ウォール街を最後に「株式市場がことしも終わった」。
クリスマス明けの相場を期待したが、昨日のNY株はダウ平均が10717.50(-67.32)、ナスダックが2205.32(-12.84)、S&P500が1248.29(-6.13)で終わった。年間ではダウ-0.6%、ナスダック+1.4%、S&P+3.0%であった。ダウの上昇は3年目にストップした。それにダウの変動率は1886年にダウ平均が登場して以来の最低の数字である。ことしの米国株で成果を挙げるのは難しかった。ただ先進国では日本が1986年以来、ロンドンが1999年以来の上昇率を記録した。NY株の不振が世界の株式市場にマイナスの影響を与えなかったことも珍しい。新年の投資戦略を立てる上での注目点の一つである。日本とヨーロッパのプレゼンスが上がってきたのか?
ウォール街のこのような環境下で、ビル・ミラー(レッグメイソンのバリュートラストの運用者)が、今年もS&P500に勝って+5.32%と15年連続という記録を立てた。前人未踏の数字である。S&P500は+4.91%(いずれも配当を含む)。連続してS&P500を上回るのは不可能というのが学界では定説になっている。その定説に彼は挑戦してきた。
ビル・ミラーの過去15年間の成果は年率+16.44%。4年余で資産を2倍にした。今年はインターネットのグーグルに大量に投資した。2兆円近くを運用しながら41銘柄への集中投資である。エネルギー株への投資はゼロであった。原油価格の上昇は一時的というのがその理由である。
彼の生き方をみてると勇気づけられる。
「ことしも終わった」あとのウォール街でのコンセンサスの一つは、「2006年もストック・ピッカーズ・マーケット(個別物色)が続く」ということである。株価指数には関係なしにである。
東京市場でも+40%のあとの市場では、ウォール街と同じことがいえるかも知れない。
2006年も良い年でありますように。