足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株は商い低調。新春をどう読むか?

2016-12-31 08:05:44 | 投資戦略
NY株は小幅安で終わり待望の2万ドル台への挑戦は失敗。
年末で投資家は株価の画面から離れ休暇にはいり売買代金は恒例通り落ち込んだ。
2016年の相場は前半の低迷から脱し11月以降はトランプ相場の台頭でダウ平均+13.4%、S&P500+9.5%、ナスダック指数+7.5%で終わった。円相場は117円。
特に目立ったのは中小型株ラッセル指数で+19.4%と目覚しい上昇率をみせた。内需関連株が中心で米国景気の復調を示す。
日経平均は+3.8%でNY株に比べて大きく見劣りした。景気の先行きに不透明感が出てきたほか、日銀の金融政策に対し強弱の見方が割れたのも一因。円高が相場に影響した。円は昨年末が120.2円であったが、米大統領選の11月には100円近くまで上昇し相場の大きなかく乱要因になった。
世界の相場の動きはブラジル通貨レアル+68.9%、石油+52.5%、ロシア株+51.0%、WTI石油+45.3%、砂糖+27.9%、銀+17.5%、大豆+17.1%、銅+16.5%、ブルンバーグ商品指数+11.6%、S%P500が10.1%。

2016年の相場の幕開けは年初のNY株が大幅安(276ドル安)ではじまり、中国経済の挫折、原油安、ドル安がその後の相場に影響を与え1月は月間でNY株5.5%下落、日経平均8%下がった。新春早々その後の相場展開に暗雲が出て警鐘を鳴した。
2017年はどうなるか?1月相場が年間の相場を占うカギの一つになりそうである。
トランプ相場の新展開に期待したい。

バフェットの存在感・・・チャーター・コミュニケーションズ威力

2016-12-30 08:23:10 | 投資戦略
2016年はバフェットの年で閉じられる。
1年間で資産を120億ドル(1兆4000億円)も増やし742億ドル(8兆6800億円)になった。米国ではビル・ゲーツに次いで第2位の富豪にのし上がった。
年間で1兆4000億円も資産が増えたのは所有している株式が上昇したからだ。ほとんどが経営しているバークシア・ハザウィイの株価の上昇である。トランプ相場のおかげで投資銘柄が軒並み上がった。どこまでの運は尽きない。
本日の日経新聞に「2016年の世界の時価総額増加率」ランキング企業が報道されているが、トップは米国のケーブルTVのチャーター・コミュニケーションズ(CHTR)であったが、この銘柄の大株主である。ほかに通信、銀行株が大きく上昇した。
チャーター・コミュニケーションズは、後継者としてスカウトをしたウェシュラーが選んだ銘柄で、バフェットが引退してもバークシア・ハザウェイの存在感が安泰であることを誇示した。ほかに大きく上昇したのが空輸株で年後半にこれまで保有がゼロであったのを、主要空輸株の投資を急遽ふやした。
バフェットはこれまで空輸株投資で失敗し、投資したくないリストにいれてきた。その考え方を変えさせたのはウェシュラーと並んで次代のバフェットと目されるコームズの2人であった。ことしのバークシア・ハザウェイの偉業の達成に後継者が大きく貢献したのは、今後のバークシア・ハザウェイの存在感を判断する上では大きな意味をもつ。
米国の投資の世界には新しい運用者が間断なく生まれるのがウォール街である。
チャーター・コミュニケーションズには「バフェットにコピー(提灯を点ける)」の手法を実践してわれわれも儲けた。再度、この投資法をお勧めしたい。

日本株の取引は本日の取引で2016年を終える。波乱の年であったが、世界を牛耳るNY株の投資環境には光が出てきた。トランプ氏の登場で、期待を寄せる投資家が着実に増加している。バフェットの投資成功を振り返り、新年の戦略を考えたい。

バフェットの側近ウィシュラーの言葉

2016-12-29 07:32:47 | 投資戦略
NY株は久しぶりの大幅安。今週はクリスマス休暇と年末を控え市場の参加者は大きく減った。
大手機関投資家やヘッジファンドは職場から離れ市場の売買高は大きく落ちた。NYダウ平均は2万ドル挑戦を諦め、この日は111ドル安と10月11日以来の下落を記録した。トランプ相場の勢いは消え、ダウ採用銘柄は29社が下落するという久しぶりの相場展開である。
特にハイテク株の下落が目立った。
ヨーロッパ株は堅調でロンドン市場は史上最高値を更新した。

米ヤフーが著名ストラティジスト15人の2017年の相場の見通しを紹介している。
一番に強気はS&P500で2,500、弱気は2.300.本日の引け値は2,249なので強気でさえ11%上昇と大きな相場展開はみていない。
一方、極端な弱気も見られず現在の株価が底値圏とみる。
足元はトランプ相場に期待が高まるウォール街だが以外に慎重な感じをうける。波乱の2016年相場の余韻が残り、新大統領の政策が的確につかめないということが本音のようである。

