足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY下げ渋る・・・本日はバフェットがネット上で視聴できる

2016-04-30 09:07:52 | 投資戦略
東京市場の株価の下落が尾を引きNYダウが一時は178.78ドル安まであったが・後半には戻し1万8000ドル台を回復し、引けは1万7773ドルの57.12ドル。
世界的な株安が続き上海-0.25%、独-2.73%、仏-2.82%、ブラジル-0.74%。
NY株は1万8000ドル台まで回復していたが日本株ショックが直撃した。
円相場はNY市場で1ドル=106.36ドルをつけた。

一方、石油は堅調、金・銀相場は15ヵ月ぶりの戻り高値になった。特に金鉱株が人気を集め年初来ではバリック・ゴールド(ABX)が2.4倍になり戻り高値をつけた。
先に「トリトンスクエア通信」で大手ヘッジファンドのルネサンス・テクノロジーのジム・シモンズが昨年来、この銘柄に大量投資したことは紹介したが、彼は金融工学をベースにした独自の投資論を開発し21世紀初めから 抜群の成果を上げ、個人資産を100億ドル(1兆700億円)以上稼いだが、金相場の分析でもその理論を生かした。
バリック・ゴールドは2011年の金相場の史上最高値の時には$55をつけた(昨日の引け値$19.37)。多くのヘッジファンドが不透明な環境下で運用に苦慮しているが、相場の波乱期でもチャンスとみたら集中投資するシモンズはヘッジファンドの本領を発揮する数少ない運用者である。
金相場はリーマンショック後には運用資金の逃避先として選好されたが、再び投資対象として人気が復活してきた。シモンズの金買いの理由は不明だが、独自の相場分析モデルが買いサインを発信した。
金を見直すときがきたことは確実で、史上最高値の1800ドル台を目指す(昨日の電子取引市場では$1,299)。

30日(土)にはバークシア・ハザウエィの51回目の株主総会が開催される(日本時間深夜から31日早朝にかけて)。Yahoo Financeのサイト上で総会の模様が初めて実況中継される。5時間余の質疑応対が展開される予定で、歴史上、最高の投資家がお茶の間に姿をみせる。同サイトですでに準備されている。バフェットと同時代にあるわれわれ投資家には、バフェットからの最高の贈り物である。バフェットの発言を一目でも視聴したい。英語と中国語で伝えられる。

東京市場が世界の株価に影響

2016-04-30 01:14:32 | 投資戦略
(ブログ編集の不都合で記事掲載が遅れました)

日銀ショックがNY株にも波及しダウ平均は210ドル安になった。
前日の連銀FOMCでは金融政策の現状維持が決まり株価は小幅高であったが、この日の日経平均の暴落がウォール街を揺さぶった。米国株のシンボルであるアップル(AAPL)が売られたほか、ダウ採用銘柄がすべてマイナスになった。アップルは大株主のカール・アイカーンが売却し波紋を投げた。
NY株の下落のいまひとつの理由は第1四半期のGDPが+0.5%と2年ぶりの低水準になったこと。雇用情勢は改善トレンドを続けるが、足元の景気には活力が感じられないことに市場は失望した。

東京市場は事前の予想に反して日銀の政策会合で追加の緩和策が出なかったことに失望し、株価が暴落、これまでの黒田総裁への信認が大きく揺らいだ。
市場には一貫してフレンドリーな政策を貫いてきただけに、今後の東京市場の動向は一段とNY株に左右される動きが強まるだろう。
2013年の就任以来、総裁の政策に全面的によりかかってきただけに期待感を崩された市場のショックは大きい。
1月のマイナス金利政策の発動では、狙い通りの効果は出ず円相場は逆に高くなった。
黒田総裁は時間差をともなって効果が出現するという確信をもち、時間稼ぎを続ける。しかしマイナス金利政策の効果について海外の投資家は懐疑的で、円買いに走り、昨日のNY市場では再び円高が噴き上げた。このような結末と現実を読めなかったのは、総裁就任いらい始めてのことである。

東京市場は長い連休にはいり、われわれの関心は欧米の株価に向かう。昨日のヨーロッパ株は落ち着いていた。連休中の海外株の動向を注視したい。

米連銀は慎重姿勢・・・6月利上げ説も後退

2016-04-28 06:09:51 | 投資戦略
米連銀FOMCの2日間の日程が終り声明文を発表した。
「消費は緩やかに回復しているが、設備投資は軟調」と完全な状況でないと指摘し、海外要因にも懸念を表明した。市場ではあと2回の利上げというのがコンセンサスだが、6月の会合での利上げの可能性は事前の31%から19%に後退した。NYダウ平均は1万8000ドル台を回復、原油価格は$45.32と戻り高値になった。
重視したのは世界経済の足元の状況で、ことしは大統領選の年だけに利上げについては一段と慎重姿勢をにじませた。

