい。多くの人に見てもらいたい」との申し出がありました。美術品ですから搬送にも最大の注意を払わなければなりません。勤務の傍ら、運送会社との調整、展示ルームとの協議を重ね、展示会は成功裏に終わりました。ところが、社内でささやかれたことは「タケちゃんがチャイナペイントの展示会にあんなに熱心なのは、女性とできているからだ」でした。

展示作品を選ぶのに女性に会ったと記憶していますが、会ったのはそれ一回だけです。「人の口には戸が立てられません」。ほっとくしかありません。

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