バフェットの側近で最近は評価が高まるテッド・ウィシュラーは「投資は知識を結びつけるゲームだ。この世界での経験は長くなればなるほど知識の蓄積が増え、あとは意欲の問題だ」と語る。

ヘッジファンドも一転して強気

2016-12-28 06:10:53 | 投資戦略
クリスマス休暇明けのNY株は2万ドルを目前に足踏み。
機関投資家、ヘッジファンドは休暇に入り売買代金は低調。
ただ11月以来のトランプ相場の人気は続き先行きに対する強気人気は崩れない。ただ2万ドル台乗せのあとは調整を見る向きも散見される。

足元の米景気の回復が続く。住宅関連指標は大統領選前の好調な回復トレンドが続き、この日に発表された個人消費指数も12月は明るく、8月以来の高水準。
株高、金利上昇、ドル高、石油高とクリスマス前の相場環境は不変で、それに金相場にも底入れ観が出てきた。
相場の牽引役はアマゾン、ウォールマートなどの消費関連のほか、金融株も堅調。
投資家の新年に対しての期待感の根底にはトランポノミクス(トランプ主義)による「米国の変化」への期待感が高まる。数ヶ月前には英国民投票によるEU離脱が世界の株価を震撼とさせたが、その恐怖感も薄れた。
リーマンショック後の米国では“ニューノーマル論”が台頭し経済の潜在成長率が2%というのが常識になってきたが、トランプ政権の誕生で成長率3%論が散見される。2017年の大きな相場のテーマである。

ヘッジファンドが強気に転換したと報じられた。直近のデータではショート・ポジションを大幅に減らした。11月の大統領選のときはロング・ポジション(買い)の比率を大きく落としたが、トランプ相場では強気に転換する向きがふえた。具体的な内容は2月中旬まで待たなければならないが、トランプ相場で稼いだ運用者も出てきた。
ジム・ポールソン(ウェルズ・キャピタル)が強気に転換した。「新年は上昇する。米国だけでなく世界の景気回復は加速する。セロ金利からの離脱、金融政策の正常化、新政権の企業至上主義に注目。景気敏感株、小型株、外国株に魅力がある」とCNBC出かあった。機関投資家の間で人気のあるストラティジストである。これでの慎重論から大きく転換。

円相場は117円を割れずこの日は117.48円とドル相場の基調は強い。

日米とも2017年への期待感が出る・・・パラダイムシフト

2016-12-27 05:55:40 | 投資戦略
NYダウ平均は2万ドル大台を目前に足踏み。
年末の節税対策の売り物を消化しながら地固めを行う。多くの投資家のリード役は休暇にはいり前向きな動きはみられない。余裕のある投資家ほどあわてない。
根底には「トランプ時代が到来」という大きな期待感が相場の大きな支えになったことだ。1ヵ月前の大統領選(11月8日)のときとは大転換で、相場の先行きを判断する材料に不透明感がなくなり、2017年の米国経済と株価への期待感が大きく膨らんでき。
投資の世界のパラダイム(理論的枠組み)が大きく変化の方向に向かって動きはじめた。単なる人気だけではない。
大統領選前にはトランプ氏の当選を忌避した向きが180度転換し、「米国は変わるという期待感」を持ち出したことは注目しなければなない。一例はバフェットで現状に満足しはじめた様子。
国民の間でも「既存の政治の秩序を壊し、新しい米国を創出するという期待感」が日増しに強まる。トランプ政治の舵をとる閣僚の布陣が固まるにつれ、先行きへの信頼感が出てきた。この日の注目点は置き去りにされたバイオ、ヘルケア関連に復調の兆しが出てきたことだ。金融株に変わって相場をリードしはじめた。

日本株も景気回復への期待感が高まる。2016年は日銀の黒田総裁への風当たりが強まったが、景気の現状が緩慢ながら明るい方向に進む兆しが日増しに強まる。

シグマ光機(7713)が2017年5月期の中間決算を大幅に増額修正した。(事前予想→今回修正)
売上36億3000万円→37億6700万円、営業利益3億2000万円→4億4300万円、経常利益3億3500万円→4億9600万円、純利益2億1500万円→3億2700万円
最近は小型株にこの種の業績好転が出始めた。先の安永(7271)、黒田精工(7726)が先例。シグマ光機の時価総額は77億円、安永は267億円、黒田精工は111億円。
先にバロンズ誌が取り上げたが、「シグマ光機の子会社のアップル向け半導体技術の好調」という高い技術力は再評価してよい。小型の人気株になるだろう。