決算はフェイスブック(FB)が好調で前年比で売上+51.9%、1株利益は77セント(予想62セント)。モバイル向け広告が絶好調で、ネット関連ではそのビジネスモデルが威力を最大に発揮しはじめた感がある。株価は引け後、急騰した。

東京市場は昨日から2日間の予定で日銀の会合が進行中。米連銀の決定をみて、黒田総裁が一段の緩和政策を発動する確度は一段と高まった。今回は外人エコノミストの一段の緩和政策の観測に前向きで、さらなる異次の緩和政策を期待する。日本の足元の景気は停滞し、消費動向に慎重な雰囲気が出てきた。これまでから手持ちの緩和政策には選択余地は大きいと公言してきただけに、日銀の出番に世界が注目する。
マイナス要因の原油価格は安定してきたし、ヨーロッパ,新興国市場の株価にも下値抵抗感が出てきた。連休中にもNY株が戻り高値をつける可能性が出てきた。

日米の金融政策に注目

2016-04-27 06:01:12 | 投資戦略
NY株は翌日の米FOMCの結論待ちで小動き。
2日間の会合だが金利据え置きで予想は一致しているが関心は声明文。これからの政策の方向性についてイエレン議長がどのようなコメントをするか。せっかく安定しはじめた市場のセンチメントを壊すことは考えられない。
ドル相場には動きはなく安定した。引き続き原油、金相場は堅調。最近、目立つ新興諸国の株価の落ち着きで、これまで足を引っ張ってきたラテンテン・アメリカの復調が目立つ。
注目のアップル(AAPL)が引け後、決算を発表した。1株利益は1.90ドルと予想$1.99を下回った。iPhoneが前年比で16%減少した。株価は引け後6%下落。

日銀の政策会合が本日から2日間開かれる。
しばらく沈黙してきた黒田総裁がどのように動くか?
国内のエコノミストの見方はまちまちだが、海外では円高反転のストップのため金融界で不評なマイナス金利政策の補完の奇策が期待されている。市場からの資産買上げ額の増加などである。ゴールドマン・サックスは今回の政策発動が円安を呼び、1ドル=130円に向かって円安基調になることを期待する。NY市場では円相場の買残が史上最高の水準に積み上がっているだけに、その裏をかくような政策発動を狙うかどうか?黒田総裁の次の一手に注目される。

昨日は大手銀行株が大商いのうちに相場の下落を先導した。個々の銘柄ではテクニカル面で妙味が出てきた。
25日移動平均の乖離率をみるとクックパッド(2193)-4.3%、寿スピリッ(2222)-8.5%、カルビー(2229)-0.18%、ぐるなび(2440)+1.9%、MonotaRO(3064)-4.4%,リゾートトラスト(4681)-2.6%、コーセ(4922)-4.8%と調整局面にはいり、久振りの買い場にきた。
最近、人気の中心になってきた小野薬品(4528)+2.8%、そーせいG(4565)-4.6%もまとないチャンスにきている。
一方、今回の相場の先導役の金融株は小休止しするだろう。連休明けからここに上げた銘柄の決算発表が始まる。材料面でも注目できる株である。


円相場の130円説

2016-04-26 06:24:04 | 投資戦略
米連銀のFOMCは26~27日、日銀の政策会合は27~28日に開かれる。
米連銀は政策変更を見送るが、大きな関心事は日銀の動向。マイナス金利政策に対しては金融界からは不評で、目指した円相場の安定も実現せず逆に円安基調を崩す結果になった。
最近はかつてのような黒田総裁のバズーカ弾の威力が見られず、円安の方向性は混迷している。
先週末は為替取引業者の資金供給の拡大報道が注目されたし、続いて昨日はゴールドマン・サックスの「1年以内に円相場は130円台になる」という観測が報道された。「マイナス金利には威力がみられず、次にはバズーガ弾が打ち上げられる。リスク資産の買い上げである」というレポートが出た。
株式相場は日銀の次の一手待ちの雰囲気になった。先行きの東京市場の方向性を決める最大の材料である。

今週末、バークシア・ハザウェイが株主総会を開催する。第51回目でバフェット85歳、副会長のマンガーは92歳で、世界中から4万人が集まる大イベントである。本年のバークシア・ハザウエィの株価は年初来+11%とS&P500の+2%を大きく上回る。ポートフォリオのクラフト・ハインツ、IBM,コカコーラの株価が好調で、足元の運用成果は絶好調。相場に左右されないバフェットの投資戦略が本領を発揮している。

総会はYahoo Financeを通じて世界にインターネットでライブ中継される。言語は英語、中国語。
日本との時差は13時間なので、日本では土曜日の深夜からはじまる。初めての中継で世界中の投資家が視聴するだろう。
是非、ネッを開いてバフェットと副会長チャリー・マンガーの話に耳を傾けたい。