ノースカロライナでの連銀バーナンキ議長の講演に注目して様子見した昨日のニューヨク市場であったが、講演内容は連銀のこれまでの「景気の動向とインフレのリスクのバランスを考慮して決める」という態度から「リスクのバランスの変化に注視している」という表現に変化した。
景気の方のリスクが大きくなってきたと、とれる印象を与えるものであった。12月11日のFOMCでの利下げの確率が一段と高くなった。
今週のNY株の2日間(火~水曜日)のダウ平均は+550ドルとなった。2日間の上昇幅は2002年10月以来の数字になった。今回の上昇相場のスタートの時点である。
東京市場の底入れは2003年4月であったが、相場の内容としてはNY市場と同じように金融株を除いては大半の銘柄が、2002年秋に底入れしている。それだけに、ウォール街の人気の転換が継続するかどうかに注目している。
東京市場での動きで、われわれが注目しているのは新興市場でのハイテク、インターネット株の人気化である。ウォール街でのグーグル、アップル、アマゾン・コム、リサーチ・インモーションの上昇が好影響を与えたが、個人投資家の間でのセンチメントが微妙に好転していることは、先行きを読む上では明るい材料である。
インターネット株の新しい成長株として8月2日に公開したフルスピード(2159・マ)に注目している。
ネット広告関連の業績の伸びが鈍化しているなかで、高成長を続けるのは、技術開発に力点を入れてきた経営戦略の成果である。2008年の成長銘柄になる候補のひとつとみている。