すでに秋が深まりつつある。少し前までは冷房、薄着・・だったものが、今や暖房が恋しい秋の夜長となっている。こうした季節の移ろいは、楚々として変化をしていく訳だ。『明日(あした)から秋ですよっ!!』と、天から声はかからないのである。^^ まあ、当然といえば当然だが、今日の四方山話(よもやまばなし)は季節を題材にしたお話だ。
とある田舎(いなか)の家庭である。老人が落ち葉を集めて燃やしている。落ち葉の中にはサツマイモが数個、隠されている。今年、小学一年に入学したこの家の孫が、ひょっこりと顔を出さなくてもいいのに顔を出した。
「なんだ、正也(まさや)か…」
「じいちゃん、僕の分はあるんだろうねっ!?」
「ははは…正也殿の分は、ちゃ~~んと確保してごさるよっ!?」
「そう…それは、大儀(たいぎ)っ!」
「もう、そろそろ、季節も移(うつ)ろうか…」
「ああ、移ろう、移ろう。僕の大好きなお正月だっ!」
「お正月は、まだ早かろう。先にクリスマスだっ!」
「それがあったね…」
しばらくして、二人は焼けたサツマイモを美味(うま)そうに頬張(ほおば)った。
季節には、それぞれ楽しみが待っている訳である。
今日の七十八話は、季節をテーマに描く四方山話でした。^^
※ ご存じ、風景シリーズから、お二人の特別出演でした。^^
完