足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

メガチップスは任天堂関連株

2006-11-30 16:48:04 | 株式

任天堂(7974)の株価が強い。

今週末(2日)の日本での「Wii」の発売を控えて、新製品への期待が高まっている。米国では19日に発売になったが初回の販売台数60万台はもちろん完売。

関連株としてメガチップス(6875)に注目している。任天堂のゲーム機器へASICS(特定用途向け集積回路)を供給してる。携帯ゲームのDS(ダブルスクリーン)の好調が、メガチップスの9月中間決算にも反映されていた。それに、これからは「Wii」向けのASICSが業績に寄与する。同社の株価はこれまで任天堂とほぼ同じように変動してきたが、今年に入ってからは任天堂の上昇に追随できず、相対的には大きくアンダーパフォームしてしまった。これからキャッチアップする動きに入るだろう。

中間決算の発表時には2009年3月期までの中期経営計画を発表した。売り上げは+31%だが、利益は2倍。

この数字にはこれからの任天堂のDS、「Wii」の好調な数字は全く入っていない。第3四半期の数字が出る2月には、この株の評価は大きく変わるとみる。最近、大手機関投資家が買い増しているのも需給面では注目される。


米国株の新年は明るい

2006-11-29 17:49:41 | 株式

今週の米バロンズ誌になかなか興味のある記事が掲載されてる。

相場の方向性を判断する場合のPER(株価収益率)の位置である。普通はPERは低ければ低いほど投資環境としては好ましいという常識が一般的である。

ところがトムソン・プロプリエタリーのロバート・カイザーによると、「過去の経験則からするとこの常識は間違っている」という。「歴史的にみても株式投資にとって好ましい水準は16.7~16.9倍前後である」という。

「PER15.4倍以下とか、PER19.9倍以上の水準では株式投資にとっては好ましい環境でない」という。

現在のPER17倍は「居心地のよい水準から多少は逸脱しているが誤差の範囲内」と彼は言う。

来年の企業収益がS&P500ベースで+7%になれば、2007年のS&P500は+9.4%上昇するとみる。これまでの通念とは離れた議論ではあるが、投資家心理を分析する上ではなかなか考えさせれる視点である。

さて東京市場だが新興市場の底入れが相場環境を明るくした。ヘッジファンドがカラ売りの新興市場株を買い戻し始めたのか、個人投資家のセンチメントが好転してきているのか。先週がセーリング・クライマックスになった。


沈静化したIPO市場でチャンスを求める

2006-11-28 18:42:46 | 株式

12月のIPO(新規公開)は30銘柄にのぼる。恐らく史上最高数ではないか。

新興市場から人気が離散しているときだけに、需給関係が気になるが、銘柄の顔ぶれは玉石混交ではある。合理的な尺度と人気の分析を慎重に行えばチャンスがある。かってのように初値が当日につかないというようなケースは、このところ皆無であるだけに、新興市場フアンだけではなく、これまで「そんな投機市場に染まりたくない」と一切、関心を持たなかった投資家にも、机上でもよい、投資の実験をしてみるチャンスでもある。

本日公開のマガシーク(3060.ま)はIPO価格65万円で、初値は80万9000円。引けは74万6000円であった。

最近のインターネット株のなかでは注目したい銘柄のひとつである。女性ファンション雑誌と提携して人気商品をオンライン上で販売する。そのほか人気が峠を越えた商品の値引き販売「アウトレットピーク」事業も行う。2007年3月期の売上げ経常利益率の予想は6.5%と伊勢丹の5%前後を上回る。

評価はネット株の分析尺度を採用した。PSR(株価÷1株当たり売上げ)である。同社の1株当たり売上げは28万円。

差し当たりPSR3~4倍の84万円~112万円とした。


ネット株の季節性

2006-11-27 17:25:33 | 株式

「ブラック・フライディー」(すべての小売り店が黒字になる金曜日)に次いで、「サイバー・マンディー」(Cyber Monday)という言葉がある。ウォール街で使われる言葉である。

先週の感謝祭(木曜日)から年末の本格的なショッピング・シーズンが始まったことは書いた。日曜日までに格好な品物が見つけることができなかった人が、インターネット上での買い物をする。Eコマースの83%の店舗が送料無料にするほか、現実の小売店がデぃスカウントの目玉商品を用意するように、オンライン・ショッピングにもその種の催しが行われる。昨年は前年比で+29%も増加したが、事前の予想では、ことしは+12%である。月曜日は「サイバー・マンディー」だ。

「インターネット株には季節性がある」といわれるが、昨年も11~12月にはEベイ、アマゾン・コム、グーグル、ヤフーが動いた。今年もこの習性に期待する投資家も多い。

本日の東京市場でもインターネット株が動き始めた。ヤフー、楽天、ミクシィ、ドリコムなどネット関連の人気株である。おそらくこれらの銘柄をカラ売りしてるヘッジファンドが買い戻しをしたのがきっかけであるが、それが反騰トレンドにつながれば、新興市場の人気に変化が出てくることが期待できる。

最近のヘッジファンドのレポートをみて関心を引いたのは、新興市場の流動性のある銘柄のカラ売りを相当していたことである。外資系証券が玉調達をするメカニズムが出来上がっている。


ウォール街でのショッピングの出足・・・株価の関心事

2006-11-26 17:26:34 | 株式

米国では木曜日の感謝祭から年末のショッピング・シーズンが始まった。小売業界は年間の40%をこの季節に売り上げる。したがって個人の財布が緩むチャンスをいかに自社に取り入れるかに知恵を絞る。全体の出足は相変らずすごいようだ。しかし中味は店によってはかなりのばらつきが出てきている。

世界の業界のトップのウォール・マートは世界の小売業の売上げの3.5%のシェアーを占める。それだけに同社の年末商戦の数字は、業界の動向を推測する格好なデータである。

同社は数々の目玉商品をそろえて臨んだ。しかし,木曜日、金曜日の数字は既存店ベースでは-0.1%(昨年比)になった。1996年以来のことである。今年の予想は前年比と横ばい。

今週の木曜日には全米の小売の数字が発表されるので、ウォール・マートのような数字が続くようなら、個人消費についての悲観的な見方が出て、相場にも影響しかねない。

ただ競争相手のJ.C.ペニーは「出足は好調で、感謝祭に続く3日間の動向は順調」と語っている。消費者の関心は家庭電化製品、玩具に向かっている。

インターネットを利用したEコマースはすっかり消費者の間に定着し、業界では昨年比+24%を見込んでいる。

昨年もこのシーズンには、予想以上のEコマースの好調で、インターネット関連株に人気が

出た。その流れが今年も出るかどうか?今週のウォール街の大きな注目点である。